マディングでホストのオレリーに別れを告げ、次に向かうのはポイント・ノアール。
コンゴ共和国の内陸部から、ガボンのリーブルビル以来の大西洋沿いに再び戻ってきた。
ガボン以来熱帯雨林が恋しくなっていたので、ここで最後にもう一度熱帯雨林を訪れることにする。
世界第二位の面積を誇る熱帯雨林マヨンべの森へ。
ポイント・ノアールから広大な熱帯雨林マヨンべを旅する
マディングからは、ヒッチハイクでトラックに乗せてもらいポイント・ノアールまでやってきた。
道中には世界第二位の面積を誇る熱帯雨林マヨンべを通過する峠道があり、素晴らしい景観が広がる。
一度ポイント・ノアールを訪れた後、再びマヨンべには戻ってくる予定。
コンゴ共和国第二の都市ポイント・ノアールでは、カウチサーフィンでエレン夫妻にホストしてもらっていた。
エレンはコンゴ共和国の出身でフランス語に加え、3種類の現地語も話す。夫のジョン・ピエールは74歳にも思えないほど健康そのもの。
エレンは現地の果物を使用したジャムを手作りして販売しており、バナナとマンゴーの組み合わせやバオバブを使用したジャムなど、彼女のオリジナルの作品はどれも絶品。
ローストしたカカオに砂糖をまぶしたスナックなど、彼女のアイデアは豊富でどれも素晴らしい。
日本であったら飛ぶように売れるだろう。
夫のジョン・ピエールはスペイン語が話せるので、2人でいる時はスペイン語で会話していた。
しばらく話していないので大分忘れているけれど、話していると少しずつ思い出してくる。
彼は自宅から5分の距離にある海辺を歩くのが日課のようで、2人で海辺を歩きに行ったり。
7月末のコンゴ共和国は、乾季で寒い時期。雨は降らないけれど、曇りがちな日が多いのが特徴。
土日以外は海辺も静かなものだ。のんびりと散歩を楽しめる。
彼が教えてくれたのだが、海辺の建物はほとんど現大統領とその家族の所有物なのだという。さすがアフリカ(笑)
海辺を歩いた後は、彼と一緒に街を少し歩いた。
こちらは現役の列車の駅で、植民地時代の建物が現在でも残されている。
こちらはホテルなのだが、当然大統領血筋の方の所有物だとの事。
ブラザビルは政治の中心で、ポイント・ノアールは経済の中心の街。
港湾都市として重要な役割を果たしながら、油田や天然ガスの産地でもあり、エネルギー産業が発展している。
夜間は歩かなかったけれど、昼間ならブラブラ歩いていても平和で何の問題もない雰囲気だった。
ポイント・ノアールでオススメしたいのが、中央市場付近にある美術館。
入場料500CFA(130円)と格安の割に、見応えのある展示品がたくさんある。
伝統的なダンスに使うマスクから、日本の呪いの藁人形のように、黒魔術に使うような釘が刺さりまくった人型の彫刻などなど。
こんな風にポイント・ノアールの街を楽しみながらも、マヨンべを訪ねるための情報を集める。
この辺りの情報は全然なくて、現地の方々に道路の状況だとかを聞くしかない。
ただ幸運な事にホストのエレンが、かつて観光業で働いていたので、この辺りの地理について詳しかった。
彼女曰く、まずポイント・ノアールからカカモエカ方面に反時計回りで旅し、そこから毎週二便あるボートでクイル―川を下ればポイント・ノアールまで円を描くように戻ってこれらるとの事。
エレンが確認をとってくれて、カカモエカからのボートは毎週金曜日の朝8:00に出発で、値段は3000CFAとのこと。
旅は水曜日から始めるので、木曜日にカカモエカに到着し、翌日のボートに乗り込めばいいわけだ。
という事で、水曜日から早速ヒッチハイクしながらカカモエカ方面へ向かう。
まずはポイント・ノアールからマレレ(Malele)へ。ここまでは大型トラックで。
マレレからマンジ(Manzi)も、下の写真のようなトラックの助手席に村人たちと共に乗せてもらえた。
若い男の子たちは、トラックの後ろ側にしがみつくように乗っていて、体中が砂埃だらけになっていて気の毒だった。
マンジからは歩きでスンダという村を目指して歩いていく。
トラックに乗せてもらっていた時は聞こえなかった、木々の揺れる音や、鳥のさえずりが至るとこから聞こえてくる。森の音だ。
ここで、マヨンべについてChat Gptに聞いてみる。
マヨンベは、アフリカ中央部のコンゴ民主共和国、コンゴ共和国、アンゴラ、ガボンの一部に広がる地域で、熱帯雨林が広がる地域を指すことがあります。以下にその特徴と関連する情報を挙げてみましょう。
1.地理と生態系: マヨンベ地域は、赤道直下に位置し、アフリカの大西洋側に広がる熱帯雨林の一部です。この地域は多様な植物と動物の生態系が存在し、密な植生、高湿度、多雨の気候が特徴です。
2.生物多様性: マヨンベ地域は、多くの種が生息することで知られており、哺乳動物、鳥類、昆虫などが多様な種類で存在します。ゴリラやチンパンジーなどの霊長類もこの地域で見られます。
3.環境への影響: この地域は、森林伐採や人間活動による環境への影響を受けています。過剰な伐採や農地の拡大などが、地域の生態系や生物多様性に影響を及ぼしています。
4.文化と歴史: マヨンベ地域は、先住民族の人々が住んでおり、彼らの文化や歴史が存在します。これらのコミュニティは、地域の自然環境と深い関わりを持ってきました。
Chat Gptより
マヨンべはアマゾンに続いて世界第二位の面積を誇る熱帯雨林。生物多様性に富む、地球の肺とも呼べる場所だが、人間活動により環境破壊の影響を受けている。
マンジから歩いて辿り着いたスンダは美しい渓谷がある小さな村だった。
ここで渓谷となり、川幅が狭くなっている事から、カカモエカまでしかボートが入ってこられないのだろう。
渓谷には橋がかかり大型トラックも何とか通れるようになっている。
スンダ村では村長に許可をもらって、川沿いの砂地でキャンプさせてもらった。
村の人々も穏やかで、旅人が一人勝手に来てキャンプすることを温かく迎えてくれた。
翌日はスンダ村からカカモエカ村に向かって歩く。
絶景の渓谷も早朝に眺めると、また違って見える。
スンダ村を後にすると、熱帯雨林に囲まれた道路は坂道となる。
峠道の一番高い場所からは、スンダ村と渓谷の眺めがある。何て素晴らしい場所なんだろう。
スンダからカカモエカまでは小さな集落をいくつか通り過ぎていく。
人々は熱帯雨林の間にバナナやキャッサバを植えて育てている。豚や鶏などの家畜も見かける。
村には猟師たちもいて、ハリネズミやサル、コウモリ、鳥類など森で狩りをする。
川で獲れる魚も多く食べられる。電気は通っていないようだ。
このあたりの地域は自然保護区に指定されていないにも関わらず、美しい熱帯雨林が残されてしまう。
ただ人間生活の影響でゾウやゴリラやチンパンジーは、このあたりにはもう存在しないし、近年では企業による金の採掘や森林伐採が進んでいる。
この美しい熱帯雨林も将来はなくなってしまうのだろうか…。
スンダからカカモエカまでは20kmほどの距離。
途中でバイクに乗せてもらう事もあったけれど、カカモエカ村に到着。
カカモエカでは人々は湧水から飲料水を得ていた。
金採掘や森林伐採の影響で湧水が汚染されるようなことが無い事を願う。
カカモエカで一泊し、翌日のボートを待つ。
朝の8:00前に船着き場に行ってみると、もうボートは到着し、荷下ろしをしているようだった。
さらに小さな市場も開かれている。
村人にとっては、週に二回のボートが物資を補給する貴重な機会に違いない。
朝8:00に出発予定の船は、10:00になってようやく出発。
私は、ボートの屋上のスペースを確保し、そこから周辺の景色を楽しみたいと思う。
と思ったら、すごい陽気な人が乗ってきて、ほぼずっとしゃべり続けてきたので、のんびりできたものじゃなかった。
ビールとか奢ってくれたけど、もうちょっと静かにしといてほしかった。コンゴでは、そんな事を望むのは無理か(笑)
ボートの屋根からは周囲の素晴らしい熱帯雨林の姿が。
マヨンべの熱帯雨林を大西洋に向かってボートは進む。
何て素晴らしい体験だろう。
道中でボートは川沿いの小さな集落を経由していく。
ここに住む人々にとって、交通手段はこのボートのみ。
週に二回の唯一の外界との接触なのだろう。
このような村では、小さな子供達ですら小型の船を器用に操って対岸へと行き来する。
ボートは大西洋まで10時間ほどかかるのだけれど、ボートには飲み水もあればビールもあるし、おばちゃんが川で獲れた魚を調理してくれていて買って食べることができるので、道中の食べ物にも困らない。
何とも呑気な船旅だ。
村人たちは村で収穫できるバナナやサトウキビ、狩りで取れた動物や川魚などを売り、何を主に買っているのかなと観察していると、ビールだった。
どの集落でも大量のビールが売れていく。
ボートが大西洋沿いの街バス・バクルー(Bas-kouillou)についたのは、結局夜の20:30。
この日は、到着した村の村長宅にテントを張らせてもらって、宿泊させてもらった。
ボートを降りると乗り合いタクシーが待っているので、もちろんこのままポイント・ノアールまで直接戻ることも可能。
ポイント・ノアールまでの帰り道には、ディオッソ渓谷に寄り道。
ピンク色の地肌がむき出しになった渓谷美。
これにてコンゴ共和国での旅は終了。
ポイント・ノアールのエレンの家で数日休憩させてもらい、その後はアンゴラへ向かった。
おわりに
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