ボリビア、ラパスの周辺には美しい自然の中を楽しめるトレッキングコースがたくさん。今回は1泊2日で楽しめるタケシ・トレイル(Takesi trail)に行ってきましたので、紹介させていただきます。
タケシ・トレイルは、かつてインカ帝国の人々も交通に利用したインカ道。標高4640mから2200mまで歩くトレイルでは、標高によって異なった生態系、素晴らしい風景とラグーン、石畳のインカ道があなたを待っています。
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タケシ・トレイルまでのアクセス
高原地帯(アルティ・プラーノ)とサブ・トロピカル気候のユングス地方を、40kmにわたってつなぐタケシ・トレイル。このインカ道は、あまり有名ではありませんが、インカ帝国時代アンデス山脈をつなぐ重要な交通の要所でした。
そんなタケシ・トレイルでは、ただ自然の美しさを楽しむだけでなく、インカ時代に建設されたと思われる、洪水から道を守る排水設備や、石畳で整備された道路が現在にも残されています。
標高3200mのVentillaから始まり、標高4640mの峠道を越し、標高2200mのユングス地方の村Yanacachiへと下るルート。1000年以上前にも同じ道を、当時の人たちが歩いていたのだなーと、想像しながら歩きました。
そんなタケシ・トレイルへのアクセス方法をまずは紹介します。VentillaからYanacachiをつなぐタケシ・トレイル。まずはトレッキングの開始ポイントであるVentillaまでラパスから向かいます。ミニバスやシェアタクシーがラパス中心部から出ています。
値段はVentillaまでシェアタクシーで16ボリビア―ノ、時間は40分から1時間ほどかかったかなー。正確に覚えていなくてごめんなさい。
Ventillaまでのミニバスとシェアタクシーが出ている場所はこちら、ロドリゲス市場の近くでCalle Luis LaraとCalle Benancio Burgoaの近くです。早朝からシェアタクシーが出ています。私は6:30ぐらいにシェアタクシーで出発しました。
トレッキング終了ポイントのYanacachiからはラパスまでミニバスが出ています。私は14:30発のミニバスに乗車しましたが、少なくとも16:00まではラパスまでのミニバスが出ているはずです。値段は23ボリビア―ノでした。
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タケシ・トレイル(Takeshi Trail)1泊2日トレッキング
さてトレッキング開始ポイントのVentillaに到着すれば、早速トレッキング開始です。簡単なルートは下記の通り。私は、VentillaからYanacachiまで1泊2日で歩きました。
体力に自信がない人や、ゆっくり歩きたい人は2泊3日がよいと思います。道中2つのコミュニティを通過するのですが、Takesiにはキャンプサイトがあり、Kakapiにはゲストハウスがあります。
後ほど紹介しますが、どちらのコミュニティも数家族がまとまって住んでいる小さなコミュニティです。ただ周囲は豊かな自然に囲まれ美しく、コミュニティに数泊して、人々がどのように暮らしているのか体験させてもらうのも良いかもしれません。
私の場合はトレッキング中に見つけた適当な場所で、テントを張ってキャンプしました。Takesiにはゲストハウスが存在しないので(村人に頼めば泊めてもらえるかもしれませんが)、1日目に25km歩いてKakapiまで行かないのであれば、テントが必要です。
早朝7:30にラパスからのシェアタクシーでVentillaに到着。ここからトレッキング開始できるのですが、私は後ろから来た車にChoquekotaまで乗っけてもらいました。運よく車をつかまえられると、1時間ほど歩く時間と体力を節約できます。
Choquekotaからはズルなしで歩き始めます。途中、村人たちがアンデス地方に伝わるチューニョと呼ばれるジャガイモを乾燥させた保存食を作っていたので見学させてもらいながら。
チューニョは寒暖差の激しいアンデス山脈ならではの食品。採れたジャガイモをならべて外に放置しておくと、夜の間に外気温は氷点下となるので、ジャガイモが凍ります。昼には強い日差しで20℃ぐらいには気温が上がるので、ジャガイモは解凍されます。
これを繰り返してブヨブヨになったジャガイモの水分を足で踏んで水分を搾り取ることによりチューニョは完成するそう。私はちょうどジャガイモをバケツに詰めて足で踏んでいる作業を見学させてもらいました。ちなみにウィキペディアによると、日本の北海道や東北地方でもつくられているのだとか。
このように村の伝統的な暮らしを知ることができるのもトレッキングの楽しみの一つ。
さて話がそれましたが、Choquekotaからはまず、このトレッキングコースの最長地点である標高4640mの峠道に向かって歩いていきます。
テントと食料を担いで標高4640mまで歩くのはなかなか辛いです。リャマが放牧されている壮大な景色の中をしばらく歩いていきます。
急な坂道をゆっくり登っていくと、峠の少し手前で石畳のインカ道がその姿を現します。この同じ道をインカの人々も歩いていたんだなーと思うと感慨深いものがあります。
リャマがこのインカ道で座り込んでいるのを目撃した時には、心を打たれました。
そして峠に到着。頂上からは氷河をまとった雪山や、美しいラグーナの絶景を眺めることができます。
この写真の景色をよく覚えておいてください。この地点ではまだ標高4000m以上のアルティプラーノ。ここから下りに下って2200mのユングス地方に辿り着く過程で、景色がガラッと変わります。
ここから石畳のインカ道が続き、ロマンを感じながら下って行きます。
ついつい裸で泳いでしまいそうになる美しいラグーナも道中に。インカの人も裸で泳いだりしたのかな(笑)
石畳のインカ道をどんどんと標高を下げていきます。リャマがたっくさん放牧されています。
標高3500mほどまで下ってきましたが、周囲はまだまだ乾燥したアルティプラーノです。
整備されたインカ道がまだまだ続きます。思っていたよりも良いコンディションでインカ道が残されているのに驚きです。
ついにTakesiコミュニティに到着しました。タケシという名前ですが、日本人とは全く関係はないそうです。すいません。
5家族が住んでいる、小さなコミュニティです。
石を積み上げてできた通りや、小屋など。ここに住む家族は現在でも伝統的な暮らしを続けているのでしょうか。数泊してコミュニティでの暮らしを体験させてもらいたい。
タケシコミュニティを越えてトレイルを引き続き下り始めると、少しずつ景色が変わり緑がふえてきます。
ここからは少しの間川沿いを歩きます。私はこの川から水分補給しました。お腹が弱い方はやめた方がいいかもしれません。そして、この川のほとりにテントを張ってキャンプできる場所もあります。2泊3日でのトレッキングを予定されている方は、ここでのキャンプがおすすめです。
私はまだまだ先まで歩き、Kakapiの手前で見つけた場所でテントを張ってキャンプしました。私一人以外誰もいない静かな夜。
キャンプファイヤーをして鳥のさえずりを聞きながら、暮れてゆく夕日と一日の始まりを告げる朝日を堪能。たまには一人で自然の中で過ごす最高に贅沢な時間。
2日目、登ってくる太陽を正面にカカピ(Kakapi)コミュニティまでトレッキング開始です。
景色もガラッと変わって、緑が溢れるユングス地方の山です。高さのある木も生えていて、まったく異なった自然環境。標高によってこんなにも生息できる植物が異なるんだなーと、身をもって実感させられます。
アルティプラーノ乾燥した大地にしばらく滞在し、その景色に目が慣れた目には、この緑色が何と美しい事か。
少し下って行くと、カカピコミュニティに到着です。到着した瞬間「なんて羨ましい。なんて美しい場所に住んでいるんだ!」と思わずため息が何度も出てしまうほどの自然の中にコミュニティが。
1泊2日で時間がなかったのがもったいない。このカカピコミュニティには泊まってみたかったー!!緑もあって、山もあって、川もあって。
時間があれば絶対泊まった方がいいです。実際の景色は写真以上に度肝を抜かれるほどの絶景です。心いやされます。
カカピコミュニティから引き続きトレイルを下って行くと、周囲の景色はサブ・トロピカル気候ともいえるような自然環境になってきます。バナナに似たような木も生えています。
トレッキング開始ポイントの景色覚えてますか。まったく違う自然環境。これがこのタケシ・トレイルの一つの魅力に間違いありません。
透き通った美しい川を渡り、しばらく歩くとトレッキング終了ポイントの手前でありChojira村に到着します。ここでもう一度、地図をのっけておきます。
ここで長い道のりを歩き疲れた人に吉報です。このChojiraからYanacachiまではミニバスも出ています。私の足は、この時点でガクガク、精神的にも疲れていたので、迷わずミニバスでYanacachiへ(笑)
Yanacachiにはご飯を食べられる食堂もいくつかあります。私はタケシ・トレイルを歩き疲れてへとへとになっていたので、ここでガッツリ昼ご飯を食べてからラパスへとミニバスで戻りました。
私は14:30発のミニバスでラパスに戻りましたが、少なくとも16:00まではミニバスが出ているはずです。23ボリビア―ノでした。2時間半か3時間ほどでラパスに到着します。
おわりに
いかがでしたでしょうかタケシ・トレイル。ガイドブックなどにも情報が少ないと思うので、少しでも多くの人々の参考になれば幸いです。
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