美しい山々、深い森に、豊かな水 パタゴニアにやってきた

パタゴニア。この地を征服したスペイン人が出会った先住民のオナス族。彼らの足があまりにも大きかったことから、彼らはパタゴネスと称された。そして、そこからこの地方全体をパタゴニアと呼ぶようになったという。

どうしても一度は来てみたかった憧れの土地「パタゴニア」。これから翌冬まではこの世界の南の果てを旅します。

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ネウケンからヒッチハイクでパタゴニアへ

ネウケンから次の目的地サン・マルティン・デ・ロス・アンデスまでは400kmほどの距離。昨日はパーティーに参加して朝の5時にようやくベッドにもぐりこんだ。4時間ほど睡眠をとって、眠たい目をこすりながら早速ヒッチハイクを開始。タフだ。

都市からのスタートなので、長い待ち時間を覚悟していましたが、嬉しい事に簡単にヒッチハイク成功。一度は通り過ぎたのに、親切にもわざわざ戻ってきてピックアップしてくれたのは、ネウケンで大学生活を送っている仲良し若者3人組。

アジアの文化に興味があるという彼ら。「チョコン(Chocon)という湖の畔でキャンプをするので、一緒に参加していったらどう?」と誘われ、心はかなり動いたけれど、プラン通りにサン・マルティン・デ・ロス・アンデスへ。

「もし誰もピックアップしてくれなかったら、連絡くれよー」と、電話番号を教えてくれた親切な彼らに別れを告げ、また親指をあげる。2台目の車も簡単に見つかり、順調なヒッチハイクの旅。しばらくは乾燥した風景を進んでいき、アンデス山脈に近づくにつれ、湖や川が現れ、どんどん緑が広がってきます。

Junin de los Andesを越えたあたりから、10分以内に数台の車を乗り継ぎ、急にヒッチハイクが簡単になった事に気づきます。あるドライバーに理由を聞くと、「パタゴニアに住む人々は、他人を信用してしないアルゼンチンの都市部に住む人々と違う。地元の人は頻繁にヒッチハイカーをピックアップするし、地元の人だってヒッチハイクするよ」と。

実際に何人もヒッチハイクしている人を見かけました。都市部のように公共交通機関があまり発達していない事も、大きな理由の一つかもしれませんが、ヒッチハイクが簡単になるのはありがたい。

豊かでもあり、厳しくもある大自然に生きるパタゴニアの人々。そんな助け合わないと生きていけないような環境が、自然と人を親切にするのかもしれません。

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Lakar湖に佇む小さな湖畔の町「サン・マルティン・デ・ロス・アンデス」

ネウケンからスタートして、サン・マルティン・デ・ロス・アンデスに到着したのは夜の9時。距離は遠かったけれど、何とか到着。この町でホストしてくれたのはアルベ。アルゼンチンではカウチサーフィンで家に招待してくれる人が多く、ありがたいです。

アルベは大工で家具職人でもあります。待ち合わせ場所で合流した後、彼自身で建てた大きな温かみのある木の家に迎えてくれました。アルベは料理も得意で、キッチンはまるでレストランのよう。初日は最高においしい「きのことチーズのピザ」を頂きました。もちろんアルゼンチンの代名詞「肉」も。

彼はワインとビールも大好きなので、毎晩アルベの友人が作っているホームブリューワリーのビールとおいしいワイン、そして手料理を食べさせてもらっていました。私はもちろんお返しに寿司を作りました。こちらでは魚が高いので、野菜寿司にはまっています。

パタゴニア地方で最初の町サン・マルティン・デ・ロス・アンデスはラカル湖の畔にある人口3万人程の美しい小さな町。アンデス山脈の麓にあることで降水量が多く、緑に溢れています。

メンドーサ付近の乾燥したアンデスとは全く違う風景です。深くうっそうとした森林、豊かな自然を象徴するように、野鳥の集まる湖やラグーンがたくさん。

パタゴニア地方に見られる特有の植物や木もあります。例えばアラウカリア。アラウカリアは世界の三大美麗樹にも数えられているそう。

ここには6日間滞在しましたが、完全に晴れていたのは2日間のみ。天気が良い日にトレッキングなどを楽しみたいなら少し長めに滞在し、天気の良い日を待つぐらいの余裕が必要かも。

また、この地域の天気は典型的な山の天気でころころ変わります。雨から晴れへ、晴れから雨へ、時に強い風が吹いたり。「これがパタゴニアだよ」とアルベ。

アルベの仕事が休みだった月曜日にまず連れて行ってくれたのが、キラ・キナ(Quila Quina)です。この地域にはマプチェと呼ばれる、アルゼンチンの住む先住民が多く住んでいます。マプチェという言葉は「大地に生きる人々」という意味。

アルベが「これを知ってるか?」と指をさした先には、何と木にキノコが生えている。このキノコはDiguenasといい、春にRobre peijinという木に生えるらしいです。木から採って、生で食べられます。サラダにも入れるそう。

それにしても美しい場所です。自分が遂にパタゴニアの土地に立っているなんて、これから6か月ほどパタゴニア各地で過ごすなんて、まるで夢のよう。

ただ自然を楽しむだけでなく、パタゴニア地方で暮らす人々の生活を体験したい。各地でボランティアとして働きながら、アルゼンチンのパタゴニアだけでなく、チリのパタゴニアにも足を伸ばす予定です。

最高に楽しく、仲良くなったアルベともお別れの時。最終日には一緒にVilla la Angosuturaまでドライブに行きました。ここは100kmの距離に7つの湖がある最高に美しいルート。ドライブ中に湖と雪山の美しい風景が次々と現れます。

アルベによると美しいトレッキングルートもたくさんあるそう。「次に来たときは一緒にトレッキングしたり、チリまで一緒に行こう」と、来年4月ぐらいに会うことを計画。

アルゼンチン最南部ウシュアイアまで辿り着いて、また戻ってくるときに、絶対立ち寄ってまた再会したいなー。そんな事を話しながら車は目的地に到着。アルベと抱擁して、感謝を告げてここでお別れ。

旅をしていて気づくのは、一度誰かと会って、もう一度再会するのは本当に難しいということ。だからこそ一人ひとりの人との出会いを大切にしたいと思う。一期一会。

アルゼンチンのスイス「バリロチェ」

Villa la Angosturaからヒッチハイクでバリロチェへ。アルベがこの地域で有名なチョコレートを買ってくれた上に、わざわざヒッチハイクしやすい場所まで送っていってくれた。本当に良い人だ。

やっぱりパタゴニア。ヒッチハイクで簡単にバリロチェまでの車が見つかりました。ドライバーに「俺の嫁さんが寿司が好きなんだ。家に来て作ってくれよ」と言われました。アルゼンチンでもお寿司は流行っているそう。

バリロチェはアルゼンチンのスイスと呼ばれ、山と湖に囲まれた風光明媚な都市。夏はトレッキングや美しい風景を求めて、冬はスキーなどのウィンタースポーツで賑わう、観光の町。

そんなバリロチェでホストしてくれたのはアウグスティン。大学で物理を勉強していて、去年に卒業した若者。彼の家は町の中心から少し離れていて丘の上にあり、家からは美しいナウエル・ウエピ湖の景色がよく見えます。

到着した当日は彼の24歳になる誕生日で、友人を誘ってピザパーティー。やっぱりアルゼンチンのパーティー。ピザ用の食材を買いに行ったのが、ようやく21時頃。22時過ぎから作り始めて、少しずつ友人たちが来るのが23時。ピザができて食べ始めたのは24時過ぎ(笑)

そんなパーティで始まったバリロチェ滞在ですが、こんな美しい場所でトレッキングに行かずにはいられません。たまたま天気の良い日があったのでパタゴニアの自然の中を、ようやく本格的に歩いてきました。バリロチェにたくさんのトレッキングルートがあるのですが、今回訪れたのはRefugio Lopezという山小屋まで。

登山口のあるコロニア・スイスまではバリロチェの中心部から10番か20番で行けます。あまりバスの本数は多くないので、ヒッチハイクがおすすめです。

まずは緑に溢れ空気がおいしい森を抜け、Roca Negra山小屋まで到着するころには、絶景が広がります。自然が生んだ緑色と青色の芸術。その背景に佇む山々。まさに息を呑む絶景。

さらに先へ進むと、標高1000mを越えたあたりから積雪があり、山小屋に着くころには、雪が腰のあたりまで。ツーンと張りつめる空気の中、ズボズボと雪に大きな足跡をつけながら歩いていきました。

ここまでの積雪は予想していなかったので、何の準備もしていなかった足元は雪でぐちょぐちょに。それでも目の前に見えてきた山小屋を目指して歩きます。

そしてついに到着。眼下に広がる風景に疲れもすっかり吹き飛んで、ただただその美しさに見とれるばかり。

山小屋の従業員に尋ねると、「この季節、ここからは雪崩の危険があるので行かないでくれ」との事。ここからさらに先に行けるルートもあるのですが、装備も十分ではないので今回はここまで。

山小屋には先に到着していた先客が。イギリスからの世界各地を長期間仕事をしながら旅している人。「このパタゴニアだけは何回も戻ってきてしまうね」と。やはりパタゴニアには旅人を惹きつける魅力があるのでしょう。

思った以上の積雪で予定よりも早く終了したトレッキング。そのおかげでLlao llaoという地域も散歩する事ができました。ヒッチハイクしながら、散歩道がある場所で降ろしてもらい、散歩が終わると再びヒッチハイクで次のポイントへ。

こんなに美しい場所でキャンプしたり、マテ茶をゆっくり飲めたらなー!

ニュージーランドで見たような美しい湖と山。湖岸にあるビーチでは家族で仲良くピクニック。誰かが「ニュージーランドとパタゴニアは似ているよー」と話してくれたのを思い出しました。

一説では大昔、ニュージーランドはパタゴニア地方から分離してできたとも言われています。緯度もちょうど同じぐらい。景色が似ているのも不思議ではありません。

さすがはアルゼンチンのスイス。バリロチェで見た景色は美しかった。湖に雪山、透き通るようにきれいな水。小さな島も湖にあって、ラグーンもある。パタゴニアのこの地域は緑と森に豊かな水に溢れた場所だ。

おわりに

現在はエル・ボルソンという小さな町で、ボランティアをしながら1ヵ月ほど滞在しています。住みたくなるぐらい良い出会いに恵まれ、楽しい時間を過ごしています。その話はまた次回。

緑あふれるヒッピーの町エル・ボルソン滞在

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コメント

“美しい山々、深い森に、豊かな水 パタゴニアにやってきた” への3件のフィードバック

  1. […] 美しい山々、深い森に、豊かな水 パタゴニアにやってきた […]

  2. ご担当者様

    突然のご連絡大変失礼致します。Bridgeの坂本と申します。
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