さて一ヶ月ほど滞在したガーナを離れ、次の国トーゴへと向かう。
当初はガーナのボルタ地方まで南下して、そこからトーゴを北上しようと思っていたのだが予定変更。
雨期の影響や今後の予定を考慮して、ガーナ北部からトーゴへこのまま入国することに。そしてこの国を北部から南部へと旅することに。
南北に細長い国トーゴ、一体どんな国なのか?
ガーナからトーゴへ国境越え トーゴ北部の街カラ
ガーナ北部の街タマレからトーゴ北部の街カラを目指してヒッチハイクで進んでいく。
ガーナではヒッチハイクでバイクや三輪オートの後ろに簡単に乗せてもらえるので、まずは彼らと共に街の郊外へ。
そこから無事にヒッチハイク成功しイェンディ(Yendi)を経由して、両国間の国境の街タタレ(Tatale)へ。
しかし国境へのヒッチハイクは毎回困難。当日は車が見つからず、近隣の病院の敷地内でテント泊。
翌日激しい雨が降る中、なんとか国境へ辿り着くのであった。
トーゴでは国境でアライバルビザが簡単に取得でき、値段は2週間で25,000セーファ(5500円)ほど。
確か財布の中にはとってあった75,000セーファあるので、余裕で購入できるはずと思って財布を開けると…あれ…無いぞ。
それに今後のビザ購入に持ち運んでいたドルやユーロもめっちゃ減ってる…まさか…いつの間にか盗まれていた…。
ここでビザ代が無ければ絶体絶命だったのだけれど、なぜか犯人は全ての現金を盗まずに25,000セーファだけは残してくれていたのでギリギリでビザを購入する事ができた。
不幸中の幸いとはこの事だが、一体だれがいつ盗んだのか…。考えてもしょうがないけれど気になる。
まぁガーナの旅中に、犯人が盗もうと思えば盗める機会は無数にあっただろうし、今となっては誰かはまったくわからない。
これで西アフリカでモノを盗まれたのは3回目。被害額合計50,000円ほど。がっくり…。
だけれど、
私の旅は、現地の人の家に泊めていただいて、ヒッチハイクで移動して、テント泊も厭わない。
だから素晴らしい人々との出会いも多いけれど、その中に悪人が混ざっていることもあるのだろう。
それはしょうがない。だからといって悪人を避けるために、人々との出会いを避けるような旅はしたくない。
当人ツイッターより
ならば、そういったリスクを抱えながら旅をしていることを承知で、その結果起きる全ての出来事を受け入れて愛しながら旅を続けるしかない。
まぁリスク管理は重要だけれど、究極は運なのでどうしようもないことはある。人生が不公平で理不尽なように。多くの事柄は偶然によって左右される。
トーゴの国境からは一切の現金がなかったので、本当にヒッチハイクでカラまで行くしか手段がなくなったのだけれど、事情を説明しても助けてくれる人は少ない。
多くの人に「お金がないなら助けられない」と言われる。
最終的に助けてくれる人が現れて、カラまで辿り着けたのだけれど、悲しいかな本当に助けが必要な状況になっても、助けてくれる人はごく僅か…というのが現実。西アフリカでも同じだった。
自分の身は自分で守るしかない…最終的には。
まぁそれはいいとして、トーゴに越境すると、平坦なサバンナだったガーナ北部から少しずつ山が目立つようになってきた。
そして言語がフランス語へと変わる。もちろん現地語が日常会話では多く話され、国境付近ではガーナとトーゴの双方とも同じ現地語を話す。
さて、トーゴについて簡単にChat Gptに説明してもらうと、
トーゴは、西アフリカに位置する共和制国家です。首都はロメです。トーゴはかつて植民地時代を経験し、ドイツの植民地、フランスの海外県となった後、1960年に独立を宣言しました。その後、政治的な混乱やクーデター、軍事政権などの不安定な時期を経験しましたが、1990年代以降、民主化が進展し、多党制が導入されました。しかし、トーゴは依然として政治的な不安定さや人権問題、経済的な課題に直面しています。
トーゴは地理的に多様な特徴を持っており、海岸線に沿って広がる低地から北部の高原地帯まで、さまざまな地形が存在します。トーゴの経済は主に農業に依存しており、主要な作物にはコメ、トウモロコシ、ヤムイモ、コーヒー、ココアなどがあります。また、鉱物資源としてリン鉱石、石油、天然ガスが存在しますが、鉱業の開発は限定的です。
文化的には、トーゴは多様な民族グループから成り立っています。エウェ、カベイェ、カッサンドラ、トゥルヌパ、カラ、コトクリ、モバ、バイオテ、アナガ、バトンメ、ビェンティ、ディヨンゴなど、さまざまな民族が存在し、それぞれ独自の言語や伝統文化を持っています。音楽、踊り、伝統的な祭り、工芸品などがトーゴの文化の一部です。
by chat gpt
だそうです。西アフリカでドイツの植民地であった歴史があるとは珍しい。
一昔前、西アフリカではトーゴでのみ美味しい現地のビールが飲めたのだとか。それもドイツの植民地地であった歴史からか。
さてこの身の上に起こった悪い事はさっさと忘れてカラの街を散策。
個人的に街自体に特にこれといった見所はないと思うのだけれど、至る所にバーがあり、店の前では男たちが美味しそうな炭焼きの鶏肉や山羊の肉を焼いていた。
ビールと一緒に食べれば、さぞかし美味いだろう。
そしてガーナでは見かけなかったワンガシという料理。
原料は大豆で、日本の厚揚げのような感じ。そこにスパイシーなソースを付けて食べるのがトーゴ流。
まさか西アフリカに来て、厚揚げに出会うとは…。このワンガシ、原料が牛乳のモノもあって、そちらはクリーミーで少し甘みがある感じ。どちらも美味。
カラの市場へも立ち寄ってみる。
面白かったのは伝統工芸品を販売しているお店がたくさんあったこと。
かぼちゃ?ひょうたんの中身を削ったお椀は、現在でも大活躍していて、ホームステイ先では調理に使用したり、お酒を飲むのに使用したり。
さらに市場の奥には、伝統的な薬草や伝統宗教(ブードゥー教だと思われる)の儀式に使用するアイテムを販売するお店が。
ワニ、サル、鳥類など各動物たちの剥製などが並ぶ。
伝統宗教の儀式には欠かせないという。
カラの街を歩き回った翌日は、美しい滝があるという近郊のバフィロ村へ。カラの街を離れると、のどかな風景に変わり、目の前には大きな丘が。
バフィロ村は、この丘の麓にあり、滝までの道のりにはマンゴーの木はもちろんカシュ―の木がたくさん植えられており、この時期でも時折赤い実をつけていた。
そんな風景の中にポツンと佇む井戸。ここ西アフリカでは、井戸がある場所には女性と子供達が集まる。まさに井戸端会議。
トーゴでも子供達は人懐こくてかわいくて、たびたび彼らはリズムに乗せて、「ヨボ、ヨボ、ボンジュール」「ヨボ、ヨボ、ボンソワ」という歌を歌ってくれる。
おそらく学校で習っているのだろう。トーゴではどこにいってもこの歌を挨拶のように耳にすることに。
ちなみにヨボは現地語で外国人という意味のよう。ボンジュールとボンソワはフランス語で、こんにちは、こんばんはの意味。この歌は、ヨボの歌と名付けよう。
この井戸の周辺では女性たちが何やら豆を収穫していて、井戸水で熱心に洗い、後にそれらを乾燥させていた。
友人に聞くと、この植物はネレと呼ばれ、西アフリカのサバンナ地方で定番の調味料なのだとか。
調べてみると腹痛に効いたり、ビタミンや鉄分も含まれ栄養豊富とのこと。
そんな光景を眺めながら、滝へと進んでいく。
周辺には村人たちが農作業を行っていたり、大きなマンゴーの木陰で昼寝していたり、川で洗濯していり、のどかだ。
滝が近づいてきたのかザァ―っと水しぶきの音が大きくなってくる。
滝のサイズ自体は決して大きくはないが、水の流れ落ちる音色に加えて、木々に囲まれ、自然と体がリラックスしていくのを感じる。
さらに滝は二段になっており、階段を上がっていった上部の滝では遊泳可能(禁止との看板ありだが)。
そして自然のプールからは周辺の山岳風景が楽しめる。
お金を盗まれたりと色々あったけれど、こんな些細な事でまた強さを取り戻せるのだ。
こうやって、また懲りずに私の旅はもうしばらく続いていくのだろう。
予定では次国ベナンで西アフリカの旅が終わるはずが、やっぱり南アフリカまで南下しようとしている。
ほんとうにどうしようもない(笑)
トーゴを南下 ソコデとアタパメの街を経由して
カラの街を出て、ここからトーゴを南下していく。
ここトーゴでも相変わらずヒッチハイク。車の数自体が少なく、ほとんどの車は乗り合いタクシーなので、ヒッチハイクは簡単ではない。
それでも親切に助けてくれる人が現れ、次の目的地のソコデという街へ向かう。
道中には崖を削って作られたとんでもない道を経由しながら。
そして到着したのがソコデの街。
トーゴは西アフリカでは珍しく、ドイツに植民地支配されていた歴史がある国だと前記したが、この街には当時のコロニアル風の建物が現在にも残り、現役で使用されている。
観光地でもないので、これといった見所は見いだせなかったけれど、ただただトーゴの日常風景があるのみ。
元気のよい子供達、中国人呼ばわりしてくる人々、懸命に働く女性たち。
セネガル以降、西アフリカの日常風景や暮らしには共通点があると感じる。食べ物、食事、メンタリティー。
もちろん細かい点を見ていけば違いは無数にあるのだけれど、ヨーロッパの国々に共通点があるように、西アフリカにも同様のことを感じるのだ。
ソコデに立ち寄った後は、アタパメという街へ。ここまでくればトーゴの南部。
この街は、7つの丘からなる街と現地では呼ばれているそう。確かに街は丘陵地帯に位置し、どこに行くにもアップダウンが激しい。
山々に囲まれ、その斜面に建物が並ぶ風景は好きで、個人的にはトーゴでお気に入りの街といえる。
雨期が始まったトーゴでは、人々が農作業に忙しい。この地域ではトウモロコシ畑が目立つ。
路上では、パームヤシの実の残骸を集めて丸め、個体にしたものが。これは調理の際の火種に使う。
またオクラを乾燥させており、料理に使用するとソースに旨味ととろみが加わる。これは日本料理との融合にも使えそうだ。
アタパメ近郊には美しい山岳風景が広がり、アヨメ村には小さな滝もあった。
このような滝ならば日本にも無数にあるけれど、小さなトーゴにすれば貴重な観光資源。
逆にいえば日本は素晴らしく自然が豊かで観光資源も豊かな国だと改めて感じる。
さて次はトーゴで一番楽しみにしていたパリメの街へ。南西部のガーナ国境付近まで旅は続く。
おわりに
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