「世界を旅する前後で変わった事は何ですか?」という質問に答えてみる

雑記

長期で旅をしている人が頻繁に受ける質問は、色々な質問があると思う。「何で旅に出ようと思ったんですか?」「旅の資金はどうしてるのですか?」などなど。

その中でも今回は「旅をする前と後で変わった事は何ですか?」という質問に対し、自分なりに頭を整理するためにもに考えてみようと思います。

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2014年1月から2020年6月までの6年間の旅

学生時代にも長期の休みを利用して海外を旅していましたが、私が今回の長期旅を始めたのは2014年の1月。2011年から3年間勤務した会社を辞職し、旅に出ることを決めました。

最初の1年はニュージーランドでのワーキングホリデイでの滞在。ここでは今まで体験したことのなかった農場での暮らしと、英語でのコミュニケーションを学びました。

2年目はオーストラリアでのワーキングホリデイ。オーストラリア中を旅して周りましたが、ここではニュージーランドで学んだ英語を活かして旅の資金稼ぎも。

3~4年目はアジアから陸路(ほぼヒッチハイク)でヨーロッパを旅しました。その後はアフリカ南部のいくつかの国を周りました。しかしジンバブエで荷物を失くし一時帰国。

5~6年目は中南米の旅。アジア・ヨーロッパの旅の時と同じように、ヒッチハイクはもちろん、カウチサーフィンやボランティアとして各地で働きながらの旅でした。この旅を通してスペイン語も話せるようになりました。

そうした旅の最中であったわけですが、新型コロナウイルスの影響で日本に一時帰国することになり、「旅はどうだった?旅で変わった事は?」と質問され、その事について自分でも考えてみる気になったのです。

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6年間の旅で変わった事?

旅をして変わった事。一番わかりやすく自信をもって言えるのが語学力。本気で学べばもっと色んな言語も習得できたかもしれないけれど、とりあえず英語とスペイン語は話せるようになった。

そして….この他は…どこでも寝れる…胃腸が強くなった…うーむと頭を悩ませて考えてみるしかない。「自分の頭の中で何が変わったのか?」を考えて言葉にするのは思ったよりも根気のいる作業だ。

同じモノを見ても以前とは異なる風景が見えるようになった

一番はっきりと感じられる違いは、同じモノを見ていても旅をする前とは異なる風景が見えるようになったということかもしれない。

例えば南米を旅する以前は、ペルーと聞いてもマチュピチュの風景しか思い浮かべることができなかった。しかし今では目の前にズドーンと広がるアンデス山脈の大きさや、そこに住む友人達の姿を鮮明に思い浮かべることができる。

今ではアルゼンチンを地図で見ただけで、パタゴニアの雄大な景色や、人々がカフェラテとクロワッサンで朝を迎え、友人とマテ茶を飲みながら談笑し、バーベキューを楽しみながら赤ワインを飲んでいる姿をありありと思い浮かべることができる。

人は同じものを見ていても、各人によって感じることも違えば、見えるものも違う。こうやって訪れた国に関して、以前よりも豊かに現実的に感じられるようになったのは、資産であり大きく変わった事の一つ。

自分で考えて実践してみる癖がついた

この6年間の旅は肩書も何もない「裸の自分」を世界に放り出すいい機会だった。今から思えば特に1年目のニュージーランドは人生の中でも良い実験だった。

コネも人脈も何もない文字通り「裸の自分」をえいやっと放り出して、ボランティアとして働きながらニュージーランド中を旅して、英語を身につけて、お金も稼げてしまった。

具体的にはお金をかけずに語学を学ぶ方法として、自分で「ウーフ(WWOOF)」を見つけ、これなら”現地の人の家に滞在しながら無料で英語を学べる”と仮説を立て実践。その後は学んだ英語力を生かして仕事を得て、ニュージーランド滞在ではお金がかかったどころか、逆に貯金が増えた。

マニュアル通りに語学学校に3ヵ月間通ってから仕事探しとかやらなくても、自分で考えて思い通りにうまくいってしまった。その当時の思い描いた夢のようなものを達成できたような手応えを感じた。

この異国での体験から自分で考えて実践してみる楽しさを味わったし、どこでもやっていけるような妙な自信がついた。このメンタリティーはこれからの人生で役に立つと思うし、その後の旅でも進化を遂げていった。

怖れを乗り越えてチャレンジできるようになった

1年目のニュージーランドでの経験から、自分から積極的に動くことへの抵抗がどんどんなくなってきた。自分で面白そうな情報、やりたいことがあればすぐに飛びつくようになった。

2年目のオーストリアでも積極的に自分で情報を集めて、短期間で稼げる仕事を見つけ、オーストラリア中をインターネットで知り合った仲間と旅をした。

アウトバックのど真ん中のアボリジニのコミュニティ近くの食品店で働き、メロンの収穫の仕事をしたりして、貯金はさらに増えた。他の旅人と車を借りてオーストラリア中をキャンプしながら旅した。

3年目からは「どうすればお金をできるだけかけずに世界中を旅できるだろう?」と考えた末、カウチサーフィンやヒッチハイク、ボランティアとして働きながら旅をするようになった。

最初は本当にできるか不安でしたが、怖れつつもその感情を乗り越えて、今のような旅を始めてみて本当に良かったと心から思います。

“人は自分が想像できること以上の事はできない”そうです。であれば、”自分が想像できることは、できる可能性があり、挑戦する準備ができている”という事かもしれません。

「ちょっと不安はあるけれど、やってみなければわからない」と自分の中にある怖れを越えて、挑戦できるように変わったのは旅のおかげかもしれない。これからの人生で、これをどう活かせるか。

偶然やトラブルを柔軟に楽しめる心になった

こうやって旅をしているとトラブルはつきもの。トラブルというのか、偶然の出来事というのか。次々と起こる想定外の出来事に次々と対処していかねければならない事もある。だからそれに柔軟に対応する心が鍛えられる。

例えば私のヒッチハイクの旅にもトラブルはつきもの。目的地に到着する前に日が暮れてしまったり。言葉も通じないから、どこかわからない場所で降ろされたり(笑)しかしトラブルがあったからこその素敵な経験もたくさんあった。

例えばウズベキスタンでの出来事。サマルカンドからボイスンという街に行くためにヒッチハイクで乗せてもらっていたトラックが途中で故障。修理できたのは夕暮れで当日中には目的地に到着できなくなった。

しかしその代わりにトラックドライバーの友人の家に宿泊させてもらうことになり、彼らとの素晴らしい出会いがあった。トラックが故障するというトラブルがなければ彼らとは出会えなかったわけだ。

こういった経験は数え切れないほどあるのだけれど、こういった経験から何を学んだかというと、トラブルは悪い方に転ぶかもしれないし、良い方に転ぶかもしれず、結局何が良い事なのかわからないという事。

だから何が起こってもそれは心の持ちようで、その場その場で全力を尽くして生きるしかないのだという事を学んだという事です。今ではトラブルがどこに自分を運んでいくのだろうと楽しみにして待っているくらい。

国籍問わず、世界は親切で素晴らしい人で溢れていると信じられる

こうやって”トラブルも楽しみの一つ”というような旅をしているので、世界中で様々な人に助けてもらう場面がありました。ヒッチハイクだって、カウチサーフィンだって、ボランティアだって親切な人々がいなければ不可能です。

当たり前の事ですが、私は一人で旅ができているわけではなくて、普通の人以上に世界中の人々のおかげで旅ができるわけです。

ヒッチハイクをしていたらわざわざ「お腹が空いているでしょう?」と弁当をくれたエクアドルのおばちゃん。イランでは「ちょっとお茶を飲んでいかない?」と誘われると、昼食や夕食まで頂くことになり、結局は家にまで泊めてもらった。

インドのカシミール地方では「お前バス代を払うお金もないのか?これで飯でも食え」とお金を渡そうとしてくれたり。アジアでも、ヨーロッパでも、アフリカでも、中南米でも、オセアニアでも、日本でも。このような経験は数え切れないほど。

だからこれからも絶対にブレずに「どこの国かに関わらず世界中には親切な人々が溢れている」と断言することができるし、それを事実として信じられます。これが事実でなければ、どうやってこんな旅が続けられますか?

テレビやニュースでは暗いため息が出る情報が多いし、そこには事実もあって改善していかなければならない事はたくさんある。それでも同時に自身の経験から「国籍問わず、世界中には親切で素晴らしい人がたくさんいる」と信じられるのは救いになる。

自分は何も知らないという事を知り、学ぶのが楽しくなる

世界は親切で素晴らしい人々で溢れているのに加えて、世界は多様で美しい場所だという事を、旅を通して本当に心から実感しました。それは自然風景であったり、人々の暮らし、各国の音楽や料理であったり様々。

ヒマラヤやアンデス山脈のような信じられないほど美しい山岳地帯、うっそうとした原生林が広がるアマゾンのような熱帯雨林、ヨーロッパの美しい都市。

地球は狭くなったといいますが、そんなことありません。地球は広い!これだけ旅してもまだまだ知らない事、訪れていない場所だらけ。全部知りたいけれど、そんな事は絶対無理。

旅にでればでるほど、自分がどれだけ何も知らない無知な人間か思い知らされる。けれど旅をして自分にとって新しい事を学んで行くことが楽しくて面白い。

そして各国について少しずつ知っていくと、その土地とそこに住む人々に対して少しずつ親近感が湧いてくる。不思議と彼らとの間に友情というか愛情のような感情が生まれる。

“人はわからないものや知らないものを無条件で怖れる”ので、例えば自分が怖いと反応した時は、”自分の間違った情報や無知が原因で怖れている”のかもと気をつけないと。

より多くの人が自分の外の世界を知っていくと、互いに安心感が生まれもっと住みやすい世界になるのかもしれない。

おわりに

もっと色々細かい事を書き出せば、変わった事はたくさんあるのだろうけど(胃腸が強くなったとか、どこでも寝れるようになったとか)今回はここまで。

人生で”人が変わる機会というのはめったにない”そうです。だからこそ、強烈に環境が変わる旅というのは貴重な体験じゃないかなー。他の旅人のどんな変化があったかという意見も気になります。

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