ウリアスタイからのヒッチハイクで、奇跡的にゴールデンイーグルフェスティバルに間に合った。
一緒に旅をしているクレメントの知り合いが、ウルギ―で働いているので彼の家に泊めてもらえることに。
彼の名前はブディカでドイツ出身。彼は日本のJICAのような組織であるドイツのGIZで働いている。
モンゴル人の女性と結婚し、モンゴルにしばらく暮らしているそうだ。
彼の友人ということで、ゴールデンイーグルフェスティバルのチケットが無料になった。
本当に持つべきものは友人だ。いざゴールデンイーグルフェスティバルへ!
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ゴールデンイーグルフェスティバル
モンゴルの西部アルタイ山脈に暮らす遊牧民には、「イーグルハンター」と呼ばれる人々がいる。
彼らはイヌワシを使ってキツネやウサギをハンティングし、その毛皮で衣類を作ったり、現金収入を得てきた。
その起源は、さかのぼること3000年前のモンゴルにあると考えられている。
そしてウルギ―周辺に住むカザフ族には、いまだにイヌワシを使って狩りをする伝統のイーグルハンティングの技が受け継がれている。
そしてウルギ―では、伝統の「イーグルハンター」たちが集まり、その狩りの腕を競い合うお祭りがある。
それがゴールデンイーグルフェスティバルである!
ゴールデンイーグルフェスティバルは毎年10月の最初の週末に2日間にわたって開催される。
モンゴルイーグルハンター協会という組織が存在し、その組織が主催するイベントだ。
地元の人にも外国からの観光客からも人気で、普段はただの荒野であろう土地は多くの人々で賑わう。
お祭り会場には食事をとれるテントもあり、カザフ族の伝統料理が楽しめる。
ゴールデンイーグルフェスティバルでイーグルハンターは、3つの審査で腕を競い合う。
1: イーグルハンターの伝統衣装、馬にされたデコレーションやイヌワシがいかに美しくイケているか
2: 崖の上からイヌワシが放たれると同時に、崖下の離れた場所で待つイーグルハンターがイヌワシを呼び、パートナーのイヌワシがハンターの腕に戻るまでの時間を競う。
3: 偽のキツネの毛皮が崖下で馬によって引かれており、イヌワシは崖上からイーグルハンターの指示でターゲット(偽物のキツネ)をキャッチしなければならない。その時間を競う。
競技もだけれど、ゴールデンイーグルフェスティバルは、一同に集まったイーグルハンターたちの姿を眺めているだけでも楽しい。
なぜなら伝統衣装を着飾り、馬に乗り、イヌワシを従えたイーグルハンターたちの姿は、かなりカッコいいからだ!!
イヌワシは高い知能をもった動物であり、主人との信頼関係が狩りがうまくいくかどうかの秘訣。
競技はうまくいくこともあれば、うまくいかないこともある。
「オ〜イ、オ〜イ」みたいな感じで叫びながらイヌワシを呼ぶも、別の場所に飛んで行ったりしまったり、
主人を間違えて、別のハンターのもとへ飛んでいくイヌワシちゃんもいたりする。
まったく別の離れた場所に舞い降りて、迷って主人を探しているようにオロオロしているのも(笑)
普段の狩りとは違う環境なので、なかなか難しいこともあるのだろうと思う。
しかし、うまくいった時はしびれるぐらいかっこいい。
体長80-95cm、体重は5-7kg、翼を広げると2mにもなるイヌワシがが崖上から飛び立ち、大空を旋回し、美しく滑降し、獲物を捕まえたり、主人の腕に舞い降りる。
狩りに使うイヌワシはどうやって捕まえてくるかというと、何とメスのヒナを親鳥の留守を狙って巣から盗んでくるそうだ。
イヌワシの巣って、確か崖にあるんじゃないの?すごいな、そこから盗んでくるなんて。
なぜメスのイヌワシかというと、メスのほうがオスよりも体が大きく狩猟本能が強いからだそう。
そして「オーイ、オーイ」と声をかけ、飛び立たせたり、呼び戻したりするところからトレーニングを始めるそうだ。
しかし飼育、調教し一人前のパートナーとなったイヌワシも、7才ごろになると野生に戻す。
7才ごろの年齢だと、まだ野生に戻ることが可能で、その後繁殖もできるからだそうだ。
ちなみにイーグルハンターになるためのトレーニングは13才頃から始めるという。
そして、昔はイーグルハンターといえば男性のみの特権であったのが、近年では女の子もイーグルハンターになりたいという子供がでてきたらしい。
それは初の女性イーグルハンターのパンちゃんが、数年前にゴールデンイーグルフェスティバルで優勝したことがきっかけらしい。
ゴールデンイーグルフェスティバルでは、イーグルハンティングのコンテストだけでなく、他の競技も楽しめる。
ラクダレースやアーチェリー、コクパルと呼ばれる馬に乗りながら山羊の死体を取りあう伝統競技など。
どれも日本じゃ見られない競技でおもしろかったー!
絶対に楽しめると思うので、機会があればぜひとも訪れてみてください。
イーグルハンターの家庭にホームステイしたりするツアーなんかもあるみたい。
このような形で伝統が守られ、受け継がれるきっかけになっているのは素敵だ。
ちなみに今回のゴールデンイーグルフェスティバル優勝者は彼!おめでとうございます!
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ウルギ―周辺の絶景
ゴールデンイーグルフェスティバルを楽しんだ後、彼らがどんな自然の中で狩りをしているのか見てみたくなった。
もしかしたら偶然にも狩りをしているイーグルハンターに会えたりして。(そんな事はありませんでした)
どこかウルギ―近くで探していたら、グーグルマップで面白そうな渓谷を発見。
正式なトレッキングルートではまったくないけど、食料とテントを持って行ってみることにした。
ちなみに1泊2日で歩いたのはこのルート。
行ってみると川沿いの美しい場所だった。
川の反対側にはゲルがいくつかあり、住んでいる人もいるようだ。
川で釣りをしている人たちもいた。結構大きな魚が釣れるみたいだ。
時期は10月の初旬だったが、モンゴルではすでにかなり寒くなる。
寝袋を二重にして眠る。テントで一泊して、朝起きるとすでに山々が雪で白くなっていた。
翌日は川沿いでなくて、山の方にも登ってみた。
すると、渓谷を見渡す絶景が広がる。
ゆっくり昼食を食べながら絶景を楽しんでいたが、この後に突然吹雪になり、自然の厳しさも味わうことに。
二人して頭に雪を積もらせ、ブルブル震えながら村に到着し、「こんな天気のなかテントでもう一泊なんか絶対に無理」
ということで到着した村で親切な村人の家に一泊させてもらって、ウルギ―に戻った。
最後は大変な目にあったけど、モンゴルでは国立公園など特別な場所でなくとも、どこでも美しい自然が楽しめるなー。
おわりに モンゴルの旅を終え、中国新疆ウイグル自治区へ。
さてモンゴルも寒くなってきたので、国境を越えて中国に抜けることにした。
ウルギ―からヒッチハイクでホブドの町に戻り、そこでゴールデンイーグルフェスティバルで知り合った韓国のKoicaの人々と再会。
寿司を作ったりキムチをシェアしたりして再会を楽しんだ。
その翌日にまたまたヒッチハイクで国境に抜ける。
しばらく待っていると、どうみても酔っ払いのモンゴル人たちの車が止まり、少し喧嘩腰な感じで迫られて、「乗っていけよ」と。
酔っ払いの車には乗りたくないので断って、1時間後に来た中国にビジネスに行くモンゴル人に乗車させてもらった。
そしてしばらく走った乗車後2時間後に、見覚えのある車が視界の先に見えた。
その車は横転して、逆さまになって道路わきに止まっている。横にはどうみても先ほどのモンゴル人たちが突っ立っている。
どうやら酔っ払い運転でめちゃくちゃに走って、そうなったみたいだ。
危なかったー!あの車に乗らないで本当に良かった。
ヒッチハイクで知り合った家族とは意気投合して、国境の町で同じ宿の部屋に泊まり夕食も一緒に食べ、ついに国境へ辿り着いた。
中国新疆ウイグル自治区へ到着だー。旅の続きはこちら
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