ただの旅人なのにVIP待遇を受けながら、キルギスタン→カザフスタン経由→ウズベキスタンへ

ウズベキスタン

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キルギスタンの田舎でのホームステイを終えて、ビシュケクに戻ってまいりました。ここで無事にウズベキスタンビザ(*2018年現在は必要ないはず)とイランのビザを取得し、中央アジアを横断します。

カザフスタンは15日以内の滞在であればビザ必要なし、5日間以上滞在するなら滞在登録が必要とのこと(*2016年時点)。どうせなら5日間でもカザフスタンをのぞいていこうかな?と考え、キルギスタンからカザフスタン経由でウズベキスタンに向かいました。

旅したルートはこんな感じです。

キルギスタンのビシュケクからカザフスタンのタラズへ

はて、どのルートでキルギスタンからウズベキスタンに行こうかなーと迷っていた時、せっかくだからカザフスタンを少しのぞいてみようという考えが頭に浮かび、ほんの少しだけ滞在してみることに。

しかし時期は真冬の12月。ここでも地面は凍り付き凍えるほど寒いのに、これ以上北の寒い場所には誰が頼んでも行きたくない。そこでカザフスタンの最南端国境沿いを移動し、ウズベキスタンに入国することにしました。

カザフスタン入国につき日本人は15日以内ならビザ不要、5日以上の滞在なら滞在登録が必要とのことでした。滞在登録をわざわざするのもめんどくさいので、5日以内にカザフスタンを出国し、ウズベキスタンに入国する計画。

キルギスとカザフスタン間の国境を何の問題もなくスムーズに抜け、カザフスタンへ入国。どこに宿泊するかはまったく決めていませんでしたが、とりあえず国境の町から西のタラズ方面に向かってヒッチハイク開始。ノープランの旅。

良い人に巡り会えることを願いながら、ヒッチハイクを開始して15分。何でこんなに出会いに恵まれているのかわからないのですが、1台の車が止まる。「Are you Japanese? I’m working for JT which is Japanese company.」

こんなことってあります?知らなかった、あの「ひとのときを、想う。JT」の「日本たばこ産業」がカザフスタンに進出しているとは。どうやらいつもJTの日本人社員の方に良くしてもらっているみたいで、日本人ならばと車に乗せていただきました。

さらにさらに彼の友人で「JT」に努めている友人がタラズに住んでいるから、今夜はそこに泊めてもらえるということになりました。本当に人の出会いって、とんでもなく偶然で素敵です。

タラズへ到着すると彼の友人ラウアンと奥さんがわざわざ待っていてくれました。「ようこそカザフスタンへ!」と言って部屋に案内してくれます。ふかふかのベッドに暖かい部屋!

滞在中は食事もすべて私のために用意してくれました。さらに彼はタラズの町中を見せてくれ、おいしいカザフスタン料理が食べられるレストランに連れて行ってくれ(全部奢ってくれた)、なんと次の目的地に行くバスのチケットまで買ってくれるという。

どうして見ず知らずの人にこんなに親切にしてくれるんだろう?日本人も旅をしている外国人にこんな状況で出会えば、同じように「おもてなし」しているのかな?
PS: 日本をヒッチハイクで旅した人々に聞くと、嬉しいことに日本でも同じような事が起こっているそうです。

ラウアンに「何でこんなに良くしてくれるの?」と尋ねてみると、「あなたは日本から来たゲストなんだから当たり前だろう」と。どうやら彼らにとってこの5つ星の「おもてなし以上のVIP待遇」は、ごく当たり前の事のようです。ありがとうラウアン!!

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シムケントで寿司を食べ、カザフ風ヘアースタイルに変身

ラウアンに感謝と別れを告げ、カザフスタンのシムケントにやってきました。この町では幸運にもカウチサーフィンでホストを見つけることができました。ホストしてくれた方の名はアリヤさんです。

シムケントはこれといって特別な何かがあるわけではないのですが、彼らのおかげで大変楽しい滞在ができました。まず忘れてはならないのが、ここで今までに挑戦したこともないような斬新な髪形を手に入れたこと。

彼女の家族は美容院を経営していて、長く伸びてきていた私の髪の毛を見て、カットモデルとして無料でいいから髪の毛を切ってくれるというのです。「どんな髪形にしたい?」といわれ、「おまかせします。カザフスタンスタイルでおしゃれなやつにしてください!」

そして翌日指定された時間に美容院へ。髪の毛を切ってくれたのはウズベキスタン出身の女の子。まだそんなに慣れていないのか、アリヤのお兄さんが時々切り方を教えながらの散髪でした。最後に彼が仕上げをしてくれて完成したのがこれ。

「似合ってるよー!」ともてはやされ、これでカザフスタンのイケてる髪形に変身?

そして彼らはその晩お気に入りの寿司レストランに連れて行ってくれました。カザフスタンでも近年寿司はかなり人気が出てきているようです。久しぶりにお寿司を食べたので、感激でした。まさかカザフスタンのような内陸国で寿司が食べれるとは思っていなかったので。

翌日は彼らがおいしいカザフスタン料理を振る舞ってくれました。カザフスタンは5日間と短い滞在でいたが、人当たりもよく、感じの良い人ばかりに出会い、次回は長期で広大な国土があるカザフスタンを旅をしてみたいなーと考えています。

タシュケントに到着 入国前と出国時に注意が必要なこと

お世話になったシムケントの家族と別れ、タシュケントに向かいます。国境ではポルノ画像や写真を持っていないかパソコンをやカメラをチェックされたり、手続きで注意が必要という情報でした。

国境に着くとウズベキスタンに向かう人で長い列ができています。これは長時間待たなければならないなーと思っていると、警備員が私の姿を発見し、「外国人か?こちらに来なさい。ここに並んで」といって、長蛇の列を一気にすっ飛ばし最前列へ。

予想していたパソコンやカメラのチェックもなく、必要書類に記入し簡単に入国。思わぬVIP待遇を受け、気が抜けるほど簡単に済んでしまいました。

タシュケントは近代的な都市。ソビエト時代からのコミュニストスタイルの建物、近代的な建物、美しいブルーモスクが混ざり合う都市でした。ウズベキスタンといえばイスラム教の国というイメージが強いかもしれませんが、タシュケントでは女の子もスカーフを頭に被っていない人々がほとんどでした。

ここでウズベキスタン入国前に注意しておくことを紹介します。1つ目は、USドルの取得です(キルギスタンのATMで引き出せます)。なぜならウズベキスタンではATMの数が少ない上に、あっても現金がなく、キャッシングが難しいからです。
PS: ウズベキスタン以降、イランに渡航する予定のある方。イランでもATMから現地通貨は引き出せませんのでUSドルを取得しておくことをおすすめします。

さらにウズベキスタンの通貨であるスムは、政府の公定レートで$1≒3500スムとされていましたが、バザールでできる闇レートでは$1≒8000スムと、とんでもない差があったのです。国内通貨に対する信用の低さがこのような闇レートを生み出していました。これを知らなければ両替で倍以上も損することになります。
PS: 2018年8月の時点では闇ルートが廃止され、銀行でも$1=8000スムで両替できるようですので、もう無駄な心配はいりません。

闇両替は違法ですが、公定レートで両替しないのが当時は普通でした。警察の目をかいくぐって、こそこそバザールに両替しに行ったのが懐かしいです。当時は高額紙幣もなく、$100を両替すると大量の札束になり、財布で持ち歩けないので、ビニール袋に入れて持ち運んでいました。

当時は下記の写真のような普通の果物屋さんに見える人たちが、闇両替をしてくれていたんです。

さらに注意が必要なのが宿泊証明(レジストレーション)の問題です。

ウズベキスタンに72時間以上滞在する外国人は、滞在登録を行うことが必要です。ホテルに宿泊する場合、ホテル側が滞在登録の手続きを代行することとなります。チェックイン時に必ず滞在登録を依頼し、登録の証明としてホテル名や滞在日が記された紙片を渡されますので、出国審査まで大切に保管してください。
観光査証での入国者は、ホテル以外での滞在登録はできません。

入国後72時間以内の滞在登録を義務義務付けられていますが 前日の滞在登録がない場合、ホテル等から宿泊を拒否される場合がしばしばあります。入国後は速やかにホテル等にて滞在登録を行って下さい。なお、夜行列車等で移動される方は同列車の切符等を保管してください。
滞在登録を怠った場合や、登録期間を超過してしまった場合、滞在登録先以外で宿泊した場合には、国外退去処分又は高額な罰金を課せられますので注意してください。

出典: 在ウズベキスタン日本国大使館 http://www.uz.emb-japan.go.jp/jp/visa-tourism/updated-consul/taizaitoroku.html

観光ビザで入国すればホテル以外には泊まれない?野宿もできないし、カウチサーフィンもできないという事です。そんなの嫌だ。情報をチェックすると空港で滞在証明の提示を要求されトラブルになった旅人もいるとのこと。

私は結局このルールにビビりつつもカウチサーフィンで滞在証明無しで、リスクを承知で民家に宿泊させてもらっていました。そしてウズベキスタンからカザフスタンに陸路で出国する際、まったくチェックされませんでした。この件については何とも言えませんが…チェックされなかったという事実だけお伝えしておきます。
PS: 陸路でなく空路で出国する際は、チェックされることがあるみたいですのでご注意を。

上記のような、少し旅を楽しむのに複雑な事情はありますが、絶対に来る価値のある国です。人々はすごくフレンドリーで優しく、街を歩いていれば声を掛けられ、自宅や結婚式に招待を受けることもしばしば。美しい歴史建築物があなたを待っています。

そして何と言ってもご飯が美味しかったです。羊肉の串焼き「シャシュリク」やウズベキスタン風炊き込みご飯「プロフ」。ご飯を食べに来るだけのみにウズベキスタンに来ても良いぐらいです。

おわりに

タシュケントに数日滞在した後は、ヒッチハイクで移動しながら古代都市サマルカンドに立ち寄りました。その時のことはまた次回の記事で。

ウズベキスタン シルクロードのオアシス都市「青の都」サマルカンド
さーてタシュケントからヒッチハイクで無事にサマルカンドにやってきました。サマルカンドはかつてのシルクロードのオアシス都市。乾燥した気候特有の透き通るような空の青と、美しい青色をした建築群から「青の都」と呼ばれています。 ここで何とキルギスタ...

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コメント

  1. […] ただの旅人なのにVIP待遇を受けながら、キルギスタン→カザフスタン経由→ウズベキスタンへ […]

  2. らいら より:

    ゆっくりと、何というか、呼吸をするように旅をしているようで、不思議な感じがします。ゲストハウスを開業するのはまだまだ先なのでしょうか?

    中央アジア各国で、言語の違いは感じましたか?タジキスタン以外はテュルク系言語ですが、例えばキルギスとウズベキスタンでは聞こえてくる言葉は随分違いますか?

    • Tomoya より:

      @らいら
      コメントありがとうございます。各地に飛ぶようにいどうするより、地味にゆったり旅するのが大好きです。旅中に向かってきたものは自然の流れにまかせて全て受け入れています。キルギスタン、カザフスタン、ウズベキスタンでは言語はかなり似ていると思います。例えばキルギスタン語で「いいね」という意味の「ヤクシェ」という言葉がウズベキスタンでは「ジェクシェ」になったりしました。ゲストハウスの開業はまだまだ先になりそうです。10年以上も後かもしれません(笑)

      • らいら より:

        教えていただきありがとうございます。やはり中央アジア各国は言語的には近いのですね。

        実は10-15年以内に中央アジアへ語学留学をしたいと考えています(50代で留学という、かなり無謀な計画です)
        1-3ヶ月ウズベキスタンでと考えていたのですが全く情報が無く、お隣のキルギスは1年プランがあったので迷っていたのです。

        まだまだ先の話なので状況が変わるかもしれませんし、キルギスも候補に入れようと思います。

        私の中では旅=人との出会いと別れです。幸い人に恵まれて、助けてもらったりアドバイスもらったり。心配してもらえるのは本当に有難い事ですね。

        お体大切に、アルゼンチンでのワーホリを満喫してください。

        • Tomoya より:

          中央アジアでの留学のアイデア素晴らしいですね!キルギスタンではトルコやインドなど各国からの留学生がたくさんいて驚きました。キルギスタンに駐在されていたJICAの方とのつながりもあるので、よろしければ連絡いたしましょうか?ウズベキスタンでも日本語学校があり、日本人をボランティア日本語教師として受け入れている語学学校を知っています。

          • らいら より:

            わあ、ありがとうございます。私が留学するのはまだまだ先ですが、その時は協力をお願いするかもしれません。

            それと、今から10-15年後、50代での留学を素敵なアイデアと言っていただけて本当に嬉しかったです。ありがとうございます。

            キルギスは留学生が多いのですね。それは心強い。
            中央アジアは子供の頃から憧れている地域なので本当に楽しみです。

          • Tomoya より:

            いつでも連絡お待ちしています。私も50代になっても、もっと学びたいという気持ちを失わないように生きたいと思います。ちなみにこれがウズベキスタンNoriko学級のFacebookページのURLです。https://www.facebook.com/norikouzb/
            短期間でも訪れてみられてはいかがでしょうか 🙂

  3. […] ただの旅人なのにVIP待遇を受けながら、キルギスタン→カザフスタン経由→ウズベキスタンへ […]

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