[タンザニア] ヒッチハイクでタンザニア縦断 カトゥンバ村でのファームライフ

旅に計画の変更はつきもの。当初の計画ではアル―シャとムワンザにしか滞在しないはずだったのに、友人の紹介で想像もしていなかったような土地に足を運ぶことになった。

なんとタンザニアの北部アル―シャから1000km離れた、ザンビアとマラウイ国境付近まで友人の知り合いを訪ねて行くことに。

タンザニアで初めてのヒッチハイクで、友人の知り合いが待つカトゥンバ村までの道中と、彼のパーマカルチャーファームでの暮らし。

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アル―シャからムベヤまで ヒッチハイクの旅

これまでの世界旅でも実践していたヒッチハイク。ここタンザニアでも試してみる。以前タンザニアを訪れた友人から、ここでのヒッチハイクは簡単だと聞いていたので、期待度は高い。

ルートはアル―シャからモロゴロ、イリンガ、ムベヤ経由で友人の待つカトゥンバ村まで。合計で約1400kmの距離。一日ではいけないので各町に数日間滞在しながら辿り着く計画。

アル―シャでお世話になったカウチサーフィンホストのカイラに別れを告げ、まずは乗り合いバスでアル―シャ郊外のキソンゴヘ。そこからヒッチハイクを始める。

タンザニアでは初めてなのでちょっと緊張しながらのスタートだったけれど、すぐに一台の車が止まってくれた。タンザニアではヒッチハイクの事を「リフティ」と呼び、お金を支払って乗せてもらうのが普通。

私は無料で乗せてもらえる車を探しているので、「お金は払えへんけど、いいかな?」と事前に確認する。ドライバーは20kmほどしか移動しないみたいだけれど、少しでも前進したいのでありがたく乗せてもらう。

降ろしてもらった街の郊外では、警察が交通規制を行っていた。ここは絶好のヒッチハイクポイント。すべての車はスピードを緩めるし、警察と話して事情を説明すると「よし俺が車を探すのを手伝ってやる」と親切に助けてくれる。

そして彼が見つけてくれたのが100km離れた街まで行くバス。何と車掌さんを説得して無料で乗せてもらえるようにしてくれた。他の乗客は払っているのに、私だけ無料。そしてこれはタンザニアをヒッチハイク中何度も起こった。

タンザニアでは外国人(ンズング)は特別扱いされ、市場では地元の値段よりも高額を支払わされる時もあるが、ンズングだからヒッチハイクしてバスに無料で乗れちゃうという側面もある。「外国人だからしょうがないよね」という感じなのかも。

その後ドドマまでヒッチハイクし、初日は近くの村のモスクの敷地内にテントを張らせてもらい就寝。地元の人にこいつは何してんだと疑われ、パスポートまで入念にチェックされる(笑)

二日目はドドマからモロゴロまで。モロゴロではカウチサーフィンで泊めてもらうつもりだったけれど、夜の10:00になっても連絡が取れずに、結局ホテルに一泊。翌日彼から電話がかかってきて「昨日はごめん。バイクを運転中に交通事故にあってしまって…」だと。

嘘か本当かは知らんが、こういった予想もしない出来事にイライラしてたら旅はできない。ここはアフリカ。ポレポレ。

翌日モロゴロを出発しイリンガまでの道では、ミクミ国立公園の敷地内を通過する。キリンやバブーン、ガゼルなどをヒッチハイクしたトラックの車窓から見ることができた。お金がないといってヒッチハイクしている身なのでカメラを出して撮影は不可(笑)

このモロゴロからイリンガへの道路は美しかった。ミクミ国立公園を通過するだけではなく、ウデューングワ・マウンテンズ国立公園付近も通過するからです。道路から眺める山岳地帯が最高だった。

しかし大型トラックをヒッチハイクしたので、イリンガまで10時間かかって到着(笑)305kmの距離なのにね。

イリンガではすっぽかされずにカウチサーフィンホスト宅に滞在。ホストのデニスが温かく迎えてくれた。

三日間ヒッチハイク続きだったので、数日間少しのんびりさせてもらった。コロニアル時代の建物が少しだけ残るイリンガの街を一緒に歩き回ったり、美術館を訪れたり。

カラフルなイリンガの市場を歩き回ってみたり。

こちらはバオバブの実を粉にしたものだそう。バオバブの実は栄養価が高いスーパーフルーツとして今世界で注目されているそう。この粉をお湯に溶かしてお茶のようにして飲んだ。

まずバオバブに実ができることすら知らなかった。違う文化圏にくると学ぶことがたくさん。

さらに彼らが連れて行ってくれたのが超・超・超がつく地元民御用達のパブ。イリンガ名物で竹の樹液を自然発酵させたアルコール飲料「ウランジ」が飲める場所。

ローカルパブでは朝から飲んだくれがウランジを飲み酔っ払い、夜になると音楽をかけ地元民が集まり飲んで踊って楽しんでいる。飲んだくれの人々によると「これがイリンガの文化だぜ」とのこと。

これぞカウチサーフィンならではの体験。村人と飲み、踊るディープな体験。最初行ったパブは、真っ暗闇の小さな部屋で飲んだくれが集まってるので、かなりビビった。

別の日には近くの景色がいい丘の上までハイキングにも。数日間だったけれど、いい思い出。

旅を振り返って思い出すのは、いつもこういった人々との出会いだったりする。一期一会。

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カトゥンバ村でパーマカルチャーファームをお手伝い

イリンガに別れを告げて、やってきたのは友人の知り合いバラカが住むカトゥンバ村。アル―シャで出会ったエマの紹介でここまで来たわけだけど、人の縁って不思議なもんだ。

この地域はタンザニアで一番緑が豊かな地域として知られており、標高も1500mほどある場所。早朝と夜はジャケットが必要なほど寒い。

バナナのプランテーションもよく見かけたけれど、この地域ではアボガドや茶葉の生産で有名な土地のよう。

到着したのは5月2日。この地域ではまだまだ雨期の真っ最中。到着してからは一週間ずっと雨が降りっぱなしで、外にもロクに出かけられない状況だった。

コロナを気にしない国タンザニアに来たのに、まさかの雨でロックダウン。

初日はバラカの両親の家に泊めてもらい、翌日バラカのファームに移動する予定でしたが、雨で数日間延期。村の中心部から歩いて40分もかかるので、雨の日には歩きたくないし、連日の大雨で道はぐちゃぐちゃ。

おまけに食中毒?で体調崩して嘔吐までするボロボロのカトゥンバ村滞在の序盤(笑)

3-4月もかなり雨が降ったようで、バラカが育てた作物も太陽の光を浴びられず、ほとんど死んでしまったよう。天候だけはコントロールできないから農業は難しい。

バラカはこのファームを三年前に購入しパーマカルチャーファームを始めたという。最初は雑草だらけで荒れ果てた土地を、家族と彼の友人とで少しずつ形にしてきたそう。

最初の一年は上記の写真のような家もなく、現在はウサギ小屋となっている簡易な小屋に住んで暮らしたと話してくれた。

現在では水道もあり、ソーラーパネルから電力をゲット、牛が二頭、豚が一頭、ウサギが数匹、バナナ、マカデミアナッツ、りんご、アボガド、ヤムイモ、トマト、イチゴ、ピーマン、唐辛子、パイナップル、ローズマリー、ミント、バジル、アマランサス、じゃがいもなど多種多様な野菜・果樹が。

先生で大工でもあるバラカの父親が手伝って建てた自家製のグリーンハウスでは、立派な赤々としたトマトが育つ。

牛と豚は食用ではなく、糞尿を堆肥として使用するため。

そしてバラカのファームは丘の上の美しい場所にある。

周囲には一軒しか他に家がなく、とても静か。朝には霧が立ち込め、遠くにはルングウェ山が見える。

バラカも騒々しい村の中心部に住むよりは、人里離れた静かな場所に住むのが好きなようだ。

ファームの周囲にはタンザニア有数の茶葉の産地だけあり、一面の美しい茶畑が広がる。

理想的に思える美しいファームでの生活は決して簡単ではない。ついて回るのが経済的な問題。

タンザニアの田舎で有機野菜を販売して食べていくのは簡単ではない。まずタンザニアで有機野菜の価値を認めるマーケットはほぼない。特に農村部では。そのため村では、他の化学肥料や農薬を使って育てられた野菜と同様の価格で販売せざるを得ない。

バラカは大学教育も受け先生として働ける資格もあるけれど、タンザニアでは大学卒の優秀な人材でも仕事先が見つけるのは簡単ではないというのが現実。バラカだけでなく、タンザニアで出会った多くの若者が同様の壁に直面している。

バラカと友人は農業以外に現金収入を得る手段として、村の中心部に小さなお店を開いて穀物を売ったり、時にはバイクタクシードライバーとして働いたりしている。タンザニアでは多くの人が現金を得るために複数の仕事をこなす。

そんな状況でもバラカは前向きで、2週間彼と過ごして一緒に働いた時間は最高に楽しかった。

一緒に畑で働き、家畜の世話をして、コンポストを作り、

バナナサークルのテクニックや、日本では見かけないヤムイモの栽培方法など新しい事をたくさん学んだ。

時には近所の子供たちが手伝いに来てくれたりしたのもいい思い出。

食事も朝・昼・晩と一緒に食べる。朝はレモングラスとシナモンでハーブティーが定番だった。

雨期の影響でたくさんの種類の野菜はなかったけれど、ジャガイモ、トマト、アマランサスの葉、アボガド、バナナなど主に畑から採れる野菜を使って調理。

ある時はバラカのガールフレンドも遊びに来て、豚肉料理キティモトを作ってくれた。薪を使って屋外で料理したのも、キャンプをしているようで楽しかった。

その後、彼女が砂でこすって鍋を洗ってくれたのはカルチャーショックだったけど。

タンザニアに素晴らしい友人ができたのが嬉しいし、今度はまたいつ会えるかわからないけれど、彼の夢が実現することを心から願っている

マソコ湖とマテマから楽しむニャサ湖(マラウイ湖)の美しさ

農作業を手伝いながらも、周辺にある美しい場所も訪れた。

まずはバラカのバイクで連れて行ってもらったマソコ湖。トゥクユから農村部を20kmほど走った場所にある森林の中に佇む円形をした美しい湖。

美しい場所なのですが、バラカによると多くの人がこの湖で命を落としたことがあるそう。ちょっと怖い場所でもある。

そしてもう一ヶ所はニャサ湖(マラウイ湖)。こちらは想像を越えて美しい場所だった。この湖にはキエラ市に在住のハルカさんと一緒に遊びに行った。

まさかここで日本人女性に出会えると思っていなかったので、嬉しいサプライズ。現在はインターネットを駆使して色んな人とつながれるので面白い。

こちらニャサ湖(マラウイ湖)の面積はアフリカで3番目、世界で9番目の広さで巨大。そして美しい。

空の色をした美しい湖の色と背後にそびえる山岳風景がたまらなく絶景。

観光化もあまりされている感じがなく、地元の人はここで体を洗ったり、洗濯物を洗ったり。湖畔に住む人々の日常の暮らしがここにはある。

小さなボートで魚釣りをする少年たちや大人の姿も。

近くの丘の急斜面を登ると、湖の巨大さがよくわかる。

タンザニアとマラウイの国境近くにあり、簡単に訪れられる場所ではないけれど、ここニャサ湖のマテマは一見の価値ありです。

おわりに

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