アンゴラの首都ルアンダを離れ、内陸部への旅が始まる。
アフリカでも随一の大きさを誇るカランドゥラ滝。巨岩地帯のプンゴ・アンドンゴ。
マランジェ地方にある、アンゴラを代表する観光スポットへ向かう。
カランドゥラ滝 広範囲から勢いよく流れ落ちる絶景の滝
ルアンダでお世話になっていたモハメドが、ルアンダの郊外まで車で送り届けてくれた。
そこからマランジェ地方にあるカクソ(Cacuso)という小さな街を目指してヒッチハイク。およそ300kmほどの距離。
幸運な事にマランジェまで直行で行く大型トラックに同乗させてもらう事ができた。
バオバブに囲まれた風景を横目に、いくつかの街を通り過ぎながらトラックは進む。
そして次第にバオバブの数は減少していき、サバンナの草原のような風景に。何とか午後の5:00と暗くなる前にカクソに到着。
本当はカトリック教会に頼んで泊めてもらう作戦だったのだが、ノックしても不在のよう。予定を変更して近くの警察署に頼んでみる。
空いている部屋にテントを張らせてもらえる事になり、ここに3泊もしてしまった(笑)
ここカクソからは、カランドゥラ滝にもプンゴ・アンドンゴにもちょうど行きやすく、翌日にカランドゥラ滝、翌々日に後者を訪ねたためだ。
警察に事情を説明すると、「問題ないよ。アンゴラを楽しんでね。」と快諾してくれた。ご飯を安く食べらる場所なんかも紹介してくれて。
翌日は早速カランドゥラ滝へ向かう。片道50kmほどの距離なのでヒッチハイクで十分に日帰り可能な距離。
まずは滝があるカランドゥラまでヒッチハイク。舗装はされているが、道路には穴が空いている場所がたくさんあり、トラックはそれを避けるようにうねうねと曲がりながら走っていく。
カランドゥラの街のいくつかの建物には楽しいアートが描かれていて明るい雰囲気。子供達の笑顔も素敵なアンゴラ。
カランドゥラから滝までは5kmほど。歩けない距離じゃないので歩きだすが、途中でトラックが乗せてくれて快適に滝に到着。
道中には農場が広がり、焼き畑農業をしているのか、煙が周辺からモクモクとあがっている。アンゴラの乾季ではおなじみの光景。
駐車場に到着すると、すぐにカランドゥラ滝の展望台へ。
息を呑むような素晴らしい風景が広がる。大地の割れ目に大量の水が流れ落ちる。
カランドゥラ滝の高さは季節と水量によって異なるが、おおよそ105メートルと推定されており、アフリカでも随一の大きさを誇る滝。
その高さもだが滝の範囲も広い。広範囲から勢いよく水が流れ落ちる。乾季でこれなら雨期はもっと水量が多いのだろう。
下の写真は滝壺から川が流れていく方角の風景。川の周囲のみ緑が広がる。
この川にも下る事ができ、そこから滝壺へも歩けるようだ。
展望台からの景色を楽しんだ後は、早速滝壺の方向へと下ってみる。
駐車場から車で来た道を少しも戻り、左側に小さなトレイルを発見。GPSによるとこの道が滝壺へとつづいていそうだ。
急登を下り川へ辿り着くと、そこは別世界。
ジャングルのような緑が広がり、カランドゥラ滝をしたから見上げる事ができる。
さらに滝壺へと歩いていくが、勢いよく流れ落ちる滝の水しぶきでびしょ濡れになるし、地面の石は表面が濡れて滑りやすい。
気を付けてはいるが、足が滑って何度か転倒。衣服がドロドロになりながらも執念でできるだけ滝の近くへ。
あまりに服が汚れてしまったので、川で服の泥を洗い落として乾かしいると、対岸では少年たちが魚釣りをして楽しんでいる。
対岸にはどうやらホテルもあり、そこからもカランドゥラ滝の絶景が楽しめるよう。敷地内に入るには入場料が必要なそうだが、そこにはカフェもあって、滝を眺めながらコーヒーを飲めるらしい。
カランドゥラ滝を離れる前にもう一度展望台に戻り絶景を目に焼き付ける。
するとそこには虹が。
もういつまでも眺めていられるほど素晴らしくて、ヒッチハイクで帰らなければならないのに時間ギリギリまで滞在してしまった。
またいつか再訪する事…は多分ないかもしれないので、できるだけ今という時間を楽しむ。
プンゴ・アンドンゴ 神秘的な巨岩地帯
カランドゥラ滝を訪れた翌日には、もう一つの観光スポットであるプンゴ・アンドンゴを目指してヒッチハイク。
こちらもカクソからは45kmの距離なので日帰り可能。こんなに素晴らしい観光地が二つもあるのだから、おそらく将来カクソは旅人が頻繁に訪れる街になると思う。
プンゴ・アンドンゴが近づくにつれて、巨岩が目に入ってくるようになる。
こんなに大きな巨岩が、いくつも地面から飛び出しているなんて、何とも不思議な光景だ。
プンゴ・アンドンゴは、高さが最大で約200メートルに達する巨岩が集まった不思議な地域。
これらの岩は主に花崗岩から成り、何百万年もの間、侵食と風化によって形成されたという。
ポルトガルに支配される以前、この場所はンドンゴ王国の首都で要塞としても利用されていた。
だが今では数軒の家屋が残るだけの小さな小さな村に過ぎない。
村に住む人々は親切で、大豆とスパゲッティを茹でた食事を与えてくれたり、巨岩に登るための道を教えてくれたりと、訪問者が来ることを喜んでいるようだった。
せっかくなのでいくつかの巨岩の頂上まで登ってみると、そこからは絶景のパノラマビューが。
岩を歩いていると、マッカクと呼ばれるサルの群れにも遭遇した。
マッカクは日本猿によく似ていて赤い顔に赤いお尻。
近づくと一目散に逃げて行ってしまった。
それにしても不思議な光景で、これほどの巨岩が集まった場所をこれまで見たことがない。
この神秘的な絶景に必ず感動すると思うのでアンゴラを旅する際には、是非とも訪れてみてほしい。
マランジェとクワンザ川の急流が有名な場所へ
ここで紹介しているカランドゥラ滝やプンゴ・アンドンゴなどの観光スポットが位置するマランジェ地方。
カクソからマランジェの街へと移動してきた。マランジェ地方の地方都市で大型のスーパーマーケットもある大きな街。
ここでは街で一番大きなカトリック教会にお願いして、空き部屋に泊めてもらう事ができた。
空き部屋には二段ベッドがあって、4日ぶちのベッドとマットレスがありがたい。
コロニアル風、共産主義風の建物が混ざった街を歩くのも楽しいのだけれど、街歩きは早々にしてマランジェ南部にあるRapidos do Kwanzaと呼ばれるクワンザ川の急流を見に行く。
急流があるはずの村まで到着し、河原まで歩いてみると大河クワンザ川が現れる。
960kmもの長さがあるアンゴラでも最も長い川の一つ。
川辺から目を凝らすと、遠くに滝のような場所が見える。あれが急流に違いない。
急流が見えた方向に向かって歩いていく。
川辺から小さな子供達が着いてきて道を案内してくれる。おそらく後でお金をせがまれるのだろう。
急流へ着くと日曜日だからか、ちらほらと観光客もいる。
急流は小さな滝のようになっていて、勢いよく水しぶきが上がっている。
カランドゥラ滝を見た後なので、どうしても感動は小さいが美しい場所に違いない。
村の男の子たちが川で気持ちよさそうに水浴びしているので、こちらも飛び込ませてもらう。
毎日こんな場所で水浴びができれば最高だろう。シャワーなんかいらない。
この地も観光スポットではあるが、観光化されていないので地元に人々の暮らしも垣間見えるのがアンゴラ。
クワンザ川では人々が洗濯をしたり、キャッサバの下準備をしたり。
キャッサバは川に10日間(記憶曖昧)ほどつけて、その後乾燥。そして細かく粉にして、お湯に溶かし、捏ねて捏ねて、フンジ(トウモロコシや他の穀物が原料の場合も)と呼ばれるアンゴラの主食の完成だ。
村の人々と話していると、この川を上流にさかのぼるとカバが生息しているらしい。
地元の人はカバを食べることがあるそうで、カバ肉は美味しいとの事。さすがにカバは食べたことない。
ちなみにクワンザ川の畔には砂地が広がり、ビーチのようになっている場所もある。
訪れたのは日曜日だったので、家族連れでバーベキューやピクニックに訪れている人々もいて賑わっていた。
その機会を逃さず、村の女性たちは川で獲れた魚の炭焼きを売ったり、マボケと呼ばれる果実を販売したりしてビジネスにしている。
上の写真の黄色い果実がマボケ。タネの周りについた甘酸っぱい実を食べる。
私が女性が調理している川魚やマボケを食べていると、村の人たちが珍しそうに声をかけてくれて、嬉しそうに「おいアミーゴ!マボケはどうだ?魚は旨いか?」と笑顔で話しかけてくる。
そういえばアンゴラに来てから”中国人!”でなく単に”アミーゴ!”と呼ばれるようになったな。
旅人を歓迎してくれる国は、旅していて楽しい。
おわりに
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