1ヵ月半ほど滞在していたフランスを離れ、スペインを目指す。
フランスからスペインへは、ピレネー山脈を越えた向こう側。
まずはバスク地方のパンプローナとビトリアの友人達を訪れ、そこから西へポルトガル方面へ向かう。
結果的にフランスからスペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラまで続くサンティアゴ巡礼道をヒッチハイクで走破したことになったのだった(笑)
パンプローナ
滞在していたフランス側ピレネー山脈の麓にある村セギュスを離れて、スペインへ向かう。
ついにフランスを離れる日がやってきた。
10日間ほどお世話になっていたフランス人のベン、ロハン、ラファエル、イネスに別れを告げ、ヒッチハイクでピレネー山脈の向こう側を目指す。
セギュスからスペインに抜けるのに最短の道はSaint Jean Pied de Port(サン=ジャン=ピエ=ド=ポル)を経由する道。
フランス領バスク地方を抜けながら、スペインへ向かう。Saint Jean Pied de Portは、昔ながらの建築物が並ぶ美しい村であった。
サンティアゴ巡礼道の重要な要所であり、多くの人がここから巡礼の旅を始める。
ここからヒッチハイクしていると、スペイン在住のモルドバ人アンドレが、スペインで最初の目的地であるパンプローナまで車に乗せてくれた。
彼はトラックドライバーとして働いていて、5ヶ国語を操り、ヨーロッパ中に友人がいるという。ヒッチハイクは大変な事もあるけれど、色んな興味深い人々に出会えるのも楽しみの一つ。
さて、なぜスペインで最初の目的地がパンプローナかというと、南米のペルーを旅していた時に出会った友人のジュレンに再会するため。
ソーシャルメディアで連絡を取り合っていて、フランスにいる時からパンプローナを訪れるように招待してくれていた。
彼は調理師免許を持つシェフ。パンプローナ滞在中には色んな料理を振る舞ってくれた。
チョリソー入りのスペインオムレツや山羊のチーズ、シイタケとパプリカのサラダ。レタスにイワシの酢漬けとオリーブオイルをかけた料理などなど。
ジュレンに再会するのが目的だったので、あまり観光らしい観光はしなかったのですが、パンプローナは牛追い祭りや美しい旧市街で有名なよう。
またアーネスト・ヘミングウェイの長編小説「日はまた昇る」の主な舞台としても知られる。闘牛場の前には、彼の銅像があった。
ジュレンは仕事で忙しいにも関わらず、パンプローナの周辺まで案内してくれた。
ルンビエルという村の近郊にある美しい渓谷に連れて行ってくれたり、
彼が土地を購入した、ガリピエンソ・アンティグオという美しい村に連れて行ってくれたり、
地元のお祭りが行われていた、サングエサという村を訪れたり。
気軽に友人を訪ねて、観光をするというプレッシャー無しに過ごすのも、また良い旅だった。
ビトリア
パンプローナを離れて、次に訪れたのはビトリア。
エクアドル出身の人が最後は車に乗せてくれて、彼の祖国を旅していた時の思い出話などをして盛り上がった。
スペインは南米からの移住者も多いようだ。
ここビトリアを訪れたのも旅先で出会った友人達を訪れるため。2018年にアフリカのレソトで出会ったエカインと、南米のペルーで出会ったジョン。
パンプローナで再会したジョレンも含めて、いつか日本を訪れてほしいと強く思う。
ビトリアもバスク地方に位置する都市で、学生の多い街、美しい旧市街が残されている事で有名。
旧市街にはバスク地方の伝統的な家屋が残されていたり、かつての城壁の一部があったりと、街を歩くだけでも見応え十分。
面白かったのは旧市街の中心部の家賃が、郊外の家賃よりも安いという事。
古い建物でエレベーターがない事、駐車スペースがない事が原因のようで、旧市街の中心部にはあまりお金のない学生や移民の人々が住んでいるそう。
夜になると旧市街の通りは学生で溢れ、バーやレストランはどこも満員に。
観光に飽き飽きしてくる頃、懐かしい友人達と食事をしながら語り合っていると、旅の醍醐味の一つは人との出会いなのだと思い出させてくれる。
オビエドからサンティエゴ・デ・コンポステーラ
ビトリアを後にして、やってきたのはアストゥリアス州都のオビエド。
ビトリアからは340kmほどの距離だったけれど、運良くヒッチハイクでスムーズに到着できた。
スペインはヒッチハイクが難しい事で有名だけれど、今回はそれほど苦労していない。
スペイン語が話せるようになったので、地元の人とコミュニケーションが取れるのが大きな違いなのは間違いない。
今回オビエドでお世話になったのは、カウチサーフィンでホストしてくれたカルロスとサーシャ。
カルロスはスペイン人でサーシャはロシア人のカップル。
すごく感じの良い二人で、オビエドの街を案内してくれたり、景色の良い高台にも一緒にピクニックをしに行ったり。
オビエドではちょうど聖マテオに関係したお祭りが行われており、夜になると街には人がたくさん。
出店もありコンサートもあったりと、街は活気にあふれていた。
昼には古い建築物の残る旧市街もブラブラと歩いた。
街中の大聖堂も細かい彫刻が施されており見応えあり。
オビエドには、”オビエドとアストゥリアス王国の建築物群”として世界遺産に登録されている場所もいくつかあり、その内二つにピクニックがてら訪れることができた。
それはサン・ミゲル・デ・リーリョ教会とサンタ・マリーア・デル・ナランコ教会。8-9世紀に建てられた由緒ある教会。
これらの教会はすぐ近くにあり二つ同時に訪れることが可能です。
またこれらの教会の背後にある山に登ると、そこからオビエド中の景色を見渡すことができ、ピクニックには最高。
オビエドを去った後は、サンティアゴ・デ・コンポステーラに到着し、ここが今回のスペイン最後の滞在地となった。
この街はスペインのサンティアゴ巡礼道の目的地であり、街には旅行者に混じって多くの巡礼者たちが滞在していた。
二ヶ月にも呼ぶ巡礼の旅を終えた彼らは何を思うのか。
私も意識せずにほぼサンティアゴ巡礼道と同じようなルートをヒッチハイクした事になるのだけれど、今度は遥か昔から続く巡礼の道をゆっくりと歩いてみたい。
おわりに
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