絶景のエプパの滝を堪能した後は、カオコランドと呼ばれる辺境の地を通過しながらナミビアの西海岸に南下していく。
辺境の地のため、ほとんど車が通らずにヒッチハイクも困難を極める。
車窓から眺めるで壮大で美しい風景と、親切な人々に助けられて何とか旅を進めているのであった。
ナミビア北西部カオコランドを経由しながら、西海岸へ
エプパの滝があるエプパ村までくる公共交通機関はなく、移動手段はヒッチハイクのみ。
そしてヒッチハイクの車さえ、毎日見つかるわけでない。
地元の人の間でもエプパの滝を訪れる旅行者たちの車に乗せてもらって移動するのが定番になっている。
彼らが滞在しているゴージャスなロッジを訪ね、受付で許可をもらい、「一緒に連れて行ってくれないか」と直接頼むのだ。
旅行者の車が地元の人の移動手段にもなっているなんて、さすが秘境のエプパの滝。
幸運にもフランス人のカップルの車に乗せてもらい、オプウォまでは快適な移動(エプパに来るときは車の荷台に乗ってきた)。
エプパを出発したのは朝の7:30だったので、オプウォに到着したのは11:00ぐらいだった。
本来はこの街に一泊して先へ進むはずだったけれど、まだ時間がたっぷりあるのでそのままヒッチハイクを続ける。
当日中に辿り着きたかったのはセスフォンテイン(Sesfountain)と呼ばれるカオコランドの街で、オプウォからは砂利道を150kmの距離。
ダメもとで道路に立ってみたけれど、幸運にも1時間後には途中のオマオまで行く車が見つかる。
オマオは家が数軒、小さなショップが一軒あるだけの集落。
周辺は乾ききった土地で、どこに水があるの?という風景。
「もしかすると今日はこの集落に泊まることになるかもしれないな」と思っていると、どこからともなく表れた1台の車。
これがめちゃくちゃラッキーな出会いだった。
「セスフォンテインまで行きますか?一緒に乗っていてもいい?」と尋ねると、
「セスフォンテインの近くまで行きます。どうぞ乗って行ってください。私達はセスフォンテインから10kmほど離れたワランケレという村に行きます。温泉や滝もあるので、村に滞在したほうが面白いと思いますよ。家の庭にスペースがあるので、テントも張れますし」
まさに奇跡。こういった出会いがあるからヒッチハイクは面白い。
ワランケレが近づいてくると、少しずつ大地に緑が増え、大きな木々が育っているのが見えてくる。
この村の背後にある丘から湧水や温泉が出ており、表面は乾燥した砂漠のような大地なのだが、地下水が豊富にある場所なのだ。
ワランケレでお世話になった家族と話していると、以前この土地はドイツ人が経営する巨大な農地だったようだ。
それがヘレロ族の抗議によって、彼らの手へと戻り、今に至るという。
ホストファミリーはその豊富な湧水を使い、野菜畑を作っていて、畑にはキャベツや玉ねぎなどが元気に育っている。
さらに周辺では貴重な鉱物が採掘でき、彼らは家族経営でセミ・プレシャスストーンの採掘も行っているという事だった。
敷地内の空きスペースにテントを張らせてもらい、夕食まで準備してくれるという親切な家族。この村で彼らに出会えたのは本当に幸運だった。
彼らの家にテント泊させてもらいながら、周辺を探索。
家から300mほど離れた場所には温泉が湧き出る場所が。
主に子供達が体を洗ったり、服を洗ったりしている。
そして村から6kmほど離れた場所にはオンゴンゴの滝と呼ばれる場所もある。看板もあって、キャンプサイトもあるので知られた観光スポットではあるようだ。
村からオンゴンゴの滝までは、下の写真のような風景の中を歩いていく。
地球上にはこんな場所もあるんだ。
オンゴンゴの滝に到着すると、水量は僅かであるが川に水が流れている。
川には緑の葉を付けた大きな木が育ち、砂漠の中のオアシスのような場所だ。
滝が流れ落ちる場所まで丘から下ってみると、そこには小さくも美しい滝があり、滝壺には水が溜まりプールになっている。
水は透明度が高く緑っぽい色。プールの底まで見えて、そこには亀も暮らしていた。
この滝で面白いのが川からは冷たい川が滝になり流れ落ち、滝の両側にある洞窟からは温泉が流れ出ていること。
そのため水の温度は温水プールのように少し温かい。
オンゴンゴの滝も訪れることができたので、翌日は家族にお別れしてさらに南下していく事にする。
朝の8:00ごろから車を待つも、とにかく車来ねぇ……。
気づけば午後の15:00で、ようやく止まったのが警察の車。
この先に進むのを助けてくれるのかと思いきや、「明日移民局の人間が村に来るので、この村を動かないように」と伝えられる…。
中国人によって周辺の地域ではサイが密漁された事件があったようで、アジア系の私にも疑いがかかったのだろうとの事…。
抗議したけれど埒が明かないので、しょうがなくまた家族のもとに戻って早すぎる再会(笑)
翌日移民局の人々が来たのは12:00。尋問は30分ほどで終わり、当然だが自由の身。
早速ヒッチハイクを始めるも、まったく車はこない。もう笑うしかない(笑)
さすがナミビア。人口密度の低さがモンゴルについで第2位の国。
その日もまた家族のもとに戻り、まさかのワランケレに4泊。
ワランケレ滞在5日目。朝早くから午後の16:00まで待ってようやく100km先のパームバグまで行く車が来た。
いやーもう車がきたのが夢のように感じた(笑)
ここでは2-3日交通手段が見つからない事は普通だという…。
ヒッチハイクした車の荷台にはヒンバ族の女性や村人たち。壮大な景色の中をランドクルーザーが走る。
1時間半の悪路の後、パームバグに到着。
到着したのも夕方の17:00だったので、今夜はここの警察所でテント泊させてもらうことに。
ただ、ここには食事をとれるようなレストランは一切ない。2軒ある店にもビスケットとポテチ以外の食べ物は販売されておらず…。
誰もいないと思うけど、ここでテント泊する人は要注意。
そして翌朝、検問所の警察の人が手伝ってくれて、目的地の西海岸の街ヘンティース・ベイまで直行の車を発見してくれた。
本当は色々と観光地を訪ねながらゆっくりと旅したかったのだけれど、もうここでのヒッチハイクも疲れたし、次の車が見つかるかもわからないので、一緒に乗せていってもらう事に。
ナミビアを車無しで周るのは中々苦労する。
ウイスという街の周辺では貴重な鉱石が採れるようで、路上で原石を販売している人々も。
5時間後ようやく到着したのはヘンティース・ベイ。
アンゴラのトンブア以降、またまた大西洋に戻ってきた。
気温は18度、パームバグは32度だったので、めっちゃ寒く感じる。
ビーチでは人々が釣りをしたり、バーベキューをしたり。
曇り空も久しぶりに見たな。
海岸沿いにはお金持ち(主に白人)の面白いデザインをした家が並び、内陸部にはロケーションと呼ばれる低所得者(主に黒人)の住宅街がある。
ほとんど黒人の人しか見かけなかった北部とは全く違う街の雰囲気。まるで別の国に来たかのようだ。
ヘンティース・ベイでは久しぶりにカウチサーフィンでクリスティンとヘレナのお宅にお世話になっていました。
オリックスの肉を使った絶品のナミビア料理も調理してくれて、もう感謝しかない。
ここからは西海岸の他の街や、さらに南下して巨大な砂丘を訪れたりしてみたい。
その前にウィンドホークを訪れるか。どちらにしてもまだまだナミビアの旅は続く。
おわりに
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