[メキシコ] 新型コロナウイルスの下で ワヤココトラでの愉快な日々

メキシコ

新型コロナウイルスが急激に世界を侵食している最中の2020年3月末。国境封鎖が始まったコロンビアから、逃げるようにやってきたのはメキシコ。

この時期メキシコでは感染者の増加が増え始めてきたところ。今ならまだ間に合うと、急いでボランティアとして働きながら長期滞在できる場所を見つけ出した。

旅の続行をあきらめて帰国する6月の現在まで、2ヵ月半も滞在させてもらっていたのがベラクルス州のワヤココトラ(Huayacocotla)。日本食が恋しくならないくらい、美味しいメキシコ料理食べまくりの日々。

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ワヤココトラにできたメキシコの家族

ボランティアとしてのホームステイ先があるワヤココトラ(Huayacocotla)は、メキシコのベラクルス州とイダルゴ州の境目の山間にある街である。メキシコシティからは車で3時間30分ほど。

カンクンやグアナファトのように、よく知られている観光地でもないので、旅行でメキシコを訪れる人々には縁がない街でしょう。そういった場所でこそ、純粋なメキシコの生活が体験できる。

メキシコの友人に「ワヤココトラに行くんだー」と話しても、「どこそれ?何しに行くの?」との答え。ボランティアとして訪れなければ、まずここには来なかったと思います。

ワヤココトラは標高2200mにあり、林業が盛んな街。近郊には、松の木のプランテーションが広がっています。標高が高い事から昼間は太陽光が強く感じられ、夜は冷え込む。

夕方になると霧が発生することが多く、そうなると一気に気温が下がります。一日の間に半袖、短パンからジャケットと長ズボンが必要に。

そんなワヤココトラで2ヵ月以上もホームステイさせてくれていたのがオリバさんとハーバート夫妻。オリバさんはメキシコ出身でハーバートさんはドイツ出身の国際カップル。

メキシコで同じ化粧品会社で働いていたのがきっかけで出会ったそう。オリバさんは今でも村で化粧品のお店を経営していて、ハーバートは退職し年金生活しながら趣味の大工仕事を楽しんでいる。

もともとはメキシコシティに子供達と一緒に暮らしていたのですが、15年ほど前にワヤココトラに土地を買い、移り住んできたのだとか。

元々は教会の一部として使用されていた建物をリフォームして、現在の姿に。チャペルとして使用されていた建物は、今はバーに変わった(笑)ハーバートの好きなビールやウィスキーがたくさん。

オリバ・ハーバート夫妻の他にも、かわいい家族たちが。それは5匹の犬たち。どこにいても着いてきて、めちゃくちゃかわいかった。

毎朝日課のヨガを気持ちよく外でやりたいなぁ~と思っていたのですが、ヨガマットに寝転がった瞬間に、犬たちが猛ダッシュでかけよってきて顔をベロベロになめまわされるので、外でのヨガは断念するはめに。

犬たちの他にもかわいい仲間が。大きな家の手入れを手伝っている、別の家族も同じ敷地内に住んでいました。お父さんのアルベルトに、娘のエストレジャと息子のオティル。

二人ともヤンチャですが、お父さんのお手伝いをしたがる優しい子供達。

家の庭にはバラやアジサイなど季節の花が咲き、外出規制であまり外に出られませんでしたが、息苦しくなることはありませんでした。

6月初旬スモモの実がなるころには、子供達と一緒に庭にあるスモモの木から美味しいフルーツを収穫。たっくさん採れたスモモでジュースやケーキを作ったり。

素晴らしい家族と仲間のおかげで、2ヵ月間の外出自粛中は全然退屈することはありませんでした。

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ボランティアしながら家具作りを学んだ

オリバ・ハーバートの家に滞在させてもらっていたのは、週に5日間、1日5時間働くという条件付きで。大きい家なので仕事はたくさん。

庭の手入れにペンキ塗りに料理や掃除。その中でも楽しかったのがハーバートの家具作りの手伝い。

ハーバートは趣味で家具作りをしていて、本格的な機械もある。

友人のホセも毎朝来て、ハーバートと一緒に家具作り。ビールを飲みながら、椅子作りも、テーブル作りも。

ホセは街でレストランを経営していて、レストランにあるテーブルや椅子、家具は全てここで作ったもの。

2ヵ月も滞在していたので、機械の使い方から、家具の作り方まで少しだけ教えてもらいました。

木材の切り方から削り方、磨き方、木材同士をつなぎ合わせる組つぎのやり方などなど。

どこにでも一緒に来る可愛いワンちゃん達はもちろん仕事場にも着いてきて、毎回木くずだらけに。そのまま部屋に突入し、ワンちゃん達が汚した部屋をまた掃除するというルーティーン。

家具作りを手伝いながら、ハーバートと一緒に私が作ったのが下の写真のこれ。家具作り用に必要な道具を収納する、用だんす。

初めてにしてはうまくできたと思いませんか。タイヤ付き!

「明日は何食べる?」毎日メキシコ料理を満喫

メキシコといえばメキシコ料理。滞在中はオリバさんが「できるだけ多くのメキシコ料理を味わってほしい」との事で、色んな料理を食べさせてもらいました。

他の家庭ではどうなのかわかりませんが、ホームステイ先では朝の9:00に朝食をたっくさん食べ、メンイの昼食は16:00、夕食は軽食を21:00というスケジュールだった。

日本とは全く違う時間帯での食事だけれど、アルゼンチンやスペインはメキシコとちょっと似ているような感じだった。

スパイシーなイメージがあるメキシコ料理。最初に紹介するのは、タコス・ドラドス・デ・パパ。マッシュポテトをトルティージャで巻いて、レタスの千切りと玉ねぎのスライス、アボガド、チーズにクリームチーズをトッピング。

カリカリのトルティージャの食感。クリーム、チーズ、アボガドの濃厚なコンビネーションが美味しい!

こちらはメキシコの名物スープ「ポッソーレ」。さらに、キャベツとチョリソーをチポトレソースで炒めた物をトルティージャにはさんで食べるタコスも。

こちらはワホロテ。え?サンドイッチの中にトルティージャをいれんの?メキシコの人たち、どんだけトルティージャ好きやねん(笑)

日本で言うとラーメンとごはん一緒に食べる感覚?違うか。

チョリソーとチーズのケサディージャ。チョリソーの辛みとトロッとしたチーズのハーモニーが口の中に広がる。

この地方の名物料理であるバルバコア。穴を掘って、焼けた炭や石を入れた上にマゲイの葉を敷き、味を付けた子羊肉を乗せてゆっくりと焼いたもの。

こちらは、チチャロン 。豚皮をカリッと揚げたもの。スープに入れたり、ソースと一緒に炒めたりして調理することも。

タマル。トウモロコシ粉にラードを混ぜて練り、具材をトウモロコシの皮で包んで、蒸したもの。サルサ・ロハやサルサ・ベルデが中に詰まっている。

バナナとチーズのクロケッタも作ってみました。バナナをつぶして作った生地の中にチーズを入れて揚げました。クリームとジャムでデザートみたいに食べる。

トマトご飯に鶏肉のモーレ。モーレとは数種類もの唐辛子、香辛料、ナッツ、ゴマ、果物、カカオなどを原材料にしたソース。

ここでは紹介しきれないくらいもっと色んな料理も。各種タコス、エンチラーダ、チリの肉詰め、などなど。どれもこれも美味しい。フードテロ。

メキシコ料理は基本的に唐辛子とハーブの効いた、パンチのある料理が多い。日本食のサラとした感じとは反対の、重くドロッとした感じの料理が多い気がする。

そして何にでも唐辛子をかける。ポテトチップスもただ食べるのではなく、レモンやバレンティンソースというピリ辛のソースをかける。オレンジやマンゴーにも唐辛子パウダーを振りかけて食べる。

フルーツに唐辛子って意外な組み合わせと思いきや、これが意外とイケるんです。毎晩オリバ・ハーバート夫婦と一緒にTVシリーズを見ながら、唐辛子入りのフルーツを食べるのがお決まりだった。

ハーバートは南ドイツ出身なので、時にはドイツ料理もご馳走してくれた。こちらはドイツ風パスタ?の「シュペッツレ」。

何と生地から手作りしました。料理好きな私にとっては、めっちゃ楽しい。手作り最高。

新型コロナウイルスの影響で中々外出できない中、毎日の料理は貴重な楽しい時間。

オリバ・ハーバート夫妻も私と同じく食べるのが大好きだったので、前日から「明日何食べる?」という会話がスタート。

そして毎回ごちそうばかり食べていた。

外出期間中の楽しみ方 森に行ったり、仲間だけでホームパーティー

月曜日から金曜日まではボランティアとして様々な仕事を手伝っていましたが、週末は自由の身。できる範囲で週末を楽しんでいました。

その中でもお気に入りだったのが、家の裏側にある森に遊びに行くこと。

伐採用に松の木のプランテーションになっている森がほとんどなのだけれど、昔のままの自然な森が残っている場所もある。

時間がある時には、よくこの森に散歩をしに行った。鳥はもちろん、リスやうさぎが走り回っているような森。

夕方になると霧が出てくる日が多く、そういった日は森が神秘的な雰囲気に包まれる。

標高2200メートルにあるワヤココトラの街。近くにある山の頂上まで登ってみた。頂上にある大きな岩の上からは、ワヤココトラの街が遠くに見える。

下の写真の木々の間から見えている街がワヤココトラ。山に囲まれていい場所でしょ?

森の中を歩くのは外出期間中のいい息抜きになった。風に揺れる木々や、カサカサと音を立てる落ち葉で敷き詰められた地面を歩くと、それに合わせて心が落ち着くようだった。

ある週末には車で2時間ほど離れた都市パチューカを訪れたり。外出時はマスク着用が義務付けられており、店は閉まり、人通りも少ない。

ほぼ誰も新型コロナウイルスを気にせず、マスクをしていない人が大半のワヤココトラとはずいぶん違った雰囲気。アルコール飲料の販売も禁止、レストランは持ち帰り営業のみ。

都市はそんな様子だったので、ほとんど週末はオリバ・ハーバート夫妻とその友人達と一緒に過ごしていました。

世界各地のワインを飲み比べるワイン試飲会をやったり。

まずはオシャレにワイングラスをゆすり香りを確かめ、色を見て、後味は?などなどとワインの試飲の仕方を教えてもらいました。

が、慣れていないのであんまりわからず。でも6種類のワインを飲み、おつまみを食べながら、ワイワイ話しながらの時間は贅沢だった。みんな酔っ払って帰りました(笑)

ある日には寿司パーティー。日本が恋しいだろうという事で、わざわざお寿司を買ってきてくれた。

焼きバナナとアボガド、カニカマなどが入った南国寿司。ソースはマヨネーズに普通の醤油、そして唐辛子入りの醤油。

さすがメキシコ。醤油にも唐辛子を入れるとは。でもね、スパイシーな味が好きな人にはおススメ。美味しかったです。家ではやらないけど。

メキシコでも日本と同じ5月14日に母の日を祝います。美味しいご飯を食べたあとにケーキでお祝い。でっかいロウソクをぶっ刺して点火すると花火みたいにケーキから火花が(笑)

リフォーム後に、完全にバーとかした元チャペルで、ワインを飲みながらお祝い。

日本に帰国する直前の週末には、友人を全員呼んでのバーベキューまでしてくれた。

こんな素敵な人々に出会えて、めちゃくちゃラッキー!お土産までたくさんいただいて。日本帰国後は、いただいたお土産で早速メキシコ料理を作ってみた。

新型コロナウイルスがなければ、まだまだ旅を続けていただろうけど、今は一時中断。次にいつ旅を再開できるのか今から楽しみだ。

おわりに

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コメント

  1. […] […]

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