[南アフリカ] 西アフリカ縦断旅の最終章 ケープタウンまでの道のり

ランバートベイで楽しかったベルティナ一家に別れを告げ、次のホストが待つランガバーンへ。

ランガバーンからケープタウンまでは120kmほどの距離しかなく、ようやく西アフリカ縦断旅の終わりがすぐそこに迫ってきた。

最後の日々はストランドという海沿いの街で過ごし、タフであったが楽しかったアフリカ旅に別れを告げることになる。

ランガバーン 古代の壁画、化石資料館、ワインテイスティング

ランガバーンまでのヒッチハイクは簡単ではなかったが、それほど難しくもなかった。

100km以上の距離はあったと思うが、朝の9:00頃にヒッチハイクを開始して、午後の2:00ぐらいには最寄りの大きな街であるフレデンベルグへと到着していた。

ここで偶然発見したのは、パキスタン人経営のお店。パキスタンにはずっと行きたくて、気になったので入ってしまった。

中にはサモサやパラタ、カレーなどインド・パキスタン料理好きならたまらないラインナップ。

牛肉のカレーがメニューにあるのが、イスラム教国のパキスタンらしいなと思いながらメニューを眺める。

お店のオーナーも日本の事が好きなようで、「俺の夢はいつか日本に行くことなんだ」と話してくれ、連絡先も交換した。いつの日か彼に日本で出会う日は訪れるだろうか。

彼のお店でパラタを食べながら休憩していると、カウチサーフィンで連絡をとっていたハリーがお店まで迎えに来てくれて、

「せっかくここまでドライブしてきたのだから、このまま海沿いの街にでも行こう」

と、パターノスターという街まで行くことに。

その町の港にはかつての倉庫をリノベーションした素晴らしいアートギャラリーやレストランが並ぶ。

ハリーが「今日は俺の奢りだから(滞在中ずっと彼の奢りになるのだが)、好きなものを食え」と。

このレストランもそうだが、滞在中は絶対に一人では行かないような値段の張るレストランに毎日連れて行ってくれたのである。

お返しにお寿司を作ったり、豚の生姜焼きを調理したが全然恩を返しきれていない。

「どこに行きたいところあるか?」と言われたので、周辺で興味があったブッシュマンの壁画が残るエランド・ベイと、太古の動物の化石が残る博物館、さらに美しい浜辺に小さなレストランがあるヤコブ・ベイにも足を延ばすことにした。

まずはエランドベイに残るブッシュマンの壁画。海沿いに程近い、すこし高台を登った洞窟の中に壁画が残されている。

受付もセキュリティも誰もいない。自由に見学できる割には保存状態は悪くない。

彼らが残した壁画の写真がこちら。大量の手形が残され、よく見ると動物の姿も描かれている。

かつて海面はもっと高く、海も近かった。

辺りの地面に大量に転がる貝殻がそれを物語っている。

さらにランガバーンにある化石博物館を訪れると、それが詳しくわかる。

ここはかつて鉱山であったが現在は閉鎖。採掘事業の最中に発見された化石などが展示され、現在も化石の発掘作業は続けられている。

興味深い事に、ここではかつて存在した首の短いキリン(名前はサバテア)やアフリカンベアーの化石が発見されている。

それと同時に鯨などの海洋生物の化石も一緒に見つかっており、かつてはここが海だったことを証明している。

ちなみに首の短いキリン(サバテア)は、首の長いキリンと同時期に生息していたと考えられており、サバテアは環境の変化に耐えられずに絶滅したのだと考えられている。

ハリーと過ごした最終日は、フレンチホークという地域へワインテイスティングをしに行くことに。

ウェストコーストからフレンチホークへ辿り着くには、ケープタウンの近くを通り過ぎることになる。

ケープタウンに近づくにつれ車の交通量と住宅地の数が増え、乾燥した大地から山岳地帯の合間に広大な果樹園がひろがる緑溢れる風景に変わってくる。

2018年に訪れた時は干ばつで苦しんでいたウェスタンケープと呼ばれるこの地域だが、2023年の今年は大量の雨が降ったそうだ。

農家には嬉しい出来事だが、あまりもの雨だったので道路が破壊されたりもした地域もあるようだが。

そんな変化していく風景を楽しみながら、ハリーと一緒に訪れたのは、Boschendalというワイナリー。

確か17世紀後半からの歴史があるワイナリーだという。

木曜日にも関わらず昼間から多くの人が訪れ、ワインを楽しんでいる。

チーズの盛り合わせをおつまみにワインテイスティング開始。あぁ最高や。

シラーズ、ソルビニョン、ピノタージュなどブドウの種類によって全然香りや味が違う。

さらに生産地の違う豆を混ぜたブレンドコーヒーのように、違う特徴を持つブドウをブレンドしてあるワインも。

コーヒーの世界のようにワインの世界も奥深く、もっともっと知りたいと思わせる魅力的な世界だ。

それにしても久しぶりの贅沢な時間で感覚が狂いそう。たまにはこういうのもいい。

ここフレンチホークから、私の次のホストが待つストランドまでは遠くない。

ハリーもストランドに住む妹に挨拶に行くからと、次のホストの家まで送っていってくれた。

最高に楽しい日々でした。ありがとうハリー!

アフリカ最後の日々をストランドで過ごす

アフリカで最後のホストは、ストランドでお世話になったガーフィールドの一家。

ガーフィールドは空港で飛行機のメンテナンス関係でマネージャーとして働く。

パートナ―のカンディスはワイン産業で働き、彼女の料理の腕がプロ並み。

3人の子供を育てながら、毎日きちんと美味しい料理を作る姿には全力で尊敬せざるを得ない。

さてストランドの周辺で観光を楽しめる場所でどんな所があるのだろうと探していると、まず気になったのがストーニーポイントペンギンコロニー(Stony Point Penguin Colony)。

ここでペンギンを見逃したら今度いつ見れるか分からないので、最後のチャンスと思い訪れることに。

ペンギンコロニーがあるベッティーズベイ(Betty’s Bay)に到着するころには、美しい風景が広がっていた。

海辺はもちろんの事、そのすぐ背後には岩山がそそり立つ。

ペンギンコロニー自体は、観光客の数も少なく、ゆっくり見れるのがいい感じ。

ペンギンの数も多いし、よちよち歩きで歩いている姿がずっと見ていられるほど可愛らしい。

ペンギンコロニーからストランドに戻ってくると、周辺にあるゴードンベイにも連れて行ってくれる。

南アフリカには最高に美しいビーチが無数にある。

翌日は久々に山にハイキングへ。訪れたのは、ヘルデルベルフ自然保護区(Helderberg Nature Reserve)という場所。

ガーフィールドはゴルフの予定があったので、彼がゴルフをしている間にハイキングを楽しむことにしたのだ。

この自然保護区はプロテアで有名なようで期待していたが、山火事があった?のか黒くなってほとんどは枯れていたのだが、こちらが唯一見つけた綺麗に咲くプロテアの花。

素晴らしく美しい。

プロテアトレイルと名付けられたトレイル。咲き誇る多様なプロテアを楽しめるはずが、ほとんどが枯れてしまっている…。

そんな残念なトレイルを、ウエストピーク(標高1000m)を目指して登る。

久しぶりのハイキングなので急登になるとキツイ。

頂上に近づくにつれ、ゴツゴツとした岩や崖が目立ってくる。切り立った崖なので、限られたルートからしか頂上には辿り着けない。

地元の人に人気の場所のようで、途中まで多くの人とすれ違ったが、頂上に行くにつれ誰も見かけないように。

頂上ではたった一人で最高の景色を楽しめた。

遠くは喜望峰まで見える最高の景色。アフリカ大陸の最南端はあそこだ。

2018年に一度訪れているので、今回は再訪しないが、これにて西アフリカを南北縦断完了。

大変な事もたくさんあったが、それ以上に素晴らしい人々との出会い、アフリカの多様性と魅力に取りつかれてしまった旅だった。

きっとまた呼ばれるようにして戻ってきてしまうのだろう。この大地に、ここで暮らす人々に出会いに。

さよなら、そしてまた会おうアフリカ。

さて次なる旅はメキシコ→ブラジルまでを縦断。まだ訪れていない残された中南米の国々を巡る旅へ。

おわりに

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