[ナミビア] 西海岸で海辺の街を巡り、内陸部の奇岩地帯スピッツコッペへ

ヘンティースベイに別れを告げ、同じく西海岸の街スワコプムンドとウォルビス・ベイを巡る旅へ。

北部とは全く違う気候と、西洋の影響を強く感じる雰囲気の街を訪問した後は、内陸部の奇岩地帯スピッツコッペへと歩みを進める。

西海岸の街 スワコプムンドとウォルビス・ベイ

北部や内陸部から西海岸を訪れると、まず驚くのがその気候の違い。

鋭い日差しが降り注ぎ35度ほどの気温があった北部とは違い、西海岸の街は寒い。

平均最高気温は20度で夜は10度ほどまで気温が下がる。そして風も強い。

まさかナミビアで日本の秋に着るような、分厚いフリースジャケットを身につけることになるとは思わなかった。

スワコプムンドの街の中心部を歩いていると、ナミビアの北部の街と違い、西洋風の建物が多いのに気づく。

それもそのはずでナミビアは、1884~1915年までドイツの植民地であり、スワコプムンドは彼らによって建設された街。

街中に当時から残るコロニアル風の建物が建ち並ぶ。

観光客が多いのも理由だろうが、ナミビア北部の街と比べて白人率も高く、西アフリカを北から南へと縦断してきた身にとっては、「ここは本当にアフリカなのか?」というような感覚になってしまう。

スワコプムンドは、ナミビアの人々にとっても避暑地であったり、観光地でもある。

12月になるとナミビア中から人々が集まってくるのだとか。その前に訪れることができてよかった(人混みは苦手なので)。

この街は中心部から海辺が近いのもいい。

ただ海の温度はめちゃくちゃ冷たくて、海水浴をしてる人は皆無。南極から海流によって冷たい水が流れてくるのが理由だという。

そしてスワコプムンドからさらに南に行くとウォルビス・ベイという街がある。

この街には大きな港があり、ここからアフリカで採れた鉱石などが世界各国へと輸出されていくという。

港の南にはラグーンが広がり、そこにはフラミンゴやペリカンが生息する。

正直言ってウォルビス・ベイの街自体は全く面白くないが、ラグーンは一見の価値あり。

ラグーンからさらに南に行くと塩鉱が広がり、その先には砂丘が広がるナミブ砂漠。

四輪駆動の車がないと砂浜は走行できないのだが、少しでも砂漠の奥に行ってみたくてヒッチハイクを試してみる。

すると止まってくれたのが、海辺に釣りに行くというおじいさんの釣り人。

時間はたっぷりあるので、釣りを見学するついでに車に乗せてもらい、彼の釣りポイントへ。

彼が釣りをしている最中、海を眺めていると何かが海に浮かんでいる。

よく見るとアザラシが気持ちよさそうに泳いでいる。波に乗ってサーフィンをするように泳いだり、ピョンピョンと水面を跳ねるように泳いだりと、まるで楽しんで遊んでいるよう。

陸地からは一匹のジャッカルがテクテクと歩いて登場。犬とキツネのハーフみたいな出で立ち。

別の釣りポイントではアザラシが陸に上がって日光浴中。

近づいていくと胸のヒレを動かして、大急ぎで海へと逃げていく。驚かせてごめんよ。

結局一匹も魚は釣れなくて彼に幸運を運ぶことができず申し訳なかったが、こちらとしてはアザラシやジャッカルが近くで見られたので大満足。

西海岸の街は海も近くて素晴らしいのだが、アフリカらしい体験を探しに来た観光客にとっては数日の滞在で十分だという印象。

個人的には気曇りがちで寒い気候が好きになれなかったので、さっさと内陸部へと歩みを進めることにする。

スピッツコッペ サバンナに突き出た花崗岩の岩山

ウォルビス・ベイから砂丘地帯を越え、スワコプムンドへ戻る。そこから内陸部へと向かい、目指すはスピッツコッペという場所。

スピッツコッペ周辺には、花崗岩の岩山、奇岩が広がり、ナミビアでも有名な観光地。

花崗岩は、1億2000万年以上前のものであるらしく、最も高いピークは海抜約1,728 メートル。

平坦なサバンナが広がる周辺からはとにかく目立つ存在だった。

私は基本的にキャンプする時は、無料のキャンプ地を探してテント泊させてもらうので、スピッツコッペでも探す。

通常なら警察署や教会に頼むのだが、ここには警察署はなく教会にも人が滞在していないという。

しょうがないので、セキュリティのしっかりしていそうで、広い敷地がある家に頼んでテント泊させてもらう作戦。

たまたま学校の近くに見つけた、フェンスに囲まれた大きな木のある家。

家のドアをノックして事情を説明すると、全く問題なくテントを張らせてもらえることに。

「テントの中に貴重品を置いておくのは危ないので、家の中に入れてください」とめちゃくちゃ親切。

さっそくテントを張って、荷物を預かってもらって、奇岩地帯を散策しに行く。

スピッツコッペまで来ると、再び内陸部の暑さが戻ってくる。

強い日差しの中、奇岩地帯を目指してテクテクと歩いていく。あぁ…暑い。スワコプムンドやウォルビス・ベイの気候が懐かしい(滞在中は嫌だったくせに)。

敷地内には巨大な奇岩がゴロゴロ転がっており、その間がトンネルになっていたり、岩の上によじ登ったりと、探検するのが面白い。

スピッツコッペでは、ロッククライミングやボルダリングができたり、さらに奥地には古代の洞窟壁画なんかもあるそう。

個人的にお気に入りのポイントは、岩が空洞になってできた自然の橋。

長い年月をかけて浸食されて、こんな形になったのだろう。自然の神秘。

多くの観光客は敷地内にあるキャンプ地に宿泊し、静かな夜と、満天の星空を満喫するのだそう。

だが日が暮れかかる頃、私は村にある自身のキャンプ地へと戻る。

テント泊させてもらう家に戻って寝ようと思っていると、家のお母さんが「料理を作るから待っててね」と声をかけてくれる。

観光客の泊まるキャンプ地のような静けさや自然の美しさはないが、私のキャンプ地には人情味とナミビアの人の温かさに溢れているのだった。

おわりに

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