スペインの旅 ガウシン村近く山間の隠れ家にて

空高く舞うタカ

さてソルビラン村での滞在を終えた後、現在は西に280kmほど離れたガウシン(Gaucin)という村の近くに滞在しています。グラナダ付近とは違い、目に飛び込んでくる風景には緑がたくさん。国立公園として保護されている森林や渓谷なども近くにあります。

白い家の村として有名なロンダからは南に50kmほどです。そんな地域の山間部にある隠れ家のような場所でのんびりと過ごしています。

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山間部にある静かな隠れ家のような家

現在様々な仕事を手伝いながら滞在しているのは、一番近い村からも5.5kmほど離れ、自然の中にある隠れ家みたいな家です。家のリノベーションやガーデニング、動物の世話などの手伝いをしながら滞在しています。何とこの家、元々は400年前の建物だそうで(日本の江戸時代かー)18年間コツコツと修復しながら現在に至ります。18年前の建物はこちら、

18年前、プロジェクト開始時 エバから写真を拝借
18年前、プロジェクト開始時 エバから写真を拝借

それが今ではこんなに美しい場所に変わりました!劇的Before and Afterです。

私の滞在している部屋
中庭 ここでご飯を食べています
中庭2 サマーキッチンもあります

まるで魔法をかけたように見違える場所になっています。彼らの積み上げてきた努力と情熱を尊敬します。

この土地のオーナーはエバとジョセップ。エバは現在仕事で滞在していないので、主にジョセップがここの面倒を見ています。ジョセップは英語をほとんど話せないので情報を聞くのは少し難しいこともあるんですが、スペイン語の練習にはもってこいです。

ホストのジョセップと愛犬ベンジー
愛犬のベンジーとニーナ

彼は過去に輸入の会社、レストランやホテル、ディスコなどを経営していましたが、39歳の時にライフスタイルを変える決心をしたそうです。100人もの従業員を抱えていて、その責任でかなりストレスが多くプレッシャーがあったのと、忙しすぎて自分の時間がなかったなどが原因のよう。彼はジュエリーの製作や絵を描くのが好きで、自分の好きな事に専念する時間が必要だったのだと思います。

将来的にはこの場所でAirbnbなどで空き家を貸しながら、自給自足の暮らしをすることを目指しているそう。田舎でゆっくり過ごしたい旅行者やアーティストのためのリトリートセンターのようになればいいなーと構想をめぐらしています。ヨガやメディテーション、ヘルシーフード、サステイナブルライフなどがキーワードです。

最寄りの村近くにあるCañón de las Buitreras

すでに電力は屋根に取り付けたソーラーパネルから全てまかなえているそうです。ここにリトリートセンターをつくる過程の作業に参加できるのは光栄だし、私も少なからず将来的に同じような事をしたいと思っているので勉強になります。

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家中の色んな仕事を手伝っています

ここでどんな暮らしをしているのかというと、ファームにいる動物たちの世話をしたり、ガーデンで野菜作りや、家のペンキ塗りを手伝っています。将来の自分のプロジェクトのために実践形式で勉強もかねてます。旅しながらも勉強勉強です。

仕事が始まるのは朝の8:00ぐらいです。のそのそとベッドから這い出し、朝ごはんを済ませて、ゆっくり仕事を始めます。時には朝ごはんで1時間ぐらいかかることも(笑)現在ファームにいる動物は羊が2頭、豚と子豚が計5頭、鶏が10羽、アヒル4羽がいます。そしてペットの犬が2匹、猫が2匹、孔雀が3羽です。あ、昨日孔雀に赤ちゃんができたので孔雀のヒナ3匹もいます。

ペットの孔雀 ペペ
お母さん孔雀とヒナ
猫のモモとミミ

まず最初にする仕事は、動物のために朝ごはんの用意。ファームに行って鶏小屋の扉を開けると、鶏とアヒルたちがバァーと外に駆け出します。羊小屋では羊たちが扉の隙間から鼻を出して、開門を待ち構えています。扉を開けると、食べ物を求めて私の後ろをエサをあげるまで、ずぅーっとついてきます。

鶏とアヒルの小屋

困ったことになぜか羊たちは鶏のエサが好きで、鶏たちは羊のエサが好きなんです。なので、午後に様子を見に行くと羊は鶏小屋で座り込んでいて、鶏は羊小屋で歩き回っているという(笑)しかしながら羊のエサを盗み食いする鶏が生み出す、生みたての卵は絶品です。ここの羊たちは頑固でなかなか言う事を聞かず、お尻を叩いても鶏小屋から出ていかない時もあります。頭を突き出して突進してくることもあります。

夕方はいつもこの木の下にいる羊

豚さんたちにもエサを与えます。子豚3匹はとてもかわいいのですが、大人豚2頭は太りすぎて、とても醜いお姿。動く時もゆっくりで、体を動かすのも一苦労の様子です。朝にはエサの時間になっても寝ていて、わざわざ近くに行って「エサの時間だよー」と知らせないといけない始末です。食欲は旺盛で、何を与えても跡形もなくきれいになくなります。

子豚ちゃんたち

人間が出す残飯のすべては動物たちが食べ、動物たちの糞はガーデンの肥料として使われます。魚たちの住む池もあって、将来的には池の水もガーデンに使用する計画です。

動物の世話が終わると、ガーデンの手伝いをしたり、家のペンキを塗ったりしています。家を丸ごと2軒も塗りたくったので、かなり技術は上がっています。ペンキ塗りならお任せあれ。

ペンキ塗りで屋根へ

家庭菜園では、庭の至る所にホースと小さなスプリンクラーがはり巡らされていて、タンクに溜めた水をスイッチ一つでコントロールして水やりができるシステムになっています。これなら年を取って動けなくなっても大丈夫そうです。水は山からの湧水を引いて使用しています。この前ポンプの調子が悪くて点検しにいくと、でっかいカエルがホースに詰まって水をせき止めていたのには、ビックリしました。

野菜ガーデン

仕事が終わって、昼食を食べるのは15:00ぐらいです。かなり遅いですよね?しかし、スペインでは昼食はこの時間が普通なんです。ホストのジョセップと、一緒にボランティアをしているアメリカ・カリフォルニア州出身のカップルと毎日一緒に食べます。カップルのダニエルとサランダは今は50代半ば。ダニエルは株のブローカーなどの仕事、サランダはキャビンアテンダントとして働いていたそうです。しかし現在は6ヵ月間アメリカでコンテナ倉庫を管理する仕事をして、6ヵ月旅行をするライフスタイルを続けているという。ダニエルはかなりの料理上手でおいしいご飯を毎日作ってくれます。

毎回食事は仲良く一緒に食べています

ジョセップも料理上手でスペイン料理パエリャを作ってくれました。ご飯のお供には毎回ビールかワインを頂いています。スペインはワインがかなり安く手に入り、ボトル1本で2ユーロ出せば十分おいしいワインが飲めます。そして近くの村人特製の自家製山羊チーズもとってもおいしい!

ジョセップ特製パエリャ
村人アントニオ特製山羊チーズ

昼食後は自由時間です。皆好き好きに、のんびりと過ごしています。夕食は21:00頃で、みんなでまた集まって一緒にご飯を食べています。今はワールドカップなのでサッカー好きのジョセップ(バルセロナ出身)と私は、毎回テレビスクリーンに向かって叫んでいます。明日はセネガル戦だー!コロンビア戦の勢いそのままにVamos Japon!

周囲は山に囲まれ、のどかな風景

ジョセップの家は山の上部にあるので良い景色を見渡せます。何と天気の良い日にはジブラルタルを越して、アフリカ大陸が見えます。周囲にも小さな家やファームがあり、車の音はほとんど聞こえず、牛や馬、鳥の鳴き声だけが聞こえてきます。

遠くにはジブラルタルが見えます

周囲を歩いてみると気になるのがこの木々です。写真の木々はまだ若く小さいですが、めちゃくちゃ大きな木もたくさんあります。

コルク樫の木

樹皮の部分が切り取られているのにお気づきでしょうか?実はこの木はコルク樫の木。みなさん、ワインの栓に使用されているコルクの原材料はご存知ですか?実はこのコルク樫の木の樹皮をくりぬいて作られているんです。樹皮は10年ぐらいすると再生するので、木を切り倒すことなく何度も樹皮だけ切り取ることができます。木の寿命は200年にもなるので1本の木から20回ほど樹皮を切り取ることができます。

積まれているコルク樫の木の樹皮
コルク樫の木の樹皮

村人が協力して手作業で樹皮を切り取ります。車が入れない場所にたくさんのコルク樫の木が生えているので、運搬にはロバを現在でも使っています。

絶景の渓谷も近くにあります

最寄りの村の鉄道駅ガウシン駅近くには、めちゃくちゃ癒される渓谷もあります。その名はCañón de las Buitrerasです。ロンダからもそんなに離れていないので、トレッキングに訪れても良いのではないでしょうか。

グアディアロ川の眺め

駅からスタートし水力発電所を過ぎて、川沿いの道を登った下ったりしながら片道5kmほどのコース。ここでは美しい渓谷の景色を堪能したり川沿いでのんびりしたりできます。道中では近くの村から来た2人組に出会いました。彼らはキャニオニング用の装備を持っていて、渓谷の中に入り込んでいって、崖の上から川にジャンプしたりして楽しんでいました。どうやら地元の人には有名な場所だそうです。

美しい渓谷の景色
美しい渓谷の入り口
きれいな川には魚もたくさん住んでいる

私はこの美しい渓谷の入り口でのーんびりと泳いだり寝そべったりしていました。川の色がエメラルドグリーンですごくきれいなんです!透き通った水には魚がたくさん気持ちよさそうに泳いでいますが、地元の人は魚が好きではなくあまり食べないそう。ちなみにこの地域の名物はシカ肉とキノコ料理だそうです。

もう少し奥に歩いていくと、本格的な渓谷が目の前に現れます。

そびえたつ渓谷

この渓谷の高さは何と最大で200mもあります。渓谷の入り口に立つと、狭い渓谷に崖がドーンと空に突き抜けるようにそびえ立っていて、迫力満点です。

暑ーい夏に訪れるのに最高の場所でした!

おわりに

みなさんは、いかがお過ごしでしょうか?私はここに7月上旬まで滞在後、アルゼンチンに飛び立ちます。ワーキングホリデービザで1年ほど滞在する予定をしています。

旅の続きはこちら、

スペインの旅 コスタ・デル・ソルの花の町エステポナ、絶景と歴史の町ロンダ


コメント

“スペインの旅 ガウシン村近く山間の隠れ家にて” への2件のフィードバック

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