もう二週間滞在しているソルビランは静かな山間の村。
食料品や日用品が買えるようなショップもない。
歩き回っても人っ子一人見当たらず、ゴーストタウンのように感じることもある。
ただこの日はまったく様子が違っていた。
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ソルビランでお祭り-前夜祭-
5月11日金曜日いつも通り朝7:00に起きて13:00まで仕事。
花粉アレルギーでくしゃみをしながら草刈り機を使って大量の雑草を除草。
農具を使ってブドウの木の周りに円形の浅い穴を大量に掘った。これは雨水を効率よくブドウに供給するため。
畑仕事は疲れるけれど、体を動かして働くのは気持ちいい。
さて一仕事終わって村に戻ってくると、何か様子が違う。
村の小さな駐車場には車がぎっしり。
いつも静かな村には賑やかな話声が響き渡っている。
こんなにたくさんの人が村にいたっけ?
どうやらこんなにたくさんの人がいるのは、明日ソルビランでお祭りがあるためらしい。
お世話になっているホストのギエルモに聞くと、
「明日はお腹いっぱいおいしいものが食べれるから楽しみしていな」と。
このお祭りのため、普段は仕事で村を離れて別の町に暮らす人々も帰郷しているようだ。
村の至る所では再会を喜びあう家族の姿がある。
この村出身の人々が集まる良い機会だ。
そしてその日の夜。
家の目の前にあるバーに行くと、いつにもましてたくさんの人たちが。
いつもはおじいさん、おばあさんばかりですが、今夜はめったに見ない若い人たちもいる!!
胸に響くような大音量の音楽の中、ビールを飲み、ワインを飲み、ジントニックを飲み、酔っ払って誰でもおかまいなく一緒に踊りまくった。
だけどもスペイン人と体質が違い、眠気に勝てず朝の3:00には退散。
バーでは朝の6:00かもっと遅くまで音楽が鳴っていたので、多くの人が飲み明かしたのだろう。
おかげでうるさくて眠れなかったけれど。
ソルビランでお祭り-チョト食べ比べ大会-
翌日は待っていましたソルビラン村でのお祭り。
村の小さな広場にはたくさんのブースが並び、地面に組まれた薪には火がくべられ、その上には大きな鍋が。
子羊丸ごと一頭がどこからともなく運ばれてきて、細かく切断され、鍋の中へ入っていく。
村で生産されたワインが飲み比べられるブースもある。
20種類ぐらいの赤、白ワインが並べられている。
5ユーロのソルビランマグカップを買えば、そのワインが飲み放題になる。
ホームメイドのワインなので、アルコール度数は少し高め。
お祭りのメインのイベントはチョト(子羊肉のシチュー)のコンテストだ。
チョトはこの地方に伝わる伝統料理だそう。
30チームがそれぞれチョトを調理し、一番おいしいチョトを決める。
多くの人はソルビラン出身の人たちだが、バルセロナやグラナダなど他の都市からはるばる参加している人々もいた。
でもこちらにとってはどのチョトが一番おいしいのかなんてどうでもいい。
はやくおいしくできあがったチョトを食べさせておくれ。
みなさん楽しんでチョトを作っています。
ビールやワインを飲み、おつまみを食べて談笑しながら楽しんでチョトを作る。
どのように調理しているか気になって歩き回っていると、
「どこから来たの?この村で何してるの?完成したら試食タイムがあるから後で食べに来なさいよ」と声がかかる。
元々このお祭りは、付近の村々で代々続く伝統だそうで、近年有名になりつつあるとか。
午後2:00頃、すべてのチームが調理を終えて、待ちに待った試食タイム。
パンも無料で配られ、チョトにちょっとずつ(ダジャレのつもりじゃない)パンをつけながら食べる。
30種類もの異なるチョトがあるので、少しずつ食べて回っただけでお腹が爆発しそう。
でもおいしくて食べるのを止められない。
あ、ちなみにチョトを食べるのは祭りに参加している人なら誰でも無料!
ここだけの話、自分のカップを持ち出してワインも無料で好きなだけ飲んだ。(だって村の人が好きなだけ飲めっていうから)
広場にはDJブースもあって、大音量の音楽が祭りをヒートアップさせる。
人々は再会を喜び合い、チョトをたらふく食べ、ワインを飲んで、踊りまくる。
若い人も年寄りも一緒に楽しんでいる。
この日も村のバーでは明け方までパーティーがあったことは言うまでもない。
え?どのチームがコンテストで優勝したかって?
そんなのワインを飲みまくって、踊ってたので誰も知りません(笑)
おわりに
初めてスペインの祭りに参加したけれど、みんなオープンで楽しかったー!
言葉は通じないけれど一緒に楽しみたい気持ちは同じ。
旅行者がめったに訪れないような小さな村で、アルプハラの人々の魂にふれたような気がした。
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