「インド」 煙もモクモク 湯気もモクモク 山緑深き魅惑のパルバティバレー

インド

南インドのバンガロールから55時間かけて電車で一気に北インドのチャンディーガル(Chandigarh)へ。3日間電車の中で過ごしました。今までで3日間も電車の中で過ごしたのは初めて。しかし周囲の席の人々と仲良くなり話していたので、それほど退屈せずに過ごせました。

インドは広くおもしろい旅先です。砂漠もあれば、熱帯雨林もあれば、ヒマラヤ山脈もあります。異なった土地で、異なった人々が、全く違う言葉を話して一つの国で暮らしています。今回はその中でも山と緑豊かなヒマチャル・プラデシュ州、パルバティバレーを紹介。

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パルバティバレーはどこに?どんな場所?

インドで一番清潔な都市チャンディ―ガルで、3日間かけて長距離列車の疲れを癒した後、パルバティバレーの入り口ブンタル(Bhuntar)までやってきました。ここブンタルからは、パルバティ川沿いに山道を上がっていきます。このパルバティ川沿いのエリアがパルバティバレーと呼ばれる地域です。

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ブンタルからパルバティバレーの各村々へは公共バスで簡単に辿り着くことができます。終点のバルシャミ(Barshaini)まで行くバスもありますが、カソルやマニカランで止まるバスもあるので要注意。終点まで行きたいなら、バスを乗り換える必要があります。

バスが進んでいくのは、常に片側が山の急斜面、反対側は深い谷底で、十分にガードレールも無いスリル満点の道路。しかし景色は何とも美しい。パルバティバレーと呼ばれる通り、谷あいには美しい川が流れています。その奥には雪を抱いたヒマラヤ山脈の姿も。

パルバティバレーを旅したのはまだ寒さも厳しい3月。日中は温かいですが、夜は寒い。春の始まりを感じてか、ところどころには梅の花が咲き始めています。きれいだなーと思い、ふと道脇の雑草を見てみると、、

ん?ん?これって?そうマリファナ(大麻)です。パルバティバレーを語るにあたって、マリファナ抜きには語ることはできません。大麻はインドでは違法ですが、経済的な事情からパルバティバレーの多くの村人がチャラスの生産を行っています。

ここで収穫されるマリファナから作られるチャラスの品質は、世界でもトップクラスと言われ、村人は山の高地で大量のマリファナを栽培しています。警察も取り締まりをしていますが、大麻はインドのヒマラヤ地域に自生する植物であり、違法栽培に歯止めをかけることは不可能だそう。

しかし違法とは言っても、インドでははるか昔から宗教儀式や祭礼にマリファナが使われてきましたからね。ヒンドゥー教の神様シヴァ神も、瞑想中にマリファナの花を食べていたと言われています。伝統的に使用されてきたものが違法って。

そんなパルバティバレーですから、世界でもトップクラスのマリファナを求めて、国内外から多くの旅行者が集まってきます。

しかし、パルバティバレーはマリファナだけではなく、美しい自然や村々、日本人にはたまらない温泉などスモークにも勝る魅力がたくさんあります。

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パルバティバレーを彩る美しい村々

パルバティ川沿いにどんどんと標高を上げていくと、その先にある美しい村々を訪れることができます。山間部に散らばる村々にあるのは、黒っぽい石板を並べた屋根のある、色彩豊かな木造建築の家です。

現地で分かりやすいパルバティバレーの地図を発見したのでここに貼り付けておきます。

カソール パルバティバレーの玄関口

カソルはブンタルから30kmほど山の奥にある美しい小さな町です。カソルは旅行者に必要なレストランや宿泊施設が揃っており、この地域を旅する拠点にもなる村です。町からは美しいヒマラヤ山脈も見えます。

しかし近年有名になりすぎて、たくさんの旅行者で賑わいすぎているようです。便利で美しい場所なので、旅行者が集まるのは理解できます。イスラエルからの旅人が多いです。だから町にはイスラエル料理店もあり、中々おいしいですよ。

せっかく自然がきれいな山奥に来たのだから、人混みの中にいるよりも、もっとその雰囲気を味わってゆったりと過ごしたいですよね?

静かな場所に暮らしたいけれど、何でも揃うカソルに近くに滞在したいという方に、おすすめの場所があります。吊り橋を渡ってパルバティ川を越え、少し離れた場所にあるチャラル村が静かで良い場所でした。安宿もたくさんあります。

マニカラン シーク教の聖地と温泉

カソールから、さらに山奥に入っていきます。マニカランは標高2000メートル、幹線道路沿いにあるカソールよりも小さな町です。何といってもマニカランの魅力は、日本人にはたまらない温泉が湧いているのです。

バス停から吊り橋を渡り川を眺めてみると、遠くの方で川から白くモクモクした湯気が盛んに噴き出しています。

吊り橋を渡り切ってから温泉までの通りには、食べ物屋さんや土産物屋が所狭しと建ち並んでいます。町の中心には美しい木造建築の寺院もあります。

そして一軒目の温泉はこの木造寺院の近くにあります。マニカランの温泉ですが、何と入浴は無料。お湯の温度は日本の温泉のように40度近くもあり、日本人にとっては最高の湯加減です。脱衣所で水着に着替えて入浴します。日本の感覚で裸になってはいけませんよー。

もう一軒の温泉はシーク教寺院のグルドワラ地下にあり、何と24時間オープンで無料です。さらに嬉しいのは、このグルドワラでは、無料で食事を頂くことができます。シーク教信者でなくても、誰でもだいじょうぶなんです。入るときに髪の毛を隠すためにスカーフを頭に巻きます。

広いホールに入り、床に敷いてある長い絨毯の上に座れば、ボランティアの給付係の方々がカレーやライスやナン、ヨーグルトなどを運んできます。もし食べたいものがあれば、「ください!」というと、皿に盛りつけてくれます。そして何とお代わり自由です。

このシク教寺院で行われている無料ご飯は、ランガル(Langar)と呼ばれます。カースト制度、信仰、性別、年齢、社会的地位に関係なく食事を共有する事で、シク教の教えである無私の奉仕や愛、友情のシンボルとなっています。

お代わり自由ですが、残すのは絶対厳禁です。食べたあとに皿洗いなどを手伝えるところもあります。無料でご飯頂いているので皿洗いぐらいは手伝いましょう。

私はカルガという別の村に滞在していたのですが、温泉とグラドワラでのご飯目当てに「よし、今日は温泉行こうか」というような感じで、何回も山を下ってマニカランまで遊びに来ていました。

トシュ 景色が最高

トシュ村は標高2400メートルにある、とても風光明媚な村です。ここまで来るバスはなく、終点駅のバルシャミから徒歩かタクシーで行かなければなりません。徒歩でバルシャミから1時間程の距離です。

標高が高いこともあり、景色はこれまでの村に比べて一番きれいです。谷の向こうにはヒマラヤ山脈をきれいに見渡す事ができます。山の斜面に村があるので、路地は狭く、迷路のようでアップダウンも激しい。

ただ景色はきれいなのですが、一つ問題が。この村はマリファナの販売などビジネスをしたい村人が多いようで、次々と声を掛けられて迷惑です。スモークにあまり興味がなく、のんびりと長期滞在をしたい人には向いていないと思います。

村には日用品を扱う小さなお店がいくつかあるのでご心配なく。安宿もたくさんあります。

キリガンガ トレッキングで辿り着く絶景の温泉

トシュ村からは、トレッキングでキリガンガまで行ってきました。何でもキリガンガには露天風呂があり、絶景の中熱々のお湯を楽しむことができるということでした。

小さな村を越え、美しい谷を越え、森林地帯を越えていきます。キリガンガまではトシュ村から(カルガからのルートもある)徒歩で3時間ぐらいの距離。道は比較的緩やかでトレッキング初心者でも大丈夫だと思います。

頂上には数軒のレストラン兼ゲストハウスが。何も持っていかなくても食事と寝る場所に困ることはありませんので、ご心配なく。

温泉の湯は、冬だったからかもしれませんが期待していたよりもぬるく、マニカランに軍配。ただ露天風呂なので、温泉からの景色は最高でした。パルバティバレーの美しい自然を気軽に楽しめる、素晴らしいトレッキングでした。

お気に入りのカルガ 良い景色とフレンドリーな人々

これまで紹介してきた素敵な村々の中でも、私が気に入って長期滞在してしまったのがカルガ村です。まだ冬でオフシーズンであったこともあり、村には私の他数人のインド人長期滞在者しかおりませんでした。

何よりも村の人々の感じがよく、静かで景色もよく、他の村と比べてマリファナビジネスも控えめ。滞在先のホームステイのオーナー家族や長期滞在者と仲良くなるうちに、ついつい長居してしまったのです。

カルガ村ではリンゴの栽培が有名で、リンゴの木がたくさんあります。時期が冬だったので葉っぱも全くありませんが、夏になると緑に溢れ、どこに道があるかもわからなくなるそう。

私が滞在していたホームステイには、ここカルガでゲストハウスを始めたいという2名のインド人アヌージとラビン、試験勉強中のマヌージ、色々ありすぎて仏教徒になりたいリチャ、ジャンベ演奏者のロイ、ヨガの先生のマックスが滞在していました。

ホームステイの家族を含めてみんな仲良く一緒に山に行ったり、ご飯を作って食べたり、温泉に行ったり、一つの家族のように過ごしていました。ここから10日間のトレッキングで山の向こう側スピティバレーにも行けるそう。今度一緒に行ってみたい。

ホーリー祭りも一緒にお祝い。

ある日は急に冷え込み、カルガが雪景色に。

羊の放牧に同行させてもらったり。

森の中には美しい清流も流れています。

特に特別な事をするわけではなかったけれど、ただ村を歩き周ると、お互いを知っている人がいて、ホームステイに帰れば仲間が待っていて、ご飯を一緒に食べるという、日常がすごく居心地の良かったカルガでした。

マリファナにそこまで興味がなく、ゆったりと自然や人々との交流を楽しみたい人にはカルガがおススメです。

おわりに

パルバティバレーにはたくさん友人がいるので、もし訪れたい人がいらっしゃれば連絡ください。私の友人たちに連絡をとることができます。楽しい人達なのできっと楽しめますよー!

インスタグラムもやってます。よろしければフォローお願いします。

コメント

  1. 汚いインドビジネス より:

    女性視線から見るとパルバテイでも恋愛詐欺、結婚詐欺、痴漢、が地元男の立派なビジネス。 ポン引き、ガイドには注意せよ。集団で人により、時期によりやり方を変えてきます。信用してはいけない。

    • Tomoya より:

      コメントありがとうございます。確かにそのようなツーリストをターゲットにした犯罪もありますので、気をつけなければなりません。ただ信用できる人々も同じほど存在するのも事実。気をつけながらも、色んな人々との交流を楽しみましょう。それが旅の醍醐味でもあるのですから。もし、私が長期滞在していたカルガで信用できる人々と過ごしたい読者の方がいるならお知らせください。連絡先等を差し上げます 🙂

      • Makoto より:

        ナマステ〜 Tomoyaさん。
        初めまして 私はコロナが終息したらスピテイに行く計画をしています。
        30年ぐらい前にマニカランからキリガンガまで徒歩で行った事があります。

        次回、是非カルガにも滞在してみたいので Tomoyaさんのお友達をご紹介いただきたです。

         Tomoyaさんもどうぞお体に気をつけてお過ごしください。

         Makoto

        • Tomoya より:

          ナマステ。返事が遅くなり申し訳ありません。スピティバレーいいですね!私もいつか訪れてみたいです。
          友人の連絡先ですが、ツイッターかインスタグラムからダイレクトメッセージを送っていただけますでしょうか?
          そこに変身する形で友人の連絡先を送ります。
          私のツイッターとインスタグラムアカウントには、こちらのブログからアクセスできるはずです 🙂

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