[インド] 南インドの旅を思い出してみる(3) 聖なる巡礼地カーニャクマリとラーメシュワラム

生温かい風に吹かれながらの南インドの旅。遂にインド最南端のカーニャクマリ(コモリン岬)にやってきました。ここはヒンドゥー教の人々にとって神聖な巡礼の地。

その後は東へ移動しラーメシュワラムへ。こちらもヒンドゥー教の4大聖地の一つだそう。ヒンドゥー教徒でもないのになぜか聖地巡りになっている。ヒンドゥー教の人々に嫉妬されるかも。

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3つの海が交わる場所で日が昇り、また沈む ヒンドゥー教巡礼の地カーニャクマリ

インド亜大陸最南端にある街カーニャクマリ。ヒンドゥー教徒の巡礼地でもあるが、かつてはコモリン岬と呼ばれ中世から船乗りたちにとって重要な目印となってた場所でもある。

「ここがインド最南端の街か」と、これまでの旅路を感慨深く思いながらカーニャクマリの街を歩きまわってみる。日差しが強い。

巡礼地といっても地元住民は漁業で生計を立てている人が多いのだろうか。街にはボートがたくさんあったり、漁獲用の網があったり、漁師たちの姿を多く見た。

街の路上では男たちがカードゲームで遊んでおり、女性たちは見たことのないボードゲームで遊んでいる。これがカーニャクマリの女子会か。

これといって見所があるわけじゃないカーニャクマリの街だけれど、その一角にカラフルな通りがあって、目を惹かれた。

海辺を歩いていると、海に突き出すようにのびた桟橋を発見。海風に吹かれながら桟橋を歩き、その上から写真を一枚。

後方の美しい白い建築物は教会。ヒンドゥー教の聖地でありながら、教会の周辺にはキリスト教の人々も暮らしている。

この街で一番印象的であったのは、アラビア海とベンガル海、インド洋が交わる海に登る朝日と夕日の美しさ。

日の出と日の入りの時間にはヒンドゥー教の巡礼者たちも集まり、美しい光景を眺め、祈る。そんなたくさんの人々の中に中に混じっていると、こちらまでもが神聖な気持ちになってくるから不思議でした。

人々が同じ物語を強く信じる時、そこには強大な力が生まれ、その物語が急に真実味を帯びてくる。

太陽が昇ってくる方向には、インドの有名な宗教家ヴィヴェーカナンダが瞑想したといわれるヴィヴェーカナンダ岩と、有名な詩人ティルヴァッヴァルゾウの像が。

日が昇ると最初あまりの美しさにざわめきが起こり、その後はすっと静かに。

そしてまた夕日の時間にも同じ場所に立ち寄ってみました。朝日の時間と同じようにカラフルな衣装を身にまとった人々が。今か今かと日が沈むのを待ちわびています。

子供達の笑い声、チャイを売りに来る物売りの声が、人々が今日も幸せを願って生きている声が聞こえてくる。

静かに祈る人、海で沐浴する人、それぞれが様々な思いを沈んでいく太陽に託しているのでしょう。

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ヒンドゥー教の4大聖地 ラーメシュワラム

カーニャクマリから東に280kmほどの距離に、ヒンドゥー教の4大聖地の1つであるラーメシュワラムがあります。ここからスリランカは目と鼻の先にあります。

ラーメシュワラムに来る巡礼者たちの目的地は、ラーマナータースワミ寺院。4大聖地のうちの1つであることから、ヒンドゥー教徒にとって非常に重要な場所であるそう。

この寺院の正面入り口前には海が広がり、またヒンドゥー教徒のための沐浴場のようにもなっています。ここでは巡礼者たちが儀式を行い沐浴をしている。

また数頭の牛が歩き回っており、頭に花を飾ってもらったり、ゴミを漁ったりしていた。ヤギもお供え物目当てにブラブラと歩き回っていた。

彼らは一体どんな気持ちでこの地で暮らすのだろう。知る由もない。

巡礼地を見届けた後、思い立ってスリランカ方面へと伸びた半島方向に行ってみた。目的地はダーナシュコディという場所だが、浅瀬をバスで走り抜けていくのが気持ちよかった。

ダーナシュコディは漁師の村。しかし、1964年に発生した巨大なハリケーンで村は壊滅。廃墟と化した建物や教会の跡が物悲しく残されていました。

しかしまた新たにこの場所に暮らし始めている人もいるようで、観光客用のお土産屋さんなどの他に、人々が暮らしているような建物もありました。

ダーナシュコディに来るためというよりは、海沿いを走るバスが景色もきれいで楽しいので、それだけでも来る価値があると思います。海もきれいです。

再びラーメシュワラムの街に戻り、ブラブラと歩いていると、家の玄関前に鮮やかな絵が描かれていることに気づきます。こんな感じの絵です。

これらの美しい絵はコーラムと呼ばれ、南インドではよく見かける風景だそう。インドではこうゆうストリートアートが流行っているのか?と思っていましたが、違いました。

これはヒンドゥー教徒の女性による宗教上の慣習で、毎日日の出前に水で地面を洗いコーラムを描くことで、魔除けのような効果があるそう。

そしてコーラムのデザインは、母娘から母娘へと代々受け継がれていき、家系によって違う模様なのだとか。思わず見とれてしまいます。

毎朝家族の幸せを願って描かれる紋様は、楽しく鮮やかで、優しいエネルギーに満ちているような気がした。

おわりに

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