私の中にとって典型的なインドらしい混沌とした街「マドゥライ」。数日滞在したが、あまりの濃い体験と蒸し暑さもあり、どこか人が少なく静かな所に行きたくなった。
インターネット上で調べてみると、どうやらマドゥライから110kmほど北西に行ったところに、コダイカナルという避暑地があるらしい。混沌から平穏さを求めてコダイカナルへ逃避行することにする。
その後、マイソール宮殿で有名なマイソールへも立ち寄ってみた。マドゥライと違って整備された、いい意味でインドらしくない都市でした。
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緑あふれる避暑地 コダイカナル
蒸し暑い気候、街中にあふれる人々、車のクラクションを中心として色々な音が混じり合った騒音。そんな混沌とした街マドゥライにさようなら。
ネット上で見つけた情報によって発見した、避暑地コダイカナル。写真によると山と緑に囲まれた美しい場所のようだった。
マドゥライから北西に110kmの道のり。ぐねぐねとした山道を通ってコダイカナルに到着。標高が高い土地に特有のさわやかで涼しい風が体中を吹き抜ける。空気もおいしい。
コダイカナルは西ガーツ山脈と呼ばれる地域に属し、このエリアは「地球上の生態系にとってのホットスポット」とされ、固有種を含めた多様な生物が存在するそう。
さらに標高が1000m以上と高地にあり、モンスーンの影響で雨季と乾季がハッキリ分かれていることから、コーヒーや紅茶の栽培が行われている。ふむふむ。
コダイカナルという地名はタミル語で「森からの贈り物」という意味。生物多様性に満ちたこの地域にピッタリの名前ですね。
コダイカナルは1845年にできた街で、元々は暑さから逃れるための避暑地として、また熱帯病から逃れるためのサンクチュアリとしての役割があったそう。
そんな歴史背景もあり、今でもコダイカナルの主要産業は観光業に依存しています。特にインド国内やヨーロッパからの観光客が多いそう。
これだけ美しい自然に囲まれた場所なので周囲にはたっくさんのトレッキングコースがあります。その中でも私が歩いてみたのは。バタカナル(Vattakanal)を経由して、ドルフィンノーズ(Dolphine nose)まで歩くコース。
街にまだ霧が出ている早朝から歩き始めました。このコースはトレッキングといっても、よく整備された山道を歩く散歩のような感じ。
途中には美しい滝もありました。ここはバタカナルの滝(Vattakanal waterfall)と呼ばれています。
バタカナルに来てすぐに気づいたのには、ここにはかなりの人数のイスラエル旅行者が滞在している事。リトル・イスラエルとも呼ばれているのだとか。
インドに何回も来たことがある人や、長期滞在したことがある人ならご存知かと思いますが、インドにはいくつかのイスラエル人旅行者が集うスポットがあります。
例えばゴア、プシュカル、カソールなどなど。美しい自然に囲まれた場所が多い印象。ここバタカナルでは雨期の時期にマジックマッシュルームが出回るみたいなので、それを目当てに滞在しているのかな?
そんなわけでここには少しヒッピーの村のような雰囲気さえありました。
気候も良く、緑に囲まれた美しい山岳風景。彼らがここに長期滞在したくなる気持ちもわからなくもない。
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コダイカナル周辺の美しい村 棚田のきれいなプーンバライ
コダイカナルの街を歩き回った後は、周辺のもっと田舎の街も訪ねてみたくなるというのが私の性。ということで10kmほど離れたプーンバライ(Poombarai)という村を訪れてみることにする。
地図でプーンバライの位置と道順を確かめた後、正しい方向に歩きながらヒッチハイク。しかしちょうどいいタイミングでバスが来たので、乗せてもらって行くことに。
しばらくすると美しい棚田がある田園風景の中に、ポツンと村が広がっている。村の全景が見える場所でバスを降ろしてもらい、そこから歩いて村へ向かう。
美しい田舎の風景に、ここではどんな暮らしがあるのだろうと、心が躍る。ワクワクしながら村が近づいてくる。こういった全く観光地化されていない場所を訪れる日本人なんて何人ほどいるのだろう。
村の中を歩いてみると、意外と思っていた以上に村人が多い。
そしてフレンドリーな村人が多い。たぶん観光客なんてめったに来ないから東洋人が珍しいのかもしれない。歩いているだけで次々と声をかけられる。
中には「俺たちの写真撮ってくれー」という人たちも。
観光地を巡る旅もいいけれど、こうやって何の変哲もない村にやってきて。ぶらぶらと歩き回って。人々の生活にお邪魔させてもらうのも楽しい。
そしてこの村の人々は見ず知らずの旅人を受け入れてくれるのが上手。「なんだこいつは。どこから来たんだ。」というような顔をしかめて刺すような感じではなく、
微笑みながら「珍しい人がいるわね。どこから来て何をしているのかしら」というような純粋な好奇心からくるまなざしを感じる。だからこちらからも声をかけやすい。
他の南インドの街と同じように、この村でもコーラムを描いている姿があった。魔除けのために、毎日日の出前に水で地面を洗いコーラムを描くのだとか。
そしてコーラムのデザインは、母娘から母娘へと代々受け継がれていく。興味見かけたのは、子供たちが描いている姿。お母さんやおばあちゃんから習ったのかな。
マイソール 見所は豪華なマイソール宮殿
コダイカナルを後にし、南インドを少しずつ北上。次に立ち寄ったのはマイソールという都市。マイソールは14世紀後半から1947年まで存在したマイソール王国の首都であった。
ここではマイソールで働くアシームと彼の友人達の家に転がり込ませてもらった。南インド料理を紹介してくれたり、マイソールの動物園にも連れて行ってくれたりして、楽しい時間だった。
マイソールはインドの中でもゴミが少なく、インフラも整備されている街として知られています。人、大量の車、牛や山羊や犬が好き勝手に歩きまわるカオスのマドゥライと比べたらえらい違いでした。
そんなマイソールの一番の見所は何といってもマイソール宮殿。ここは、マイソール王国を治めてきたワディヤール家の住居として実際に使われてきました。カオスのインドからは考えられないような洗練された宮殿。
こんな壮麗さと混沌が共存しているからインドはおもしろい。この場所はまるでインドとは別世界のよう。
もともとマイソール宮殿は14世紀に建てられ、その後も再建が続けられてきたそうですが、現在の宮殿の姿は1912年に再建されたものです。
1896年に火事にあった宮殿の再建を、オーナーであるワディヤール家がイギリスの建築家であるヘンリー・アーウィンに依頼し建設されたそう。
建築の事はよくわかりませんが、イギリスのゴシック様式とインドの伝統的なムガル様式が融合した、「インド・サラセン様式」と呼ばれる建築様式との事です。
私がマイソール宮殿を訪れたのは日曜日。幸運な事に日曜日と祝日の18:30以降、宮殿前の庭園が無料で開放されていました。無料ならばと早速内部へ。
たくさんの人が内部でくつろぎながら、日が沈むのを待っています。彼らが待ち望んでいるのがマイソール宮殿のライトアップ。夜になると宮殿中に飾られたライトが点灯するのです。
少しずつ日が暮れてきて、
真っ暗になるとこんな感じです。ディズニーランドよりすごい装飾。なんて美しくて華やか。
コダイカナルの緑あふれる山岳風景に癒され、マイソール宮殿でゴージャスなマハラジャ気分に浸った。まるでインドじゃないかのような時間。
でもやっぱりカオスなインドがすぐに恋しくなる。気がつけば体は待ちで一番混沌が味わえる中央市場へ。
やっぱりインドはこれだよなぁ~。インドカレーのようにカラフルでスパイスのある風景。
おわりに
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