[アンゴラ] ナミブ砂漠の玄関口トンブアと砂漠に佇む絶景の奇岩の渓谷

アンゴラ

ルバンゴで滞在中の教会に荷物を預け、次なる目的地はナミブ地方。

事前に調べておいた砂漠の絶景スポットでキャンプするために、必要な持ち物だけをバックパックに詰める。

ナミブ砂漠の北限があるナミブ地方、どんな風景が広がっているのだろう。

コリナ・デ・トンボア 砂漠に佇む絶景の奇岩の渓谷

ルバンゴからナミブまでの道。先日訪れたセラ・レバの峠道を、今回は眺めるだけでなく実際に下っていく。

ヒッチハイクで同乗させてもらったトラックは、エンジンブレーキを使いながらクネクネと曲がる峠道を器用に走る。

峠道を下ってしばらくは山岳地帯が続き、低木もあり、ある程度緑があった。

ただその先はナミブまでずっと砂漠、砂漠、砂漠。最初は岩がゴロゴロ転がった岩砂漠。その後は岩も姿を消し、ただの荒涼とした土地へ。

ただ、砂漠で想像するような砂丘は、もっと南下してから始まるようだ。

ルバンゴではすでに砂漠でのキャンプに必要な食事は購入済み。といっても調理器具やガスが無いのでイワシの缶詰、ドライフルーツ、ビスケットなどだが。

ナミブという街に到着したところで水を調達(合計3リットル)し、パンも補充した。

今夜はイワシの缶詰しか食べれないので、ナミブではちゃんと食事をとる事に。

地元の人に教えてもらって辿り着いたのが、普通の家が食堂になっているような場所で、何と定食代500クワンザ(90円)。

レストランで食べると、普通は1000クワンザ~(170円~)なので、これまでのアンゴラ旅で最安…。探せばあるもんだね。

内容も悪くなく、たっぷりのご飯に、焼き魚、大豆の煮込み。驚きのコストパフォーマンス。

腹ごしらえを済ませた所で、コリナ方面へヒッチハイク開始。

コリナへの到着時間に応じて、予定を決めるつもりだったのだけれど、予想よりも早く到着できそうで、今日中にコリナ内に到着・キャンプできそうだ。

さてヒッチハイクしたトラックを、コリナの入り口で下車。

地図によると、ここから14kmほどの距離に目的地の渓谷がある。

早速目の前の砂漠を歩き始める。どーんと目の前に広がるのはこんな光景。

まさに冒険。大変だけど、何か楽しい。

途中の分岐点まで5kmほど歩いたところで、歩いてきた道と別の方角から車がやってくる。

ダメもとでヒッチハイクすると、止まって乗せてくれた。

車が通って来た道は地元の人が使う、トンボア方面からのショートカットの道。

Google mapsにもMaps.meにも記載されていない、地元の人のみが知る道のようだ。

ここから渓谷に近づくためにクロカ(Curoca)まで乗せてもらうのだが、やっぱり地図上に存在しない道を進んでいく。

地図上では湖になっている部分を車は突っ切って行くのだ。

話を聞くとここは雨期のみ湖となり、乾季はこのように干上がっているそう。だが地下水が豊富にあるのだろう。そこには緑の葉をつけた木々が植わっている。

コロカ村からで彼らに降ろしてもらい、渓谷方向へ歩き出すと、また後ろからトラックが。

何という幸運だろう。またしても渓谷方向にヒッチハイク成功。こんな辺境の地でもタイミングさえあえば、こんなにスムーズに移動できる。幸運すぎるが。

コリナへ到着すると、まるで別の惑星に来たかのよう。砂漠に突き出た奇岩の数々。

山上から血脈のように突き出た崖や渓谷。その渓谷内を歩くとまるで巨大な奇岩でできた迷路。

もちろん異なり憂い風景だが、ヨルダンのワディラムやエジプトのシナイ半島を思い出させるような風景でもある。

驚いたのだが、この渓谷には私より先に先客がいた。ドイツからのオーバーランダー(自動車で陸路旅をする人の総称)。

彼らはこれから中央・西部アフリカを北上していくよう。彼らも話していたように少し政治状況が心配だが、旅が無事に進むように祈る。

彼らに出会ったのは幸運で、渓谷から戻る時に、彼らの車に乗せてもらえるかもしれないという望みができた。

彼らと一通り話をした後は、早速渓谷内を歩き回る。

ある場所からはそびえ立つ奇岩の崖の上に登り、その上を歩くことができる。

そこから見下ろす渓谷の姿がまた素晴らしいのだ。あぁ苦労してでも来てよかった。

赤茶色をした奇岩の渓谷もあれば、黄色やピンクがかった色が目立つ渓谷もある。

到着日は探索時間もあまりなかったため、今夜はここでキャンプして翌日にさらに散策することに。

不思議な事に標高1700mのルバンゴよりも、砂漠の方が夜が冷える。寝袋とジャケットを念のために持ってきておいて良かった。

翌日は日の出とともに目が覚める。朝食を簡単に食べて、早速渓谷内をさらに散策。

先日訪れた渓谷のさらに奥地へ。

奇岩の崖の上の登って奥地へ歩いていくと、そこがまた渓谷になっている。

崖の上に崖が。渓谷の上に渓谷が。

地層は黄色がかった色から、赤みを帯びた色に徐々に変わっていく。

ここはどこだ?本当に同じ地球の光景なのか?

あまりの絶景にもう迷ってもいいからどんどん奥へ歩いていく(もちろん迷わないように気をつけてますが)。

この世のものとは思えない風景が広がる赤い渓谷。

ちょうどお腹が空いてきたので、昼食にキャンプ地に戻る事にする。昼食といってもイワシの缶詰なので、あんまり盛り上がらないが。

何とか登山者の勘が働き、うまく渓谷内を周遊するようなルートで崖の下に降りていく道が見つかったのは幸運だった。

さらに幸運だったのはそのルート上で奇岩地帯にできた自然の窓?というか橋を発見できたことだった。

アンゴラはこのように事前情報があまりない状態で訪れることになるので、冒険心を掻き立てられるし、自分で素晴らしい場所を発見したような嬉しさがある。

これはあまり他の旅行者が訪れない国を旅する時の醍醐味の一つではと思う。

キャンプ地に戻り、缶詰とパンを食べて、オーバーランダー達に挨拶へ。

彼らも1時間後に渓谷を離れるという事で、まさに絶好のタイミング。彼らと一緒のタイミングで、この美しい渓谷を去ることに。

ただ私にはもう一ヶ所訪れたい場所があった。渓谷からそう離れていない場所で、Arcosと現地では呼ばれているスポットだ。

奇岩が自然にできた橋のようになっている場所のようで、せっかくなので一目見ておきたかった。

オーバーランダーにArcosへの分岐点で降ろしてもらうと、同方向に向かうトライシクルがちょうど走り去る。

必死に「アミーゴ!ポルファボール!」と手を振ると、後ろの荷台に乗っけてくれた。

何とArcosを通るから、そこまで乗っけてくれるという。何という幸運。あまりにも幸運。

ただ実際にArcosを訪れた後の感想を述べると、まぁまぁかなという感じ。

素晴らしい絶景だったコリナの後には物足りなく感じざるを得ない。

現在は干上がっている場所が、雨期のなると湖になるようなので、そうなれば絶景かもしれない。

他の写真で見たのだけれど、上の写真のArcosの穴の部分から湖が見えるようだ。

まぁ自分の目でどんな場所か確認できただけでもよかった。

そして帰り道も幸運にヒッチハイクというわけにもかず、5kmの距離を歩いて主要道路まで歩きましたとさ。

トンボア ナミブ砂漠の玄関口にある港町

Arcosを訪れた後はナミブ地方の、もう一つの港町トンボアへ。

ナミベからもずっと砂漠だったが、トンボアも完全に砂漠の中にある街。

ここがアンゴラのナミブ砂漠の前にある最後の大きな街で、この先はナミビアまで、それ以降もずっと砂漠が続く。

ここでもカトリック教会に宿泊のお願いをさせてもらう。

教会内にスペースはないが、併設されている学校の教室に生徒が帰った後、生徒が早朝に登校する前(午前7:00)にテントは片付けるという条件で泊まらせてもらった。

泊まる場所があるだけでもありがたい。乾燥した気候で数日シャワーを浴びなくても気にならないのも助かる。

トンボアの印象は、砂漠の入り口にある寂れた港町という印象。

9月後半のこの時期は、曇り空で薄暗く、海風が吹いて寒く感じる、街中から魚の匂いがする。

悪い印象はないが、長居は不要。

港町らしく、トンボアには漁師を稼業として暮らす人々が多く住む。

街の路上では魚の干物が干してあるし、バケツに満タンのイカを頭にのせて運ぶ女性たちの姿も見える。

港には中型?の漁船が停泊しており、積荷を積んだり降ろしたり、忙しそうに人が出入りしている。

海に沿って南北に長いトンボアの街の最後の港を通り過ぎると、そこには砂漠が広がる。

特にトンボアに来た目的はなかったのだが、せっかくなので砂漠を行けるところまで歩いてみることにした。

これまで見てきた石がちな砂漠と違い、砂丘がある細かい砂の砂漠だ。

ここまで来ると誰もいないだろうと思いきや、多くの人々が砂漠の彼方から歩いてきたり、奥地に向かって歩いていく姿が見える。

驚いたのだが、漁師たちが砂漠に簡易な住居を作ってそこに住んでいるのだ。

かなり歩いたけれど、街から7km程の距離までは、小さな掘っ立て小屋があった。

砂漠を当てもなく歩くのは不安だが、海沿いに歩いていれば迷う心配はないだろう。GPSも順調に動いているし、もう少し奥まで歩いてみることにした。

街から10kmほど歩いた所で、このへんでいいだろうと休憩。ここまで来ると、誰もいない。

砂漠と、その先に広がる海のみだ。

と思いきや、一人の男が向こう側から歩いてくる。

もちろん私は警戒モードに入る。男は何やら長い木の棒を手にしていて、浜辺を歩いているかと思いきや、その棒を浜辺で何かに向かって振り回している。

その後何かを探している様子だったので、「何を探してるんだい?」と聞いてみると、ナイフを研ぐ石を探しているという。

何でナイフを研ぐ必要があるのかと思うと、何と浜辺で寝そべっていたアザラシを獲ったというのだ。

えぇー!目の前に野生のアザラシがいたん?できれば彼が殺してしまう前に一目見たかったけど。

そんな風に残念に思う私の目の前で、毛皮を剥がれ、内臓を取り出され、ただの肉塊になっていくアザラシ。流石の手際の良さだ。

肉は1頭4000クワンザ(700円)で取引されるという。安い…。

その後、彼は私の目の前で釣りを始める。

釣り糸に針を付けて、釣り針には浜辺で獲れるカニや貝を使う。

引き潮の時に、足でぐりぐりと穴をあけて潮干狩りをして貝を取る。それを翌日の釣りに使うそうだ。

1時間ぐらい彼と一緒にいたが、魚3匹とアザラシ1頭の成果を得て、家に帰って行った。

アンゴラでもアザラシを食べるんだな。アラスカのイヌイットの人たちの間ではアザラシ漁をすると聞いたことがある。

私も午後のなってお腹が空いてきたので、砂漠から街へゆっくりと戻る事にする。

波が静かな湾になった場所では、フラミンゴが数羽確認できた。

こんなに近くでフラミンゴをじっくり見れたのは、これが初めてのような。

トンボア。アンゴラの最南西にある港町を後にし、ルバンゴヘとひとまず戻ることにする。

おわりに

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