2018年4月~2020年6月 「心が解放されていく旅」 スペイン・南米の旅を終えて

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2020年6月12日、メキシコから成田空港に向かう飛行機の中。機内の小さな窓から、遥か向こうの空にじわじわと真っ赤な朝日が昇るのを眺めながら、旅の終わりと新しい旅の始まりを感じていた。

過ぎ去った時間と、これから始まる未来の間にある、飛行機での時間は感謝、寂しさ、安心、不安、希望が入り混じった複雑な気分だった。

新型コロナウイルスの影響で中断せざるを得ない旅への執着を離し、新しくやってくるものを受けとる準備を。

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2018年4月から2020年6月 スペイン・南米の旅

2年と2ヵ月で今回は何ヵ国旅したのだろう?スペイン、アルゼンチン、チリ、ボリビア、ペルー、エクアドル、コロンビア、メキシコの8ヵ国。

ゆったりとしたペースの旅。でも時間をかけている分だけ、各国で素晴らしい人々と出会い、関係を築く時間があった。

この旅に出なければ、決して会えなかった人々。ヒッチハイクで数時間話した人々から、数か月一緒に過ごした人々まで。彼らなしには今回のような素晴らしい旅は成立しえなかった。

南米の人々は心の壁が薄くて低い。見知らぬ旅人でも、温かく受け入れてくれる彼らには感謝してもしきれない。彼らと関わりながら、様々な事を学ばせてもらった。

私が南米中を旅した移動手段はヒッチハイク。ほぼヒッチハイクだけで南米を縦断した。アルゼンチンでは同じトラックドライバーと3日間一緒に過ごして2500kmの距離を移動したり、エクアドルでは普通のバスに無料で乗っけてもらったり。

泊まる場所はカウチサーフィンかワークアウェイでボランティアとして働きながら。そのおかげで、いつも圧倒的に現地に住む人々と関係している時間が長い。

幸運な事に彼らとは常に良い関係を築くことができ、「好きな時にいつでも帰ってきてね」と、これからの人生でいつでもまた帰れるような家のような場所が各国にある。こんなに幸せな事ってあるだろうか?

素晴らしい人々とのであいだけでなく、数々の美しい自然風景にも巡りあった。スペインの美しい村々から、南米パタゴニアの氷河、南米大陸を縦断するアンデス山脈、アマゾンのジャングルまで。

旅の始まりは、スペイン。一番印象に残っているのはアンダルシアの大地。オレンジ色の屋根と白い壁の家が建ち並ぶ村々。丘の上に位置する村からは、その遥か彼方に地中海が見える。

「情熱と太陽の国」夏のスペインは日が長く、昼夜を問わずワインとタパスをおつまみに語り合う人々で街は賑やか。照りつく太陽と、人々の陽気さが印象的だった。

アルゼンチン。広大な大地。アサドやマテ茶の文化からも感じれれるような、家族や仲間を大切にするオープンで温かい文化。パタゴニアの自然。大好きな友人達。

浮かんでくるのは温かく迎えてくれたアルゼンチンの人々の笑顔とホスピタリティ、肩の力が抜けた生き方。彼らの「働きすぎるな。もっと楽しめ」という言葉が聞こえてきそう。

チリ。パタゴニアの山奥でのガウチョとの暮らし。彼らと共に過ごしたクリスマスと新年。緑に溢れたアンデスの山々。親切で愉快な人々。特徴的な強いスペイン語のアクセント。

チリ側のパタゴニアは今回の旅で一番ヒッチハイクが簡単な場所だった。雄大な自然と勤勉で親切な人々が印象に残っている。

ボリビア。豊かで力強い先住民文化と美しい民族衣装。少しシャイだけれど、親切で真面目な人々。頻繁にわけてもらうコカの葉をずっと口に含めながら旅した。

スペイン語の他にアイマラ語やケチュア語を話す彼ら。ラパスを民族衣装で歩き回るカーニバルでは、彼らの先住民としての誇りが感じられた。雄大なアンデスの山々も歩いた。

ペルー。インカ帝国の遺跡が語り掛ける、彼らのストーリー。アンデスの山々と、そこに息づく伝統。笑顔が素敵で不思議と親近感が湧く人々。美味しいペルー料理。

アンデスの小さな山村に住む、カラフルな伝統衣装を身につけた人々。インカ帝国の道を歩くトレッキングと雄大な山々。よそ者を快く歓迎してくれる人々の懐の深さに、一瞬でこの国に恋に落ちた。

エクアドル。小さいけれど豊かな自然。海岸沿い、アンデス、アマゾンと地域によって全然違う顔を見せてくれた。数時間移動するだけで、そこは別世界。

アンデスで体験した伝統的なシャーマンの儀式。先住民の影響が濃いコミュニティで過ごした日々。こんなにバナナを食べた国ってあるだろうか。

コロンビア。人生で初めてアマゾンのジャングルの中で過ごした日々。原生林の中で様々な動物たちや、とんでもなくカラフルな鳥類にかこまれて過ごした。

街中にあふれるリズムと陽気な人々。新型コロナウイルスの影響で、もっと色んな場所を自由に動き回れなかったのが残念。

メキシコ。懐かしい友人との出会い。美味しくてバラエティに富んだメキシコ料理。思い出しただけでよだれが出てくる。

もっとメキシコの各地域を旅して周りたくて、コロナ早期収束の希望を持ちながら待った数か月。しかしながら世界中に広がったパンデミアが収束するのは、数か月どころでなく、かなり長期化しそうだったので6月中旬に日本帰国。

こうして振り返ってみても素晴らしい旅だった。人生をやり直せるとしても、もう一度同じ旅と経験を、頭からやってみたいくらいに。そして同じ人々に出会いたい。

今回の旅を通して、背負っていた肩の荷を、グッと減らすことができたような気がする。今まで気づかずに背負っていた常識や思い込み、プライド、虚栄心、打算的な考えなどから心が解放されてきた。

なぜかは正確にはわからないけれど、自分の心にある確かな変化だと思う。

それは人間同士の距離が近く、意味のない心配よりも今を楽しく生きているように感じた彼らの生き方。見返りを求めずに好意を与えることのできる彼らから学んだのかもしれない。

彼らといると不思議と心配は吹き飛んだし、温かく楽しい気持ちでいれた。そういうのは人から人に伝染していくものなのかもしれない。

目標にしていたスペイン語も話せるようになった。スペイン語話者とならほぼ問題なくコミュニケーションはできる。これもこの旅で得た、人生に彩りを加える貴重な財産。

新型コロナウイルスの影響はしばらくは続くと思うけれど、流れにまかせてのんびり待つつもり。日本の田舎でパーマカルチャーファームプロジェクトの計画をと実行をしながら。

パンデミアがある程度収束に向かえば、次の旅はアフリカと中東になると思う。どんな出会いや体験が待っているのか、今から楽しみだ。

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