ビエ地方のクイトを離れ、フアンボを目指す。
ビエもフアンボも農業が盛んな地域で、両都市間の主要道路沿いでは村人たちが農産物を格安で販売している姿が目立つ。
フアンボを訪れた後は、アンゴラで最高峰のモコ山(2620m)への登頂に挑戦するのだが…。
アンゴラ第3の都市 高原の街フアンボにて
クイトからフアンボまでのヒッチハイクは予想以上に手こずった。
2時間ぐらい待って、止まってくれたのは大型バス。「日本からの旅行者なんですが、無料で乗せてもらえませんか?」と尋ねると、「旅行者ならウェルカムです」と、バスの中へ入れてくれる。
アンゴラでは、時に旅行者は魔法の力を持つ。
バス内には数人しか乗客がおらず、運転手は首都のルアンダへ戻るついでに乗客を乗せてお小遣い稼ぎしているようだ。
他の乗客はお金を払っているのに、私は無料乗車。ちょっと罪悪感だが運転手がオッケーならオッケーなのだ。
フアンボでは久しぶりにカウチサーフィンで、ベラさんのお宅へ泊めてもらう。
彼女はポルトガルのNGOで働いていて、アンゴラには10年以上滞在しているという。
彼女の家はフアンボの中心から離れた小高い丘の上。周囲にはちょっとした森が広がっている。
フアンボはアンゴラで3番目に大きな街。
フアンボの街自体に特別さは感じなかったが、話したアンゴラ人の中にはフアンボが好きな人に何人かあった。
彼らは街の美しさと気候の良さを理由にあげていて、確かに高原地帯に位置するので、夏の暑い時期は避暑地として快適なのは想像できる。
こちらがフアンボの中央広場。広場にはアンゴラの初代大統領アントニオ・アゴスティニョ・ネトの銅像。
彼の銅像はアンゴラの主要な街にならば必ずといっていいほど存在する。
アンゴラの他の都市と同じように、コロニアル風の建物と、共産主義であった国々で見かけた事のあるような(東欧とか)建物が混ざって建ち並ぶ。
これはアンゴラ独特のミックスなのではと思う。
そして時折見かける奇抜なデザインの建物。
1枚目はフアンボ駅の建物で、2枚目は一般の住居と思われる。
街路にはジャカランダの花が咲いている。今が季節なのだろうか?
せっかくなので、フアンボの郊外へも少し出かけてみる。
まず向かったのはカーラ(Caala)。フアンボからバスで100クワンザ(約17円)。
この街の小高い丘にはNossa Senhora do Monteという可愛らしい教会が。
時期になると多くの巡礼者が訪れるそう。
小高い丘になっているので、教会からの景色もいい。
カーラの近郊にはいくつか巨大な岩があって、そのうちのひとつウソンボを訪れてみる。
アンゴラにはこういった巨岩がいくつもあり、見慣れてしまって驚かないけれど、それにしてもでかい。
アンゴラの巨大な岩で最も有名なのはルビリと呼ばれる下の写真の岩だろう。
1000クワンザ紙幣にも描かれている、アンゴラの象徴の一つ。こちらもフアンボ地方にある。
空に角のように突き出た形が特徴的だが、角度を変えると同じ岩とは思えない形に見える。
だが、なぜこの岩がアンゴラのシンボルで、1000クワンザ紙幣に描かれるほどなのか?
他にも候補は沢山あるような気もするが…。
アンゴラ最高峰のモコ山(2620m)目指してハイキング
アンゴラの最高峰モコ山に登ろうと予定していたわけでは全くない。
フアンボからヒッチハイクで乗せてくれた大型トラックのドライバーが強く勧めてくれたので、モコ山から最寄りのウソッケという村で降ろしてもらったのだ。
Maps,meアプリにもトレイルは記載されていないし、下調べもしてないが何とかなるだろう。
ウソッケ村では警察署にてテント泊。
モコ山に登ると話すと市役所で個人情報を登録させられ、麓の村の村長(ソバ)に挨拶する事やガイドを雇うことなど簡単な説明を受けた。
村長にお金を支払わなければならない場合あり(非公式)と教えてくれ、個人的にガイドも必要ないので、申し訳ないが聞いた通りにはしないが、頭だけ縦に振っておいた。
翌日朝6:00に目を覚まし、バイクタクシーを雇って1500クワンザで麓の村まで。カンジョンデ(Kanjonde)という村だった。
バイクの運転手には「村長(ソバ)には会いたくないから、挨拶は抜きでお願いします」と頼んで、面倒くさい事はスキップ。
MountMoco.orgというウェブページで前日にトレッキングの情報を少し入手しておいたので、そのトレイルの入り口から登り始める。
ただ間違いはこれだった。トレイル自体は楽しめたのだが、このルートが頂上までいくわけではなかったのだ…。
この時はモコ山の頂上に向かって歩いていると思ったのだが、谷を挟んだ向こう側に現在自分の登っている山よりも高い山がある事に気づいた(笑)
まぁガイド代をケチるからこうなるのだが、山歩き自体は楽しめたのでよしとする。
それにしても複雑な登山道だった。村人たちが日常的に使っているルートがいくつもに分かれていくので、どれが正式なルートかわからない。
経験と勘で一番大きく踏みしめられた轍を辿って、結局目的地には辿り着いたのだが、なかなか複雑だった。
カジョンデ村からは急登を登っていくと村がどんどん小さくなっていく。
高原の真ん中にポツンとある村だ。
山の稜線まで登ると風が気持ちいい。
久しぶりの山登り。道中に野生のシカのような動物が遠くで走り去っていくのが見えた。
こういった自然の中を歩いていて、アフリカで一度もヘビに出くわしたことが無い。
幸運なのか、おそらくヘビは人の足音を聞いたら逃げ出すのだと思う。
下の写真は、モコ山で見かけた植物たち。
この辺りも村人たちによって、かなり焼かれた跡があり、真っ黒になっている大地も。
トレッキング中の風景をもう少し。
このトレイルは、ヨーロッパのNGOが保護しているモコ山周辺に数少なく残る森へと続いていた。
村人たちと連携して残された森を保護するのがミッションのようだが、めちゃくちゃ燃やされた跡があるし、何なら煙も見えますけど?
ちなみに保護されている小さな谷間の森がこちら。
そしてモコ山は、おそらく谷の向こう側にそびえる一番高い山。
この後は一度山を下り、同ウェブサイトに記載されていたもう一つのトレイルを探す。
どうやら谷間の川に、泳ぐことができる自然のプールがあるらしい。
一度平地に戻り、まずは谷を目指す。モコ山の頂上は、時間が足りないので(往復6-8時間かかる)あきらめた。
下の写真の谷間を下っていく。
すると、それらしきトレイルが見つかり、登山道に沿って下っていくと小さなプールがある。
たぶんここだろう。だが水浴びはできても、このサイズでは泳ぐことはできない。
おそらく雨期にはもっと水量があるのだろう。
小さくても自然のプールでの水浴びは最高に気持ちいい。
アフリカ来てから、自然の中でただ一人のことが多いから、川で裸になっての水浴びにハマってる。
水浴びの後、すっきりして村に戻ると何やら村人や警察の人が集まっている。
何事かと近寄ってみると、もちろん色々と質問されパスポートもチェックされる。
「なぜこんなところにいるのだ?何をしているのか?」
ウソッケ村で個人情報を登録し、モコ山を訪れることを許可されている旨を伝えると、どうやら納得してくれた様子。
「なぜ村長(ソバ)に挨拶しなかったのか?」と聞かれたので、「知りませんでした。ごめんなさい。」と一言。色々とややこしい理由を話す必要はない。
警察の方々は、これから丁度ウソッケ村に帰るところだったので、パトカーに同乗させてもらって村へ。
カジョンデからどうやってウソッケに帰ろうかと思っていたので、これは幸運だ。
アンゴラの最高峰には登れなかったが、まぁこれはこれでよかったとしよう。
おわりに
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