ヴェネツィア王国の名残が残る中世の街並みと美しく輝くアドリア海。
のんびりキャンプに最適な透明度の高いシュコダル湖。
夏はトレッキングで賑わう山岳地帯ドゥルミトル国立公園。
明るく気さくなバルカン半島気質の人々。
モンテネグロは小さな国ですが、たくさんの魅力が詰まっています。
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モンテネグロの位置
モンテネグロは旧ユーゴスラビア連邦を形成していた国のひとつで、バルカン半島の真ん中あたりにあります。
国土の広さは日本の福島県ほどのサイズで、人口は62万人ほどです。
通貨はユーロを使っています。宗教は正教会が75%で残りの25%はイスラム教か他の宗教です。
モンテネグロという国名はイタリア語で「黒い山」という意味で、かつてこの地域の通商ルートを支配したヴェネツィアの人々がそう呼び始め国名になったそうです。
確かに国土のほとんどはごつごつとした岩山という印象だったので、アドリア海からそれを眺めたヴェネツィア人が黒い山々に覆われた国だと思っても不思議でないかもしれません。
バルカン半島のほとんどは一時期オスマン帝国の支配下におかれた地域なので、街並みはその影響を強く受けています。
しかしモンテネグロのアドリア海沿岸部の地域はオスマン帝国の支配を免れた地域なので、いまだにヴェネツィア風の中世の街並みが残っています。
私はボスニア・ヘルツェゴビナからモンテネグロに入国したのですが、旧市街の街並みがオスマン帝国風のそれと違い驚きました。
コトル湾沿岸に佇む中世の街
コトル湾は中世からヨーロッパの中でも良質の天然港とし交易で栄えてきました。
そしてコトル湾の一番奥にあるのがコトルという名の街です。
コトルは入り組んだ海岸線とその背後にある山に守られ、コトル湾でも随一の港湾都市として栄えてきました。
旧市街にはかつて交易によって富を築いた商人たちの建てた美しい館や教会がある街並みが残っています。
コトルの街を歩いていると市街の建造物もイタリアとよく似ており、400年ほど続いたヴェネツィア王国の支配の影響を感じることができます。
コトル港の周囲を囲むように城壁がそびえ立ち、さらに街の背後にある山にも城壁が築かれました。
街の背後にある山の城壁まで登ることもでき、そこからはコトルの街と絶景のコトル湾を見渡すことができます。
街中にある観光客用の登山道から城壁まで登ってもいいのですが、実は知る人ぞ知る秘密の裏道もあり、チケット不要で観光客の数も少なくのんびりと登れます。
それがこのルートです。Google map でも登山道がはっきり見えます(笑)
コトルは美しい場所なんですが、夏のシーズンは巨大なクルーズ船や世界各地からの観光客で溢れかえります。
そこでおすすめなのは、コトルから10km程海岸線沿いに離れると、小さなビーチや漁村が点在しているので、そこに滞在しのーんびりと海水浴をしながら過ごすことです。
例えばコトルの北西に12km程行った場所にぺラストという街があります。
こちらも中世の街並みが残る美しい小さな街ですが、コトルよりも静かでリラックスできます。
また東海岸線沿いに行くと小さな漁村や地元の人々が海水浴をしているビーチもあります。
コトルからアドリア海に沿って、シュコダル湖へ
コトル湾を楽しんだ後は、アドリア海に沿ってバルカン半島で一番大きい湖シュコダル湖を目指します。
アドリア海沿いにも美しい街やリゾートが点在しています。
例えばブドゥバです。ここもコトルと同じくヴェネツィア王国の影響を受けた建造物が多く残っており、城壁に囲まれています。
高くそびえる山々に中世時代からのオレンジ屋根の建物、そしてアドリア海がいいですねー!
またバールも訪れると面白いと思います。現在のバールは商業的な港町という感じの街ですが、面白いのはスタリ・バールと呼ばれる地域です。
バールは1571年にはオスマン帝国の支配下に入り、1878年までオスマンの支配が続きました。
その影響からこのスタリ・バールにはオスマン帝国風の建物もあり、モスクがあり、城壁の中には元々は教会だった建物ををモスクに建て直したというものもあります。
戦争と地震により街と歴史的建造物はほぼ破壊され、一時廃墟のようになっていましたが現在修復中です。
一見の価値ありなので、時間があれば訪れてみてください。
このバールを訪れた後、私はシュコダル湖南海岸に向かいました。ずっとヒッチハイクしていたのでバスで行けるかはちょっとわかりません。
たぶんバスはないんじゃないかな?でも大丈夫です。ヒッチハイクで行けます。
行くのは難しいですがこの湖の南海岸の道はすごくキレイでした。断崖絶壁で秘境感満点。
ピックアップトラックの後ろに乗せてもらっていたので揺れて写真を撮るのは半ばあきらめましたが、美しい場所です。
そして、何の事前調査もなく辿り着いたのがDonji Murići(ドンイ・ムリッチ?)という村。
良いビーチを見つけたのでキャンプすることにしました。
ここでのキャンプは最高でした。水の温度も温かくて、湖水浴にも最高です。旅にはテントも持参することをオススメします。
そして何とここでもう10日間もキャンプしているというモンテネグロ人グループに出会い、一緒に魚を釣って焼いて食べたり、ボートで湖のクルーズに連れて行ってもらったりしました。
やっぱりバルカン半島の人々、モンテネグロの人達は良い人達だ!
昨晩は飲んで騒いでだったので、みなさんお疲れです。
南海岸では手作りのワインも村で買うことができて、おいしかったですよー!ぜひ訪れてみて下さい。
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ドゥルミトル国立公園
シュコダル湖を離れ、ニクシチで野外音楽祭に参加して大騒ぎした後、ザブリャックという山間部の街にやってきました。
ここは標高1500mもあり、アドリア海沿岸部と違い夏でも涼しいです。
ここは自然の豊かなドゥルミトル国立公園への玄関口として人気があります。
私もここにトレッキングをするために来ました。海の次は山です。これを楽しめるのがモンテネグロ。
ニクシチで知り合いになった方の友人がキャンプサイトを経営されていたので、そこに泊めていただいていました。
家族経営で人も良くて清潔でキッチンも広いので、ジャブリャクで泊まるならここがおすすめです。
ここから徒歩で国立公園に行くことができます。まずは国立公園の入り口にあるBlack lakeと呼ばれる湖へ。
透明度の高い水面と背景のゴツゴツした山がたまりません。もちろんここで泳ぐこともできます。
さて私はここから国立公園最高峰のボボトヴ・ククに登ってきました。標高は2523mです。
ヒグマやオオカミも生息しているみたいなのでドキドキ。
Black lakeがあーんなに遠くに見えるまで登ってきました。結構ハードなんでしっかりとした準備が必要です。
こんな面白い形をした山もあります。そしてついに頂上へ。
ボボトブ・ククからは別の湖が見えます。キャンプしたら気持ちよさそうですが、準備してこなかったので大人しく下山しました。
行って帰って8~9時間ぐらいかかったと思います。ヒグマやオオカミが出てこなくてよかった。
またドゥミトル国立公園にはヨーロッパで最も深い渓谷、タラ渓谷があります。
今回は行きませんでしたが、次回は必ず訪れたい場所です。
おわりに
いかがでしたでしょうか?モンテネグロは小さい国ですが様々な魅力が詰まっています。
まだ西ヨーロッパに比べて物価も低いですし、モンテネグロなら同じ予算で数倍楽しむことができます。
英語を話すことができる人も多かったですし、ぜひ次回の旅行先に考えてみて下さい。
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