モンゴルの旅 (3) モンゴルの道なき道をヒッチハイクで行く

モンゴル
ヒッチハイク中によく見かける光景

ムルン近くの丘から

トナカイと共に暮らす遊牧民ツァータンの人々とも出会った。

ツァガヌール村ではモンゴル人の家庭にホームステイもさせてもらった。

さて次はどうしたものか。

どうやらもうすぐカザフスタンにほど近いウルギ―という町で、鷹を使って狩りをするイーグルハンターが集う「ゴールデンイーグルフェスティバル」が行われるらしい。

そこでモルンからウルギ―までモンゴルのど真ん中をヒッチハイクで突っ切って行くことにした。

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モルンからウリヤスタイまでの道

モルンからヒッチハイクでウルギ―まで行ったルートはこちら。

モンゴルでは自分で馬を買って旅をする人もいるぐらい。

その人達は言う「馬に食べさせる草ならどこにでも生えているし、キャンプできる場所もいくらでもある。」

その人たちに比べればヒッチハイク何てたやすいことだろう。

「舗装はされてないけど道はある。車も2時間に1回ぐらいは走っている。」

日本と違ってモンゴルの道路は本当に主要な町の間の車道しか舗装されていない。

ましてや、めったに人が通らない田舎道なんて、草原の中を車の通った後があるだけ。

ウリヤスタイはモンゴルでも決して小さい町ではないにも関わらず、そこに続く道路はまったく舗装されていない。

モンゴル 田舎の車道 ウリヤスタイに続く道

大草原の中を歩きながら、車が来ればヒッチハイクをするというスタイルで行く。

モンゴルの美しい自然の中を歩くのは楽しいけれど、あまりにも車が少なく、気がつけば3時間以上歩いていることも。

歩き疲れたら、草原に寝っ転がって本でも読みながら辛抱強く車を待つ。

歩いているといきなり川が道路を寸断していて、裸足になって川を渡らなければならないこともしばしば。

川にかかる橋も壊れていて、車でさえも川の浅いところを走って渡らなければならない始末。

凍えながら徒歩で渡った川

ブォ――という音が遠くから聞こえたり、砂煙が遠くに見えたら車がくるサイン。

このチャンスを逃してなるものかと、大げさなジェスチャーをしたり、飛び跳ねたりして車に止まってもらう。

「日本人か?何してるんだ?そんなとこ歩いているとオオカミに襲われるぞ」と脅されたりする。

道は本当にガッタガタのガッタガタ。まるで四駆専用のダートロード。揺れていないことがない。

たまに後部座席で跳ねすぎて、天井で頭を打ったりもする。

そのためモンゴルの人に人気なのはとにかくタフな車。

特にトヨタのランドクルーザーは大人気で日本からの中古車が元気よく走り回っている。

モンゴルでヒッチハイク

モンゴルでのヒッチハイクは基本的にお金を払うのが常識。

運転手もお金を払ってくれるものと思い乗せてくれるので、払うつもりがないなら事前に伝えて交渉しないと後でトラブルのもとに。

私もモンゴルではお金を少し払って乗せてもらっていた。

田舎道で一台逃すと次の車がいつ来るのかわからないし(笑)

たまたま乗せてもらった車の運転手が、日本語を話せる人だった事もあった。

日本の大学で勉強していたらしい。こんな奇跡のような出会いもあるからヒッチハイクは面白い。

今度ウランバートルに来たらぜひ家に寄ってくれって言われたけど、また行けたらいいなー。

車は途中で大きく轍をそれて丘を登っていく。休憩のためにゲル(モンゴル式テント)に立ち寄るという。

あーそうか。知り合いの人のゲルに行くのかと思いきや、まったく知らない人のゲルらしい。

そんなことできるんだ。

何とモンゴルのルールで、ゲルのドアが開いていればその間は誰でも訪れても良いとのこと。

逆にしまっている間は訪れてはいけないらしい。

モンゴルでヒッチハイク中にゲルで休憩

ゲルの中に入ると、まるで親戚が来たかのように、温かいスーテー茶や自家製チーズ、パンを食べさせてくれる。

自分たちで冬の間に食べる分もとっておきたいだろうと思うのだが、そんな事を気にしていないかのようにありったけのおもてなしをしてくれる。

モンゴルで強く感じたのが、このシェアする文化。

自分のものはみんなのもの。自分が何か持っていたら、みんなでシェアする。

私が何か食べ物シェアすると誰もが遠慮なく好きなだけ食べる。そのかわりにこちらも遠慮する必要なんてないのだ。

この感覚が何となく心地よかった。

結局ムルンからウリヤスタイに到着するのに3日もかかった。

季節は秋から冬への移り変わりの時期、9月末だった。

トーソンツェンゲル近郊でキャンプしたときには雪がちらつき、冬用の寝袋を二つ重ねにしてテントで眠った。

トーソンツェンゲルはモンゴルでも一番寒くなる場所らしく、早朝テントで目が覚めペットボトルを見ると水が凍っていた。

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ウリヤスタイからウルギ―まで

ガタガタの道を越えて、何とかウリヤスタイに到着。

ここでモルンで出会ったクレメント(フランス人)と再会した。

クレメントはモルンのゲストハウスでボランティアをしており、その時に出会った。

その後一緒にバーでビールを飲んだりしているうちに意気投合し、連絡をとり続けていた。

モンゴルでは英語が喋れる人が極端に少なく(ロシア語を話せる人は結構いる)、互い少し孤独を感じていたので、一緒に旅をすることにした。

ウリヤスタイからアルタイに向かうために一緒にヒッチハイクをする。

ヒッチハイク中によく見かける光景

この先、アルタイに続く道も舗装されているような感じには見えない。

30分ぐらいヒッチハイクをしていると、我々を見かけたおじさんが「こんなとこからアルタイに行く車はないぞ。」と言ってきて。

我々は「それはいつも言われていること。でも何とかなるものなんです。」

でもここは何か様子がおかしい。まったく車が通らないし、反対側からも車が来ない。

地図をチェックすると、この道しかアルタイに行く道はないはずだし。

結局、一日目は午後から一日中待っても車が現れず(笑)

夕方になると、かわいそうに思った近くに住むモンゴル人一家が家に招待してくれた。

やっぱりモンゴル人優しい。

こんな見ず知らずの旅人を助けてくれてありがとう。

歓迎してくれたモンゴル一家

食事までご馳走になった

二日目は早朝からヒッチハイクを開始。

数時間待ってやっと車が来て、運よくアルタイまで行くというので同乗させてもらった。

お世話になった家族と抱擁をかわして、さよなら。

もう慣れてきて当然のようになってきたガタガタの道を越えて、アルタイに到着したときはもう18:00頃で暗くなり始めていたが、ダメもとでヒッチハイクすることに。

なぜなら明日中にウルギ―に到着しないと、ゴールデンイーグルフェスティバルに間に合わないから。

こんな時です。奇跡って起こるんです。

昨日は一日待ってもだめだったのに、何とヒッチハイク開始10秒で一台の車が止まった。

ウルギ―出身の若い男女のグループでゴールデンイーグルフェスティバルをきっかけに故郷に戻るところだという。

これぞ奇跡!

都合のいい時だけ神に祈るような私にも奇跡って起こるんだ。

このまま真夜中になっても車は走り続け、翌朝にはウルギ―に到着した。

もう二人ともへとへとだったが、ウルギ―に到着して歓喜のおたけび。

ウルギ―到着!

おわりに

モンゴルの田舎道をヒッチハイクするのは大変でしたが、思わぬモンゴルの文化を知ったり、人々のやさしさにふれ、面白い体験でした。次回旅するなら夏にモンゴルに行きたいなー。10月の初旬でもう雪が降るほど寒いし。次回はモンゴルの旅最終章、ゴールデンイーグルフェスティバルとウルギ―近郊でキャンプしたときの事を書きます。

モンゴルの旅 (4) ウルギ―の絶景とゴールデンイーグルフェスティバル
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コメント

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