[タンザニア] セレンゲティ国立公園 友人のランドクルーザーでサファリに乗り込む三日間

こんな出会いがあるから旅は素敵だ。キゴマのヤコブセンビーチでたまたま出会って仲良くなった旅人に、あの有名なセレンゲティ国立公園へのサファリに誘われた。

ツアー料金が高すぎて、行くべきか行かないべきかずっと考えていた。その時差し伸べられた救いの手。彼らはサファリ用の車を持っていて、セレンゲティ国立公園を三人でセルフドライブ。

これまで動物園かテレビでしか見たことのない動物が、野生で目の前でありのままの姿で存在していた。

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セレンゲティ国立公園一日目 ナダバカゲート

奇跡のような幸運も起こるものだ。たまたまキゴマで出会った旅人に「明日からムワンザにいるけどどうしてるのー?今頃セレンゲティ国立公園でサファリかな?」とメッセージを送ったら、

「私たちは明後日からセレンゲティ国立公園に行くよー!車にスペース作るから一緒に来る?」とまさかのお誘い。そりゃ行くでしょ!こんなチャンスは二度とない。

彼らはサファリ用の車も持っていて、セルフドライブでガイドもいらないのでツアー料金の半分以下で楽しめてします。しかもツアーと違って自由。六人乗りのサファリカーに詰めこまれる必要もない!最高!

翌日には彼らが待つヴィクトリア湖畔にヒッチハイクで移動。

彼らはパウラとマニュエルのドイツ人カップル。ボツワナで中古のランドクルーザーを購入し、ロードトリップように改造。ルーフトップテント、冷蔵庫、ガス等など、オフグリッドでもしばらく暮らせるような装備がある。すげぇ…。

そんな彼らの旅に便乗させてもらいます(笑)初日は食料の買い出しなどの準備をし、翌日はナダバカゲートから日帰りでセレンゲティ国立公園に入場。タンザニアで初めてのサファリ!

ナダバカゲートは朝の6:30に開くので、その時間に合わせて入場ゲートへ。受付で入場料70ドルを支払って、いざ憧れのセレンゲティへ。2000kgの車の入場料は40ドルは三人でシェア。

セレンゲティで初めて目に入ってきたのは、美しい朝日とガゼルのグループ。肉食獣がどこに潜んでいるかもわからないにも関わらず、のんびりとした平和な風景。

セレンゲティといっても、至る所に動物が溢れているわけではない。サファリドライブ、しばらく何の動物も現れない我慢の時間もある。

特に日中は多くの動物が日陰などに隠れる。

そんな中でも忙しそうに動き回っていたのが、イボイノシシ。走る時に尻尾がピンっと上に上がるのが可愛かった。

ライオンキングのプンバのモデルがイボイノシシ。

陸をのそのそ歩くヒョウモンリクガメ。遠くからこちらを見つめるバッファロー。そしてピンク色のダチョウ。

繁殖期になるとオスのダチョウはピンク色が濃くなるのだとか。

野生動物も見ていて楽しいけれど、セレンゲティ国立公園の風景も素晴らしい。

朝のドライブを経て、グルメティ川沿いのピクニックエリアで昼休憩。車を出ると、川の方から何だか動物の鳴き声と「プシュープシュー」という音が聞こえてくる。

何だろうと思って音のする方へ近づいていくと、

50頭以上?のたくさんのカバが川の中に。こんなにたくさんのカバ見たことないっ!川に潜っては、水面に顔を出して気持ちよさそうに沐浴している。

カバは、自分のテリトリーに糞をまき散らすので(牛や馬のように落とすのではなく、言葉通りまき散らす)、周囲はその独特の匂いがプンプンする。

周囲には、こんなに美しい鳥たちも!一枚目の写真のタカは川で果敢に魚を獲ろうと奮闘していた。

そしてセレンゲティの川といえば、忘れてはいけないのがナイルワニ。

川辺で呑気に眠っているワニたちもいれば、車で川の上の橋を渡っている最中に、大きく口をあけて獲物を待ち構えているヤツも。危険。落ちたら絶対食べられる…

この日はキリンやゾウ、ライオンも見かけたけれど上手に撮影できず。動物を撮影するのも簡単ではない。

朝の6:30から入場したセレンゲティも午後6:00過ぎ。空がだんだんと赤く染まってくる。

初日は期待していたライオンを遠くからしか見ることができず、少し期待外れだったけれど、そんな日もある。

それでも夕日に照らされるセレンゲティも美しさと、今日のハイライトであったたくさんのカバやワニの姿に満足感を抱きつつ帰途へ。

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セレンゲティ国立公園二日目 イコマゲートから日帰りサファリ

初日のナダバカゲートからのサファリはライオンやチーターなどを見られず、少し期待外れだったので、二日目はイコマゲートから入場し、もっとセレンゲティの中心部をドライブしてみることに。

イコマゲートから6:30に入場するために今夜は近くのキャンプ場に宿泊。するとまさかのキャンプ場付近でキリン発見。

国立公園との境界にフェンスは存在しないので、実は動物は行き来自由。キャンプ場では夜中レオパードやライオン、ハイエナの鳴き声が。

テントの中で寝るのこわっ!キャンプ場では夜中火を焚いてパトロールしてくれる人がいた。

翌日肉食獣に襲われずに無事に起床。朝ごはんを準備して、イコマゲートからセレンゲティ国立公園へ入場。

早速ハイエナを見かけるも撮影できず。しかし、しばらくすると目の前に再びキリン。

ヌーもたくさん。例年なら5月下旬のこの時期は、ヌーの大群がセレンゲティ国立公園からケニアのマサイマラ国立公園へ大移動する時期。

しかし今年は雨期が遅れたせいで、ヌー達はまだセレンゲティ国立公園の中央部にいるらしい。今日はそれを見に行くのも目的。

そしてついに前部座席に座っているパウラとマニュエルが何かを発見!

なんと!子連れのライオン!

川で水を飲んでいる様子。うわーこんなに近くで野生のライオンを見るのは初めて!しかも子ライオンまで。

そして意外や意外!ゆっくりと川を渡り始めた。通常ライオンは水を嫌うので、川を渡る姿はかなり珍しいとの事。

素晴らしい光景に遭遇することができて三人ともハッピー!今日は幸先が良い!

続いてライオンの近くにいたのは、ボタンインコ。カラフル。

しばらく何も目を惹く動物を見かけない時間が続く。この頃になるとシマウマ、ガゼル、アンテロープ、ヌーなどを見かけても、もう見慣れすぎて反応なし状態(笑)

そしてパウラの「ストップ!何か発見したかも!」の一言で前方に注目すると、またもやライオン!

しかもオスが混じったグループが平原に寝そべっている。なんてでかい猫たちだ。

今日は何てラッキーなんだろう。昨日が嘘のようにライオンを発見。

川に目をやるとナイルワニ。

そして再び車内に衝撃が走る!ヘビ!短い体長に太い体。パフアダーかな?

車の下に入って見えなくなったので、車の下に潜んでいるのでは?と三人で心配したけれど、そんな事はなかった。

ここは野生動物の楽園。一日目はなかなか見つからなかった動物が次々と現れる。

そして遠くにヌーの大群を発見!列になって同方向に走っていく。砂ぼこりをあげて、すごい迫力。

もうしばらくしたら各地に散らばるヌーのグループが一つの巨大な大群になって、ケニアのマサイマラ国立公園に移動するそう。彼らが一斉に川を渡る姿は、大迫力なのだとか。

これは珍しい。木の上で寝そべるヒョウを発見。

地面に降りたところも何とか写真に撮れたけど、ちょっと太りすぎやん?

マサイコピと呼ばれる巨岩がむき出しになった丘に行ってみると、岩の上に寝そべる二匹の雄ライオン。ライオンキングは、ここから岩場に住むライオンというアイデアを得たのかも?

続いては、ゾウの群れが目の前に立ちはだかる。むしゃむしゃと草を食べるのに忙しそう。

でかいので、近づきすぎるとめっちゃ恐い。

チーターがいた!という情報に基づいて、その方向に車を向かわせるも発見できず。

かわりに行き止まりの川で遭遇したのは、またもやたくさんのカバ。あくびしたり、喧嘩したり。喧嘩するなら、こんなに密集しなければいいのに。

さて時間は午後5:00。夕方の6:45分までにイコナゲートに戻らないと行けないので、ゆっくりと帰途につく。道中では、たくさんの動物が目に飛び込んでくる。

そしてバッファローの大群の前で車をストップ。彼らが道路を横断していたからだ。なんてラッキー。子バッファローが可愛い。

興味深かったのが、バッファローの背中に乗ったり、顔にぶら下がったりと忙しそうに動き回る小鳥、ウシツツキ。

バッファローにつく寄生虫やダニを食べているのだそう。バッファローも体をきれいにしてもらっているので気にしない。素晴らしい共生関係。

でも鼻の中までくちばしで突っつかれてるのには驚いた。

バッファローと一緒に大群で移動していたのはシマウマ。何回見てもかわいい。

本日のラストに、またもやラッキー!川に入ろうとしているカバの姿を発見。カバの姿全体を見れるのは珍しい事らしい。日中はほとんど川にいるので。

こうして大満足のサファリ二日目は終了した。

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セレンゲティ国立公園三日目 公園内で一泊

さて二日目のサファリが大満足に終わったので、三度目のセレンゲティ国立公園に行くことに。

しかし朝の6:30から入場するのではなく、午後1:00に入場してセレンゲティ内のキャンプサイトに一泊。そして翌日の午後1:00にイコナゲートに帰ってくる作戦にした。

セレンゲティの日帰り入場チケットは24時間有効なので、こういった使い方もできる。

そして動物が活発に動き出す夕方と早朝に国立公園の中央部に滞在できるのもポイント。

三日目のサファリを開始すると、早速キリンを発見。もうたくさんいすぎて、見すぎて、感動が薄れていく(笑)

ゾウだってたくさん見すぎて、「またゾウがいるよ」と最初の興奮はない(笑)

三日目の今日、我々が期待しているのは肉食動物が狩りをするなど何か特別な光景!

そうやってドライブしていると、メスのライオンを発見。

ただ、木に登って、グーすかと眠っている。

残念ながら狩りへと出る様子はない。

一時間後…木から降りたかと思うと、草むらの中に姿をくらませてしまった。

そして夕暮れ。この景色が見られるだけでもセレンゲティ国立公園内に一泊する価値はある。テント泊でも30ドルもとられるのだけれど。

翌朝。「明日は早起きで出発するでー!」と意気込んでいたにもかかわらず、少し寝坊(笑)朝日の写真を撮りたかったのだが、良い構図が見つからず断念。

気を取り直して動物を探す。すると、パオラが何かネコ科の動物らしき新鮮な足跡を発見。もしかしてこの先にライオン?チーター?ハイエナ?

周囲を目を凝らして眺めてみると、

「あ!チーターがいる!」

三匹のチーター!歩いていると発見できるのだけど、彼らが寝そべっているときは草むらに隠れて全く見えないようになる。

チーターが草むらの向こうに姿を消すのを見届けると、遠くに長い間停車しているサファリカーを発見。双眼鏡で覗いてみると、その車の目の前にはライオンが。

「あそこまで行こう!」と車を走らせていると、目の前からハイエナがテクテクと。ハイエナの申し訳なさそうで、ずるそうな歩き方が面白い。

そして先ほどライオンが見えた場所へ。

よかった。まだいた同じ場所に。すると数分後、情報を聞きつけてきた他のサファリカーもやってきて、二匹のライオンに対して6台のサファリカー。

彼らはライオンの目の前で止まり、数分で去ってしまったけど、我々は自由なので長時間滞在(笑)

ツアーじゃなくて、パウラとマニュエルに連れてきてもらって心から良かったと思う瞬間。

この自由な風を感じているライオンのように、私の心にも同じ風が吹いた。

おわりに

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