フランスのサヴォワ地方を離れた後は、300kmほど南に移動。
グルノーブルを経由して、太陽がまぶしいフランス南東部のプロヴァンス地方にやってきました。
ヴォンタヴォンという小さな村にボランティアとして滞在しながら、エクラン国立公園の周辺もトレッキング。
フランス生活満喫中です。
プロヴァンス地方北部の小さな村で
フランス南東部に位置するプロヴァンス地方。
アルプスから地中海まで豊かな自然に囲まれ、広大な土地に、オレンジ色の屋根の小さな村々が目に入ってくる。
私が次に滞在していたのはプロヴァンス地方北部に位置するヴォンタヴォンという小さな村。
日本文化、特に小説が好きなカトリンさんのお宅でボランティアとして滞在させてもらっていました。
カトリンが住んでいるのは、昔ながらの農家の家を自らリノベーションした素敵な建物。
大工仕事や溶接だって自分の手でやってしまうのも驚き。
彼女のファームには力強い馬が三頭いて、カトリン自らチェーンソーで切った木を馬に曳かせて運ぶのだそう。
その木を使用して、家のリノベーションに使用したり、テラスを新設したり。究極のDIYだ。
カトリン宅での滞在時期がフランスのバカンスの時期と重なっていた事もあり、幸運な事に彼女の子供達とも出会うことができた。
家のすぐそばにきれいな渓流があり、彼らと共に沢歩きをしたり。
またたまに足を伸ばしたのが、最寄りの村であるヴォンタヴォンはもちろん、周辺の村々。
小高い丘の上に居住地があり、麓の平らな土地は農業に使用されているのが、この地方の典型的な村のデザインだそう。
何より素敵な思い出になったのは、カトリンを通してたくさんの素敵な人々に出会うことができたこと。
何度も食事に招待してくれたり、馬の歯の治療の様子を見せてくれたり、ピクニックに出かけたり。
フランスのプロヴァンス地方の田舎で、人々がゆるくも深く関わり合いながら暮らしているのを体験するのは何だか微笑ましかった。
エクラン国立公園周辺をトレッキング
ヴォンタヴォンでカトリン宅に滞在中、一週間ほど村を離れて再びフレンチ・アルプスの地域へトレッキングを楽しみに。
美しい山岳風景の中にいると全く飽きがこなくて、やっぱり山が好きなんだなぁーと実感せざるをえない。
今回滞在していたのはエクラン国立公園の周辺。
L’Argentiere-la-BesseeとAllemondを拠点にして訪れた絶景のトレッキングを紹介します。
エクラン国立公園にて 「白い氷河」トレイル
さて、まずは美しい氷河と山岳風景を目にする事のできるGlacier Blanc(白い氷河)トレイル。
私が滞在していたのはTrust roots(カウチサーフィンのようなサイト)で、幸運にも無料で泊めてくれるホストが見つかったL’Argentiere-la-Besseeという町。
谷あいの小さな町ですが、大型のスーパーマーケットもあるので登山前の買い出しにも困りません。
村の周辺にある山道を散歩してみると、丘陵地帯に放牧された牛たちがベルをリンリンと鳴らしながら草を食む姿。
これがアルプスの暮らしか。
丘の頂上からは、翌日に訪れる「白い氷河」と3000m級の山々が見渡せました。
さて、この街からトレッキングの出発点Pre de Madame Carleへと向かいます。
有料ですが大きな駐車場、トイレ、レストランなども併設されています。
ここから私はRefuge Glacier Blancを経由しテントで一泊、翌日にRefuge de Ecrinsまで行き、駐車場に戻ってくるという一泊二日でトレッキングを楽しんできました。
一日でRefuge de Ecrinsまで行っても距離は往復で16km、標高差1343mなので一日でも歩こうと思えば可能です。
さて滞在していた町からヒッチハイクで辿り着いた、トレッキング開始地点のPre de Madame Carle。
早速Refuge de Glacier Blanc(白氷河山小屋)を目指して歩き始めます。
まず川を流れる橋を渡ると見えてくるのは、西側にそびえ立つ氷河を抱く山々。
トレッキングの序盤は急登。
急斜面をジグザグに歩きながら標高を上げていくと、あっという間にこれまでいた川が眼下に。
その後もしばらくと急登を登り続けると、ついに目的の氷河が姿を現します。
曇天の下に堂々と現れた氷河、そしてそこから勢いよく流れ出る水。
晴天の日と違い、曇天の方がより山々に神々しさを感じて、趣があってよい。
氷河だけでなく、周囲を見渡すとこの世とは思えないほど美しい景色が広がる。
下の写真はRefuge Glacier Blanc。崖の上にあり、そのロケーション、そこからの景色も絶景。
安全な飲み水も確保でき、トイレもある。こういった山小屋の存在は本当に助かります。
この山小屋の近くにテントを張って一夜過ごせる場所があるというので、小屋を越え西へ少し歩くと、丘陵地にポツポツと平らな場所が。
元々テント泊するつもりで来たので、今日はここでストップ。
夕方になると天気は徐々に回復してきて、明日のトレッキングにも期待大。
夜が明けて、待ちわびた日光が山頂部にさしかかるころ、テントからもぞもぞと体を動かしてトレッキング開始。
すでに標高2600mなので、夏場と言えど寒い。
しかし少しずつ近づいてくる氷河に感動して、そんな寒さも気にならない。
しばらくは標高3000mほどまで登り、そこから氷河を眼下に見下ろすように岩場をトレッキング。
テント泊で早朝のスタートなので、他に誰もいない。
この景色を誰にも邪魔されることなく堪能できる。
その後は再び標高を下げ、何と氷河の上に辿り着く。
目的地の山小屋までは、そこから氷河の端の方を歩いていかなければならない。
氷河の合間にパックリ割れたクレパス。氷が溶けて流れ出る水。
気をつけながらも氷河の上を歩くのは、スリルがあって最高だった。
クレパスを避けながら、氷河の上をしばらく歩くと右手の丘の上に山小屋 Refuge de Ecrinsが。
この付近にも何ヶ所かテントを設置できそうな場所もありました。
この先に行くのは氷河を越えて行くルートなので、キチンとした装備がないと無理。
じっくりと景色を堪能して引き返します。
歩いてきた山道を折り返すと、多くの登山客で賑わっている。
小さな子供から、赤ちゃんを背負って登る人、お年寄りの姿も目立つ。
そんな人々と「ボンジュール!」と挨拶を交わしながら歩く。
こんなに美しい場所が国内にあるなんて、フランスは何てラッキーな国なんだ…。
エクラン国立公園の北部にて 絶景の氷河湖へ
続いて紹介するのは、エクラン国立公園の北部。
ワークアウェイでボランティアとして滞在させてもらっていたカトリンの友人が、この地域に住んでいいて家に招待してくれたのでした。
私が滞在していたのはアルモン(Allemond)という小さな村。
ここから周辺を旅しました。
カトリンの友人クロエとクラウドは山好きで、周辺のトレッキングルートにも詳しい。
彼らオススメの場所を訪れることにしました。
まずはBesse(ベッセ)という伝統的な家屋が残されている街を訪れ、近くのLa Croix de Cassiniからの景色が素晴らしいとのこと。
AllemondからヒッチハイクでBesseへ。オランダから訪れている夫婦の車に乗せてもらった。
Besseは、旅行者にも有名な村なのだろうか?
グネグネと曲がる山道をしばらく走るとBesseに到着。
昔ながらの石造りで建設された家屋が建ち並び、歩いていて楽しい村だった。
こういう村を歩いていると、各家が窓辺に花を飾ったりとデコレーションにこだわっていて、それが村の雰囲気にかなり貢献している事に気がつく。
Besseの村を散策した後は、Clavans-Le-Hautという村まで移動し、そこからトレッキングを開始する。
道中にもアルプスらしい風景があって良い感じ。
ここからLa Croix de Cassiniという山頂までトレッキングするのですが、道中で多数のサイクリストやバイク乗りを見かけた。
どうやらこの峠道も彼らに有名な場所のようだ。
山頂に辿り着くと、確かにそこからの景色は素晴らしかった。
写真左には名峰Meije(3982m)の尖った山頂部も見える。
アルプスには、このような素晴らしい場所がたくさんあり、一生かかっても全ての場所を訪れることはできないだろう。
翌日に訪れたのは峠道 Col de la Croix de Ferから、美しい氷河湖がある Glacier Saint Sorlinまで歩くトレッキングコース。
登山口の峠道までは、何とヒッチハイクでオープンカーに乗せてもらった。
人生で初めてのオープンカー。こんな形で実現するとは…。
登山口から氷河湖までは3時間30分ほど、距離は片道10kmぐらい。
冬場はスキーで賑わうようで、登山道の序盤にはスキーリフトがたくさん。
そんな景色の中を歩いていくと、下の写真のように大きな湖の先に見える氷河。
目指すのはあそこ。
このトレイルでは二つの大きな湖を経由する。Bramant湖とBlanc湖である。
どちらも透明度が高く、魚が泳いでいるのが湖面から見えるほど。
二つ目の大きな湖を越えると、そこから徐々に岩場となる。
道中にはいくつも小さな池が。水量が豊富な場所のようだ。
トレッキングの目的地にたどり着くと、そこにはさらなる絶景が待ち構えている。
氷河を抱く山岳風景と氷河湖。
氷河は大きく見えるかもしれませんが、近年の気候変動の影響を受け、どんどん小さくなっているのだとか。
こんなに簡単に氷河を近くで見ることができるのが素晴らしい。
氷河湖を後にし、どんどんと氷河に近づいてゆく。
こんなに暑い日だと、いつ氷河が崩れるか内心ヒヤヒヤしながら。
恐るべしフランスのアルプス地方。
次々と遭遇する絶景の数々に、フランスにいる時間がどんどん延長されてゆく…。
おわりに
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