[エジプト] 世にも奇妙な黒い砂漠と白い砂漠 バハレイヤ・オアシスにて

エジプト

無事にカイロでビザの延長も済ませ、次はエジプトのオアシスを巡る旅へ。

エジプトには5つの大きなオアシスがある。シワ、バハレイヤ、ファラフラ、ダクラ、ハルガオアシスの5つ。

シワオアシスを訪れた後は、バハレイヤオアシスへカイロから向かう。

バハレイヤ・オアシスの街

朝の5:00、眠たい目をこすりながらカイロを出発。砂漠の道を南西に300km、バハレイヤ・オアシスを目指す。

バハレイヤ・オアシスではワークアウェイでボランティアとして働く予定。ゲストハウスでのガーデニングや訪れるゲストの対応を手伝ってほしいらしい。

カイロにてホストのアブデルサラムと出会い、彼の車で一緒にオアシスへ向かう。

英語でメッセージのやり取りをしていたので、英語が堪能なのかと思いきや全然話せへんやん…。

私もまだアラビア語が話せるわけではないので、チグハグなやりとりをしながらのドライブ。

ホコリにまみれ、サイドミラーは壊れ、決してキレイとは言えない車内…。ちょっとオンボロなプジョーの車に、一抹の不安を抱えながらも、無事にバハレイヤ・オアシスに到着。

そして車は彼の家へ。

んん?ここですか?

オアシスのゲストハウスでのワークアウェイ。ナツメヤシに囲まれた楽園を想像していた夢はまず破れた(笑)

彼は確かガーデニングで助けが必要だと言っていた。この家の裏側には素敵な裏庭が広がっているに違いない。

そして、ガーデンに案内されて驚いたのがこちら!

き…汚ねー!!!全然ガーデンちゃうやん!!まさかこれを掃除しろという事じゃ…?はい掃除させて頂きました。

楽園のイメージからゴミ地獄へ(笑)まぁあの汚い車内やったからな。ガーデンがこんな感じでも理解できるわ…。

そして、まさかの建設現場のお手伝い。全然言ってることと違うやん(笑)まぁいいけどさ…。

こちらがBeforeで、

こちらがAfter。

これってゲストとしてきたワークアウェイのボランティアにさせる仕事?って感じやけど、まぁその話はおいとこう。

それでも毎日、休みの日も含めてご飯は3食出してくれた。そこは感謝。

悪い人じゃないんだ多分…。全部含めてエジプトの文化体験ってことで。

さてバハレイヤ・オアシス。ですが…

シワ・オアシスの美しさを経験してしまったので、バハレイヤ・オアシス自体の街自体は特に美しくもなく、シワのように特別でもない。

住人もシワほどフレンドリーじゃなく砂漠ツアーの客を探してるだけやし、ゴミは至る場所に散らばってるし、フレッシュジュース屋もないし…。

結局2週間以上いて、友達一人もできず。こんな事、今まで一度もなかったぞ。

砂漠のツアーの拠点となってるだけで、旅行者があまり立ち寄らないのもわかる。

まぁ、それでもバハレイヤ・オアシスにもいいところはあるんですよ!

例えばバハレイヤ・オアシス中心部の街から一歩郊外にでれば、そこには砂漠の中心にあるとは思えない広大なナツメヤシのファームが広がっている。

ちょうどデーツの実を収穫するシーズンだったので、農園内に入ると至る所にデーツが!

水があるだけで、砂漠の中でもこんなに緑が広がるなんて、当たり前のことだけれど驚きだ。

街の至る所に温泉が湧き出ているのも良い。

場所にもよるけれど35度-45度ぐらいの間だろうか。

足湯として楽しむのもいいし、地元の人のように入浴してもいい。もちろん無料。

グレコローマン時代のミイラが展示されている博物館も興味深かった。

そして博物館近くには、グレコローマン時代の美しい壁画の残された墳墓がある。

地下に降りていき、岩窟の中に入ると壁一面にカラフルな壁画が。こちらも一見の価値あり。

イングリッシュ・マウンテンと呼ばれる丘に登るのもいい。

玄武岩が多く、黒っぽいこちらの丘からはバハレイヤ・オアシスの景色を一望できる。

景色もよく、バハレイヤ・オアシスの中で一番落ち着く場所だった。

文句を言いつつも住めば都。20日間ほどの滞在でしたが、ちょっと愛着が湧いてたりして。

火山岩が形成する異様な光景 黒砂漠

バハレイヤ・オアシスを離れ、南に20kmほど走ると砂漠がどんどんと黒い色になってきて、異様な光景が広がり始める。これが世にも奇妙な黒砂漠。

バハレイヤ・オアシスを訪れるほとんどの旅人がこの黒砂漠と白砂漠を目当てにバハレイヤ・オアシスを訪れる。

通常はカイロやバハレイヤ・オアシスから四駆の車で一泊二日や二泊三日のツアーを組む。

ただ私の場合はツアーなんか関係なく、ヒッチハイクで砂漠の近くまで行って、そこから勝手に歩いて好きな所でキャンプしてしまう(笑)

グーグルの衛星写真で目星をつけておいた場所で降ろしてもらい、砂漠の奥へと歩き出す。

すごい…本当に黒い砂漠だ。

地面を見てみると、黒い色をした火山岩(玄武岩)が砂漠の上に散らばっているのがわかる。

もともとこのあたりは火山活動が活発なエリアで、噴火の跡である玄武岩が砂漠一面に散りばめられているようだ。

近くの丘の頂上に登ってみると、至る所に三角形をした黒い山がポツポツとあって奇妙な景観を作り出している。

しばらく歩いて丁度いいキャンプ場を発見。さすがにこの黒い石の上にテントを設置するのは嫌なので、さらさらの砂の場所を見つけた。

といっても意外と地面は硬く、しっかりとペグを打ち込むことができた。

そして夜。

心地よい静寂。風が砂を撫でるようなかすかな音しか聞こえない。

満点の星空を期待していたのだけれど、正直ニュージーランドやオーストラリア、数々の山の上で眺めた星の方がよっぽどきれいだった。

なぜだろう?満月というわけでもなかったのにな…。

翌朝、柔らかい朱色が空に広がり始める夜明け。

砂漠の無に心を洗われて、何かすっきりとしたような気分。

日の出とともに、不思議と生まれ変わったような気持ちになる。

砂漠には心のデトックス効果があるのかもしれない。

まるで別の惑星に辿り着いたような光景が広がる白砂漠

黒砂漠を訪れた一週間後、次に向かったのは白砂漠。

同じくヒッチハイクと徒歩で。ただ今回は一人でなく、わざわざカイロから遊びに来てくれたドイツ人のウィリアムと。

舗装道路からそれて、白砂漠へと続く道は石でトレイルの目印がしてあり、この目印に沿って歩いていけば迷う事はない。

白砂漠の内側に向かって少し歩いただけで、まずは次々と奇岩が目に飛び込んでくる。

そして砂漠の一面にはまるで雪が降ったかのような白がたくさん。

この白色の正体は塩でも雪でもなく、石灰岩。

この白砂漠はその昔、海の底であった。後に海水が長い月日をかけてなくなり、サンゴや貝殻などが堆積して風雨にさらされて石灰岩となった。

ウィリアムと話して、二人で気に入った場所にテントを設置。

不思議な場所です。こんな砂漠見たことない。

まるで地球ではない、どこか別の惑星に迷い込んだよう。

この広大な砂漠の中に二人だけなんだから余計にそう思う。

そして日が沈む時間に。

夕日、月光、朝日、時間帯によって異なる姿を見せてくれる白砂漠。

ほとんど満月の夜だった。

満点の星空は見えなかったけれど、月がすごくきれいだった。

優しい明かりに包まれて、白砂漠で夜が明ける。

この地球には、こんなに美しい砂漠がある。

おわりに

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