やってきたのはウクライナ西部にあるリヴィウという都市。ウクライナの友人から「ウクライナで一番美しい街だから、絶対に行ったほうがいい」とめちゃくちゃおすすめされた場所。
リヴィウは旧ソビエト連邦のもつ冷たく重い感じのイメージからは考えられない、ヨーロッパ風の建物が建ち並ぶ素晴らしい景観をもつ街だった。
そこからウクライナ南東にあるカルパティア地方へ。秋の紅葉でカラフルに彩られた山間の村でのホームステイ。肌寒い季節に、ホームステイ先の家族の温かさに包まれた。
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リヴィウ ウクライナ文化の中心とされる華やかな都市
ウクライナで最も美しい街との呼び声高いリヴィウ。ウクライナの友人達からも「他のウクライナの街とは違うから、絶対訪れてみて」とおススメされた街。
実際に訪れてみて、どうしてそんなに人気があるのか、その言葉の意味がよーくわかった。
旧市街にはまるで中世の時代から変わらないような石畳が敷かれた街並みが。オペラハウスや聖堂なども多くあり、まるでヨーロッパの街を歩いているよう。
他のウクライナの街と比べて、西洋化されたおしゃれな街だった。
そんなおしゃれな街ができあがった理由は、この街の歴史にある。
リヴィウは5世紀半ば頃から周辺各国を結ぶ交易拠点として発展してきました。商業的に重要なポジションに位置することから、リヴィウはポーランド、オーストラリア帝国、ロシア帝国、ソビエト連邦など、様々な国の支配下に置かれた歴史が。
それぞれの国が影響を与え、現在の街の文化となり、外見にも影響を与え、現在のリヴィウ独特の雰囲気が出来上がってきました。
その中でも特にオーストリア=ハンガリー帝国の時代に、リヴィウは飛躍的に発展します。現在残されている美しい街並みは、この時代のものがほとんどです。
第一次と第二次世界大戦のとき、リヴィウは部分的に破壊されてしまったようですが、旧市街の中心部にはまだまだオーストリア=ハンガリー帝国の時代のままなのだとか。
そんな中世の雰囲気を残す街並みとオーストリア風の優雅な装飾が施された建物の数々が評価され、リヴィウはユネスコ世界遺産の街として登録されています。
そんなわけでリヴィウの街のいたる所に、うっとりとしてしまう風景が。
旧市街の中心にあるのはリノック広場。この広場には16世紀に建設されたとされる歴史的建築物が立ち並び、リヴィウの世界遺産を象徴する場所です。
リヴィウは若者が多い街。リノック広場には常にたくさんの人々が集まり賑わっています。ここで待ち合わせしてどこに行くのだろう?
リヴィウはウクライナの文化の首都と呼ばれ、ロシア語でなくウクライナ語を日常語として話す人々が多いのだとか。
ウクライナ文化の中心と呼ばれるのはそれだけが理由でなく、様々な文化イベントが一年を通して行われているのも魅力の一つ。
演劇や音楽を楽しむ劇場があり、美術館や博物館、美味しいチョコレートやコーヒーを楽しむ場所、ゆったりと散歩を楽しむ場所もある。
何だか理想の文化的な都市生活が過ごせそうな街だった。
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紅葉が賑やかなカルパチア山脈 小さな村でホームステイ
リヴィウの街を離れた後に向かったのは、カルパチア地方にあるカルパチア山脈の村。
リヴィウの街から一時間ほど車で南に向かうと、平原の広がるウクライナでは珍しい、山々が連なる風景に変わっていきます。
カルパチア山脈は、東ヨーロッパの国々であるウクライナ、スロバキア、ポーランド、ルーマニアなどにまたがる山脈で、季節ごとに色んな表情を見せる。
華やかなリヴィウの街と違い、のどかな風景が広がるこの地でホームステイに招待してくれたのはアレックス一家。「ぜひウクライナの田舎の生活を経験しに来てください」と、カウチサーフィンで知り合いました。
アレックス一家が住んでいるのはラコボ(Racovo)という小さな小さな村。周囲はのんびーりとした雰囲気。鶏や牛の声が聞こえてくる。
村の入り口から奥の丘の方に歩いていくと、にぎやかな声がする大きな家が見えてきた。教えてもらった住所によると、ここがアレックスの家に違いない。
早速家のベルを鳴らして、家のドアから飛び出してきたのはたっくさんの子供達。幼稚園かと思ったよ。
アレックス一家は大家族で、何と7人の子供が。
7人もいると家の中が賑やか。みんな元気でかわいい!「日本語を教えてー。日本の遊びを教えて。一緒に遊ぼう。」って。せっかくなので、日本のアニメを一緒に見たり、折り紙を教えたり。
日本の文化を教える代わりに、ウクライナ・カルパチア地方の村での暮らしも経験させていただきました。
農業を手伝ったり、この地方の伝統的な方法の、でっかい鎌を使って除草作業をしたり。
家の庭に設置された養蜂箱を見せてもらったり。ここから採れたハチミツを食べさせてもらったけど、めちゃくちゃ美味しかった。
伝統的な道具を使っての、キャベツの漬物(サワークラウト)作りもやらせてもらいました。
途中こんなにかわいらしい天使が差し入れを持ってきてくれた。ウクライナの子供かわいらしすぎる。
一年を通してそれぞれ違った魅力を感じられるのが、カルパティア山脈の魅力なのだとか。
私が滞在していた季節は秋。カルパチアの山は、厳しい冬の前に賑やかさをみせている。紅葉で鮮やかに色づく山々。
アレックス一家と一緒に山の中へ。カルパチア山脈の紅葉めちゃくちゃきれいでした。
落ち葉で埋め尽くされた淡いオレンジの絨毯に、ところどころキノコが顔を出す。上を見れば夜空に光る星のように黄色が一面に広がる。
子供達と走り回りながらの森歩きは楽しかった。
そんな時、森の中に一瞬のつむじ風が駆け抜けた。その風はさぁーっと音を立てながら、周囲の木々を揺らし、オレンジや黄色の木の葉が舞い上がった。
一瞬にして私の体は鮮やかな色に包まれて、なんだか森に祝福されたような、歓迎を受けたような不思議な気分だった。
アレックス一家や子供達との素敵な出会いも、実はこのカルパチア山脈が誘ってくれた出会いかもしれない。
ウクライナでの最後の日々に素敵な出会いをありがとう。
おわりに
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