[フランス] サヴォワ地方でフランス文化を満喫しながらアルプスをトレッキング

フランス

スイスのツェルマットからフランスへヒッチハイクで移動。スイスでのヒッチハイクは想像以上に簡単で人々はすぐに助けてくれるのがありがたい。

美しいアルプス間の山脈を越え、フランスへ。何と最後のドライバーは「俺も予定がないから、フランスのシャモニー・モンブランまでドライブついでに一緒に行こう!」と予定を変更してまでフランスまで乗せていってくれた。

また山を歩きに、スイスの人々と文化を知りに再訪したいと思わせてくれる国であったスイスに別れを告げ、フランスに入国!

ワークアウェイでアルプスの小さな村でホームステイ

スイスからヒッチハイクで辿り着いたのは、アラビス山脈の麓にある小さな村ラ・ジエット(La Giettaz)。

小さなスキーリゾートがあり、隣の村ラ・クルサ(La Clusaz)の間にある峠道アラビス・パスは自転車・バイク乗りや旅行者に人気の場所。

風光明媚なこの場所で、素敵な家族のためにワークアウェイで簡単な仕事を手伝いながら、ホームステイさせてもらっていました。

滞在先の夫婦で夫のアンドレはパン屋さん。妻のカトリンは食料品店を営む。

だからこそ毎日焼きたてのフランス・パンとクロワッサンが。さらにいつでも豊富に食べられる、フランスの美味しすぎるチーズ。

とても寛大な家族で、食べきれないほどの料理を作ってくれ、どれも美味。

溶かしたチーズを茹でたイモにかけて食べるチーズフォンデュのような料理「ラクレット」など、色んな料理を食べさせてくれた。

二週間との短い滞在でしたが、地元の人々とも仲良くなり、バーベキューに誘ってもらう事も。

ボランティアとして滞在しなければ経験できなかった素晴らしい出来事の数々。

彼らと過ごしていて気づいたのがフランスの食文化の面白さ。

1: 各食事の際に必ずフランスパンがテーブルにある。バーベキューをした時にもフランス・パンがあった。

2: 食後に好みのチーズをスライスしてフランスパンにのせて食べる。

3: 食後のデザートは欠かせない。ここではヨーグルトにブルーベリーのジャムを混ぜて食べるのが定番だった。

滞在中に手伝っていた仕事は主に畑仕事。

働いていた時間は一日最大4時間かそれ以下。「何かもっと手伝いましょうか?」と言っても、「あんたはボランティアなんだから、もう仕事は終わり。フランス文化のバカンスを楽しみなさいと(笑)」

現在フランスのフルタイムの法定労働時間は35時間/1週間。そしてバカンスの文化。あぁ…羨ましい。

有機農業とパーマカルチャーのアイデアでデザインされた畑をお世話してました。

ジャガイモやインゲン豆の収穫、レタスの植え付けに、毎日の水やりなど。

村の周辺はアラビス山脈に囲まれた美しい風景。

アンドレ・カトリン夫妻の子供達と過ごした時間や、仕事終わりに周辺を散歩したりと、懐かしい思い出ばかり。

またいつか戻ってきたいと思える場所が、また増えてしまった。

フランスのアルプス山脈をトレッキング三昧

ホームステイしている最中、一週間に二日の休みがあるので趣味の山登りで周辺を散策。

私が訪れた3ヶ所のトレッキング情報を紹介したいと思います。

1つ目は、ホームステイ先から徒歩圏内であったアラビス山脈。

2つ目は、風光明媚な旧市街と美しい湖が有名なアヌシー周辺にて。

3つ目は、西ヨーロッパ最高峰のモンブラン周辺にて。

1: アラビス山脈 登山客の比較的少ない穴場 静かに絶景の山を楽しむ

ホームステイ先から徒歩圏内にあったアラビス山脈。

仕事終わりに天気が良かった日には、半日で山登りに出かけたりもしていました。

まず紹介するのはアラビス山脈最高峰のPoint Percee(2750m)です。

登山ルートは以下の通り。登山口はLes Troncosから始まり、最後に岩場の急登があります。

登山口からは下の写真のような、森林限界から突き出た荒々しい岩肌を見上げながら登っていきます。

登山口から頂上までは標高差が1500mあるので急登が続き、登りは体力のある人でないと厳しいかもしれません。

途中の山小屋を越えたところから、岩場が続きます。時には直角に岩をよじ登るような場所も。

そして山頂に近づくにつれ雲行きが怪しくなってくる…

無事にホームステイ先の家族の親戚たちと登頂しましたが、曇り空で景色は全く見えず(笑)

晴れた日にはここからきれいにモンブランも見えるそうです。

2つ目に紹介するのはTardevant(2501m)という山。

この山を登った時は天気も良く、モンブランがきれいに見えました。

他の登山口もあるのですが、私が登り始めたのはLe Planという小さな村から。

登山ルートは以下の通り。

登山口からは、まず谷間に流れる川沿いに歩みを進めます。

森林地帯を抜けると、牧草地帯が広がっており、美しい風景の中に牛が放牧されていました。

しばらく歩くと峠道を越えるために急登が続きます。

峠道を越えると、その先にはまた別の谷が!

下の写真の美しい山岳風景の中で先が尖がって見える山頂は、先ほど紹介したPoint Percee(2750m)です。

道中で見かけたのは野生のアイベックス。

そして標高を上げるたびにどんどんと景色が広がってきます。

頂上からはヨーロッパ最高峰のモンブランが、その姿を見せてくれました。

そして360度のパノラマビュー。素晴らしいアラビス山脈の山岳風景。

3つ目に紹介するのがCroisse Baulet(2236m)。

ここからも素晴らしいモンブランと、アラビス山脈の風景を眺めることができました。

登山口は再びLe Planという村から。

道中にはフランスのアルプス地方らしく牛が放牧されており、昔ながらの家に人が現在でも暮らしている。

頂上付近になると、以前に登ったアラビス山脈の山々が見え、山羊や羊が放牧されている姿も。

牛のチーズも美味しいけれど、山羊のミルクからできたチーズも独特の味わいがあって美味。

頂上に到着すると、そこからは再びのパノラマビュー。

モンブランと周辺の山々に広がる氷河まで見渡せるのでした。

アラビス山脈に興味をもたれた方がいれば、ぜひとも訪れてみてください。冬はスキーも楽しいみたいですよ!

2: アヌシー 素晴らしい旧市街をを訪れ、湖を見下ろす絶景の丘へ

アヌシーはフランスのオート・サヴォワ地方、スイスとの国境近くにある美しい街。

そのあまりの美しさから夏には国内外の観光客でごった返す街。

アヌシーは、古代ローマの時代イタリアのトリノとスイスのジュネーブを結ぶ街道筋の宿場町であった。

その後アヌシーは、ジュネーブ家の支配下となり発展していく。15世紀初旬はジュネーブ家からイタリアのピエモンテ出身のサヴォワ家に支配が移り、その後はサヴォワ公国の主要都市として存在した。

その後サヴォワ家からフランス領となり現在まで続くのだが、アヌシーやこの地域一帯ではサヴォワ公国時代の国旗が目立ち、人々はフランスよりもサヴォワに愛着を持っているようだった。


アヌシーの旧市街は歩行者天国になっており、中世の古い町並みが残る。色とりどりの家、美しい花々で飾られた窓辺やティウー運河沿いは素晴らしい雰囲気。

運河に囲まれた美しい街並みが見どころで、旧市街内の小さな路地を探検するように散策するのも楽しい。

写真に撮りたくなるような風景が至る所に。

旧市街から小高い丘の上まで、石畳の坂道を登っていくとアヌシー城があります。

フランスでは小高い丘に城塞があるのは定番の風景のよう。

ここからは、オレンジ色の屋根で覆わた街と湖や山々を一望できます。

アヌシー湖まで足を伸ばすと、そこにも美しい風景が広がっていた。

透明度の高い水、その向こうに続く山岳風景。

湖では多くの人々がそれぞれの時間を楽しんでいる。

さて湖の向こうに見える丘。登ってみないわけにはいきません(笑)

下がアヌシーで私が歩いたルートです。

アヌシーの旧市街から丘の麓まで歩き、そこからMont VeyrierとMont Baronの方向へ。

標高差800mほどの急登を登る事になるのですが、丘の上からの景色は素晴らしい風景でした。

まずは、アヌシーの街と湖を一望できる展望スポット。

そして丘の頂上に辿り着くと、そこからは美しいアヌシー湖とアルプスの山岳風景。

比べるのも何ですが、少し滋賀県の比良山から眺める琵琶湖の景色と似ているような…。

最初の急登は疲れますが、丘を登りきった後には尾根沿いを縦走するような感じで、気持ちの良い尾根歩きが続きます。

アヌシーに立ち寄り、ハイキングがしたくなった方はぜひ!!

3: シャモニー・モンブラン 氷河を抱くアルプス山脈の絶景 シェズリー湖でテント泊

お待たせしました!最後に紹介するのはシャモニー・モンブランでのシェズリー湖でのテント泊登山。

シェズリー湖の美しさ、モンブランを含めた氷河を抱く山々の姿が最高に美しい登山でした。

私が歩いたルートは以下の通りです。

元々テント泊する予定だったので、登山口のArgentiereから歩き始めたのは午後17:00頃。

日が暮れるのは21:00だったので、それに間に合えばいいという計算で涼しい時間を選んで登り始めました。

シェズリー湖に到着したのは19:15頃。大体2時間15分ぐらいかかった計算です。

湖の周辺にはもうキャンプをしている人々がたくさん。テントも30張りぐらいあったのではと思います。

到着後テントを張って、湖の周囲を散策。どこを切り取っても美しい。

時刻は夕暮れ時になり、空がオレンジ色に変わっていく。

この風景が見られるのはテント泊ならではの醍醐味。

夕暮れの時間が終わり、月明かりに照らされる。

天気予報によると、翌朝は快晴だとか。

ちなみにこちらが私のテントと、周辺の風景。

こんな場所でなら、数泊するのも悪くない。国立公園内でテント泊が許可されているのは、厳密には夕方の19:00から朝の9:00までだけですが。

ちなみにこちらが私のテント。もう5年ほど使っているモンベルのテント。色んな道具にガタがきているけれど、旅が終わるまで持ちこたえてほしい。

翌朝…すっきりとした冷たい空気を感じて目が覚める。

薄暗い青色をした空。

そこには、まるで夢のような素晴らしい山岳風景が。

天気も良いのでテントを片付けて、少しづつ標高を上げて次の湖Lac Blancと、その先の峠道まで足を伸ばすことにした。

標高を上げてジェズリー湖を見下ろす。周辺の山々も神々しすぎる。

30分も登らないうちに辿り着いたのがLac Blanc。こちらの景色も素晴らしい。

テント泊でいいのは、まだ他の登山者が登ってくる前に、景色をほぼ独り占めできるところ。

Lac Blancを後にして峠道へと、標高を上げていく。

周辺の素晴らしい景色を眺めながら、現在ここにいることの幸せを噛みしめながら。

標高を上げるにつれ、先ほどまでいたLac Blancもどんどん小さくなってくる。

太陽が昇り、少しずつ周囲にも光が満ちてくる。

そして峠道へと到着。

これまで登ってきた道を振り返ると、美しい景色が違った光と共に存在している。

峠道の向こうには切り立った崖、氷河が谷底までのびる。

頂上からの下山中。嬉しいサプライズがあった。

それは野生のアイベックスとの出会い。

しかもここのアイベックスは人慣れしているようで、ある程度まで近づいても全然逃げない。

この日見た素晴らしい風景も、感じた特別な感情も、すぐに過去になり思い出せなくなる。

いくら旅をして色んな場所を見ても人と出会っても、その瞬間は決して戻ってこない。

だからこそ、瞬間瞬間が決して戻ってこない事を知っているからこそ、過去の経験なんか記憶にしか過ぎないのだから、唯一の現実である瞬間とこの時を精一杯に味わいながら生きること。

そんな風にして生きていけたら。

おわりに

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