[ナミビア] 首都ウィンドフックから絶景のナミブ砂漠へ

スピッツコッペを離れた後は、ナミビアの首都ウィンドフックへ。

西アフリカから旅してきたなかで一番清潔な街でシティライフを堪能した後は、再びナミブ砂漠へ。

巨大な砂丘、同じ地球とは思えないような風景に感動するのだった。

ナミビアの首都ウィンドフックへ

サバンナが広がるナミビア中央部を、首都ウィンドフックへ向けて走る。

街が近づいてきて、最後の坂の頂上から高層ビルが建つ街の中心部が見えてくると、その立派な近代的な姿に不思議な感じがする。

これまで通過してきた壮大な自然が広がる野生的なナミビアのイメージからは、うまく想像できないような光景だったからだ。

街は清潔でゴミもほとんど落ちていない。

交通渋滞もなく、首都といえど他のアフリカの首都で経験したような大勢の群衆による喧騒や混沌は一切ない。

標高1600mに位置するという事で、日差しは強く暑いのだが、ナミビアの中では涼しいという。

美味しいコーヒーを飲めるカフェも点在し、しばしの間ヒッチハイク旅から休憩するのにはピッタリの街だ。

実際に今もカフェでコーヒーを飲みながら、この記事を書いている。

ウィンドフックでお世話になっていたのは、タップとミシェルのカップルのお宅。

タップはナミビアで音楽活動をしていて、海外でツアーもするほどの才能のあるミュージシャン。

アフリカの伝統音楽と現代の音楽がミックスされた彼の音楽はめちゃくちゃかっこいい。

ありがたい事に彼はウィンドフックの街を案内してくれて、自分一人では絶対に行かないような場所にも連れて行ってくれた。

まずはウィンドフックのパノラマ風景をどうぞ。

写真1枚目の美しい教会は、ウィントフック中心部の丘に建つクリストゥスキルヒェ。ドイツの植民地時代の1910年に建設され、現在では街の象徴のような存在。

教会のすぐ近くにある独立博物館の最上階より撮影。

2枚目は街の中心部にあるホテルの最上階から撮影。

アフリカと思えないような近代的な景色だ。

ちなみに同じ教会と独立博物館を一緒に撮影したのがこちら。

独立博物館もユニークなデザインをしています。

ウィンドフックの街の中心部は下の写真のような感じ。

高層ビルが立ち並び、いくつもショッピングモールがあり、街を歩く人々も多国籍のように感じる。

ここならアフリカといえど、なかなか快適な暮らしができそう。

ただ依然と比べて安全とは言えない街になってきていると、現地の人は話す。

家に強盗に入られてという話はよく聞くし、夜中に街を歩くのは特に街の中心部から離れると危険だという。

また面白かったのが通りの名前。こちらはロバート・ムガベ通り。ジンバブエの元独裁者の名前だ。

他にもフィデル・カストロ通りやネルソン・マンデラ通りなどもあるという。

街を歩き回った後にタップが連れて行ってくれたのが、ロケーションと呼ばれる低所得者層の人々が住む地域にあるカパナ(ナミビア風バーベキュー)の屋台。

新鮮な細かく切った牛肉を炭焼きでグリル。これがめちゃくちゃ美味しい。

近くで玉ねぎとトマトのサラダと揚げパンを売っているお店もあって、肉と合わせて食べるのが最強。

屋台の周りには大勢の人が集まっていて社交の場にもなっている。

3週間以上もナミビアに滞在していて、どうして今まで知らなかったのかと疑問だが、とにかく来れてよかった。超おすすめ。

夕方からは、ウィンドフックで開催されていたアートフェスティバルに参戦。

タップもオープニングセレモニーで演奏するというので連れてきてもらった。

やっぱり首都はこういった文化的なイベントがたくさんあるのが楽しいね。

ナミビア北東部に伝わる伝統的なダンスや、ビルの壁面にプロジェクターでビジュアルアートが映し出されたりと、小規模だが楽しいイベントだった。

そして締めくくりはタップのお気に入りだという”Mint”と呼ばれるカラオケバーへ。

毎週水曜日には大規模なカラオケ大会が開かれており、会場は大盛り上がり。

日本のカラオケを想像していると全然違う。会場の奥にステージがあり、そこで知らない大衆の前でカラオケをするのだ。

下手くそな人も上手な人も、それぞれが楽しんでいる。最高なのが、人種が入り乱れて、みんなで盛り上がっているところ。

観客も自分がステージの上にいなくても一緒に歌って盛り上がっている。会場の一体感がすごい。

カラオケをしなくても、ただ他の人がパフォーマンスをしているのを見ているだけで、めっちゃ面白い。

もし水曜日にウィンドフックにいることがあれば、ここはナミビアのナイトライフを知るうえで絶対に行ったほうがいい。

さぁ、これでまたナミビア南部へヒッチハイク旅をする準備ができた。

ナミブ砂漠へ 巨大な砂丘と、同じ地球とは思えないような風景へ

ナミビアの首都ウィンドフックを離れ、再びヒッチハイクの旅を開始。

目指すのはナミブ砂漠の中央部の砂丘が広がるエリアであるソーサスフレイ。

誰もがレンタカーを借りて訪れる中、私はヒッチハイクで。

次々と世界各国の旅行者の車が目の前を通り過ぎる中、地元の人がピックアップトラックの荷台に乗せてくれたりする。

低木がポツポツと点在するだけの風景の中の砂利道をナミブ砂漠がある奥地へと進んでいく。

ナミビアの主要道路以外でのヒッチハイクには大量の水が必須。大きな木々が限られているので、強い日差しから身を守る場所も少なく、民家も極端に少ないので、水を補給できる場所も限られているからだ。

道路沿いに唯一あるのは、行先を表示した看板が作る僅かな影。頭が影に隠れるように、そこにとどまりながら、たまーに通り過ぎる車を待つのみ。

あまりに暇すぎてポッドキャストにダウンロードしたラジオを聞きながら。

最後はドイツ人の旅行者サーシャが乗せてくれて、幸運にも何とか一日でウィンドフックからセスリエムというナミブ砂漠の玄関口となる村まで辿り着くことができた。

ここセスリエムからナミブ砂漠の奥地に進むためには、国立公園入り口にあるゲートをくぐり入場料を払う必要がある。

またゲートがある場所から、実際に砂丘のある場所までは70kmほどの距離があり、車無しで辿り着くのは不可能。

「この先もまたヒッチハイクですか…ここで誰かを見つけるのは中々の仕事になりそうだ…」と考えていると、サーシャが一緒に行くことを勧めてくれた。何という幸運。

彼は国立公園内のキャンプ地に泊まり、私は外で野宿。翌日の早朝にゲートで出会う約束をして、その日は別れた。

その日はゲートの目の前にあるガソリンスタンドでテントを張らせてもらおうと思っていたのですが、白人初老のオーナーに頼んでみると。

「俺はサイクリストや無料で泊まろうと思ってる奴らは大嫌いなんだ。だからここには泊めない。この地域では野宿も禁止されていて、警察も見回りに来るから見つかれば罰金だぞ」と(笑)

「はぁ…そうですか」と思って、外に出るとガソリンスタンドで働いている気の良さそうな若者に出会う。

彼に事情を話すと、「それはバカみたいな話だな。それだったらガソリンスタンドでは無理だけど、向こうの道路脇で野宿するといいよ。警察なんだのって話は、あいつがでっち上げた嘘話さ。水が必要だろ?ペットボトルを二本分持ってくるよ。」と。

本当に色んな人がいるから面白い。

ただその日の夜は風が強くてテントの設営も大変だったし、ファスナーが閉まらないテントの入り口を洗濯ばさみで止めて何とか使用しているのだけれど、それが強風で何度も開いて、ほとんど寝られない夜を過ごした(笑)

そして強風で煽られた砂がどんどんとテントに入ってきて、気づけばテントの中に小さな砂丘ができあがっていた。

翌朝はさらなる強風でテントもきちんとたためずに、ぐしゃぐしゃにテントを抱えたままそのままサーシャに会うためにゲートへ。

昨夜の出来事を話して、それを笑いながら遂にナミブ砂漠の奥地へと向かう。

サーシャは何度もナミビアに訪れたことがあり、ここソーサスフレイにも3度ほど訪れたことがあるという。

セスリエムからソーサスフレイまでの風景も圧巻。道路の両側に広がっていた砂丘がどんどんと近づいてくる。早朝だからかオリックスの姿も確認できた。

車を駐車場へ停め、さっそく砂丘へ。あまりに強風で舞い上がった砂が顔や体中に当たって痛いほど。

目指すのは周辺で一番高いと言われる標高325mの高さあるビックダディと呼ばれる砂丘へ。

今日はまだ誰も登っていないらしく、我々が最初。波打った模様がある砂丘に足跡を残しながら歩いていく。

砂丘を歩くのは簡単でない。足が砂に埋もれながら、一歩一歩が重い。

そしてとにかく風が強い。油断すると吹き飛ばされそうなくらい。

それでもそのおかげで暑さはあまり感じない。

ビッグダディ砂丘の頂上に辿り着くと、そこには今までの人生で見たこともないような景色が広がっていた。

延々とどこまでも続くかのような砂丘の姿。

これまでも他の国で砂漠は見たことがあるけれど、ここは特別だ。

ビックダディ砂丘の頂上から見えて気になるのは点在する地面が白くなった部分。

この地域は今では砂丘が広がる砂漠だが、かつてはかなり湿潤な気候だったという。しかし、時間とともに気候が乾燥し、降水量が減少したことで、かつて存在した湖や川が消失。

その結果、塩分やミネラルが濃縮された塩分の多い土壌が残されて白く見えるのだという。

ビックダディ砂丘の頂上から、その白い大地へ一気に下る。

そして登ってきた砂丘を見上げると…まるで砂の壁。

こんな所まで登ったのか…

この不思議な白い大地を歩いていくと、そこにはさらに不思議な光景が広がる。

砂丘を背景に、白い大地に枯れた木々が時代に取り残されたように佇んでいるのです。

かつては水が豊富であった大地。しかしこれらの木々は気候変動による極端な乾燥により枯れてしまう。

それらの木々が現在でも同じ場所で立ち続けている…

だがなぜ木々は腐らないのだろう?という疑問が浮かぶ。

腐食しない理由としては、この地域は非常に乾燥しており、湿度が非常に低いため、木材が腐敗する微生物の成長や活動が抑制されるということが考えられる。

通常、木材が腐るには湿気や水分が必要であり、湿度が低く、乾燥した環境では微生物の成長が制御され、木材が腐敗しにくくなる。

さらに、この地域の地面には高い塩分濃度が含まれています。この塩分濃度が細菌や微生物の成長を防ぎ木材の腐敗を防いでいるのだ。

この不思議な光景とともに、ここには何だか不思議な雰囲気が感じられた。

寂しさとか、哀愁とかよべるような、墓場やゴーストタウンを訪れた時のような、何とも儚い気持ちにさせるような雰囲気。

おそらくこんな場所は世界に唯一なのではと思う。観光地としても有名だが、かなりおススメ。

ナミブ砂漠を堪能した後も休憩せずにヒッチハイク。次なる目的地ケトマンスホープを目指したのだが、全然車が来ない…

サーシャに「翌日にC27道路経由で南に向かって車で移動するので、もしよければ一緒に行こう」と誘われていたのだが、今日中に少しでも移動したかったのでヒッチハイクを開始したのだが…

ここからマリエンタル方面へのヒッチハイクは難関を極めて、本当に何もない道の真ん中で完全に孤立。

夕方19:00になって日が暮れてきても、車は来ない…。もう元いた場所に戻ってサーシャと一緒に行くことを決めるが、戻るための車も来ないし、来たとしても虚しく目の前を通り過ぎていく。

夜の20:00、日が暮れてようやく国立公園内のキャンプ場で働くスタッフを乗せた車がヒッチハイクで乗せてくれた。まさに奇跡。

そしてキャンプ場に到着しセキュリティに事情を説明すると、シャワーを浴びさせてくれ、セキュリティ用の建物に泊めてもらえる事に。何て親切な。

翌日は無事にサーシャと再会し、C27道路を南下していくのだが、この道路が絶景だった。

ずっとナミブ砂漠が続くのだが、砂丘や大地の色がグラデーションになって見えて、素晴らしく美しい。

こんな辺境の地でありながら、時々見かけるのがロッジ(宿泊施設)。

こういった秘境の風景の中に、プール付きのとんでもなく高級なロッジがあり、四輪駆動の車を走らせて人々は訪れる。

こうしたロッジを訪れながらナミビアを旅する人々もいる。

中には飛行場がある超高級なロッジもあって、プライベートジェットで訪れる人もいるというから驚きだ。

C27道路の途中でたまに見かけたのが下の写真のような風景。

木の枝に干し草の塊が乗っかっている…なんだこれ?

これは実は鳥の巣。近くで見ると穴がいくつか空いていて、小さな鳥が出入りしていた。

サーシャとはバータという場所まで乗せてもらい、そこでお別れ。

その日はバータで野宿し、翌日はスイス人のおば様二人組がヒッチハイクで乗せてくれた。

彼女たちは、スイスで日本人のガイドをしていた経験があり、それも理由で車を止めてくれたのだろう。

ここも極端に車が少ない場所なので、これはめっちゃくちゃ幸運だった。

そしてまた絶景の中を走っていく。

彼女らとは主要道路のB1上にあるアウスという街まで一緒に旅をした。

別れ際には何とアウスのホテルで美味しい食事を奢ってくれ、スイスから持ってきたというビスケットやコーヒーまで頂いてしまった。何という親切な方々。

ヒッチハイクでは無数の目の前を通り過ぎていく車に絶望する事もあるが、こうして本当に素晴らしい人々に出会えるが交通費を節約する以上のヒッチハイクの醍醐味だと言える。

おわりに

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