各国の旅の記録をおぼろげになっていく記憶を頼りにつらつらと思い出しながら書いています。今回は2015年の年末から2016年の1月にかけて旅をしていた南インド。
役に立つ情報はあるかわかりませんが、写真でも見ながら南インドってこんな場所なんだと感じてもらえばと。いつものように紀行文のような感じで。ではケララ州から南インドの旅のはじまり。
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ケララ州コーチン 南インドの旅の始まり
2010年のまだ20歳で学生だったころ、北インドのラジャスタンやバラナシ、コルカタなどを旅し、次回は南インドも訪れてみたいと思っていた。
どこからか聞き集めてきた噂によると、南インドは全然北インドとは雰囲気が違うという。情報の少なさからも空想ばかりが広がり、「どんな場所なんだろう?」と憧ればかりがつのる。
そんな中2015年の12月にマレーシアに滞在中、たまたま見つけた南インド行きの激安チケット。これは再び”インドに呼ばれたな”と思い、クアラルンプールからケララ州のコーチンへと飛んだ。
飛行機から見える緑が豊かな景色。太陽が照りつけている。ムッとするような空気から湿度も高いようだ。重いバックパックを背負っていると汗がにじみ出てくる。
コーチンの空港では北インドから旅に来ているバックパッカーの男の子に出会った。彼が言うには「北インドと南インドでは話す言葉も違うから、まるで外国のようですよ。お互いの言葉が通じないから英語が共通語ですよ」と。
そうか。ケララ州ではマラヤーラム語を話す人々が多く、北インドではヒンディー語が主流。だからお互いに意思疎通ができないこともあるんだ。デリー出身の彼にとって同じ国でも文化が全然違うのだとか。
ちなみにマラヤーラム語ってこんな文字です。മലയാളം。丸みがあってかわいらしいけど、全く解読不能です。もちろん覚える気もありません。
コーチンではジナンさんという方にカウチサーフィンでお世話になりました。弁護士をやっていて、親切で優しいおじさんだった。コーチン名物フィッシュカレーを作ってくれたり。
コーチンは、その昔コーチン王国の中心地として栄え、14世紀からアラビア海に面する重要な港町として主に香辛料貿易で栄えた街でもあります。
マルコ・ポーロや鄭和、ヴァスコ・ダ・ガマもコーチンを訪れたことがあるらしいです。そんな猛者たちがコーチンを訪れていただなんて、旅好きの心を動かすものがありますね。特にヴァスコ・ダ・ガマは1524年に、ここコーチンで病死を遂げたそう。
コーチンにポルトガル人が上陸し拠点を作り始めたのが1498年。数年後彼らは植民地支配を始めます。同時に他のヨーロッパ各国も相次いで上陸し、象牙、チーク材、香辛料などの交易が始まります。
その影響もあり、コロニアル風な街並みが旧市街には残されています。
そして、そんな景色の中をヤギが歩き回っているのが何ともインドらしい。慣れた足取りでメェ~と挨拶しながら街を闊歩。
ある日はホストのジナンさんに連れられて、コーチンの海沿いの道を散歩。そこですぐに目につくのが「チャイニーズ・フィッシングネット」と呼ばれる、大きな漁獲網が海にせり出している光景。
「チャイニーズ・フィッシングネット」は先端の丸太に大きな漁獲網が付けられており、この大きな網を海に沈め、しばらくすると網を引き揚げるためにロープを数人がかりで引っ張り、網にかかった魚を捕獲するという仕組み。
鄭和が訪れた時でしょうか?この漁法は14世紀に中国から伝えられ、現在ではケララ州に見られる伝統的な漁法となっています。
付近には路上で獲れたての魚を販売するお店がたくさんあります。こんなにたくさん獲れるそうです。チャイニーズ・フィッシングネットすごい。一緒にやらせてもらえばよかったなと今更思う。
こんな風にコーチンには海の恵みがたくさん。そして海だけでなく、内陸に足を進めると緑豊かな丘陵地帯があるのもケララ州の魅力。
その一つがアティラッパリー滝(Athirapally fall)です。落差24メートルの迫力ある滝。マイナスイオンたっぷりです。
このアティラッパリー滝はケララ州で最大の滝で、「インドのナイアガラ」と呼ばれているのだとか。ん~ナイアガラは言い過ぎだけど、この滝が素晴らしく美しい事は間違いない。
激しく流れ落ちる滝ですが、滝の上部は水がゆるやかに流れており天然のプールのよう。インドの方々も気持ちよさそうに水浴びをされていました。
滝の見物を終えて、再びコーチンの街へ。ちょうどコーチンに滞在していたのが新年の時期。新年最初の日にはカーニバルがあるという事で見物に。カーニバルが通る通りには、すでにたくさんの人が。
前方からはインドっぽい音楽と共に上半身裸で小太鼓でリズムをとりながら歩く男たち。その後ろにはこの日のために全力でお洒落をしたゾウが。
ケララ州伝統のパントマイム劇「カタカリ」のメイクと衣装を着た人々も。賑やかなカーニバル。思わずこちらまで踊りたくなる。
この日の夕方はコーチンから少し離れたビーチに行ってみた。新年初日の夕日をジナンと一緒にゆったり見よう。
新年だからか?いつもこうなのか?海辺にはたくさんの地元の人たちが。一人で来ている人、友人同士で、家族で。それぞれに新年の始まりをどう受け止めているのだろう。
私にとっては久しぶりに帰って来たインド。南インドの旅の始まりにワクワクしていた。
どんどん太陽は落ちていき、空の色も変わってくる。新年最初の一日が終わる。毎日を今日のように大切に、一日の始まりと終わりを感じながら生きられればいいのに。
今日はどんな一日でしたか?さぁ明日はどんな一日にしようか。
おわりに
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