聖なる谷ウルバンバに滞在して1ヵ月。ここは、世界一長くて6000m級の山が20座以上あるアンデス山脈のど真ん中。周辺には雄大で壮大な自然が広がっています。
そんなアンデスの山を楽しむため、ウルバンバ→ラレス温泉→パタカンチャと超穴場のコースを1泊2日でテントを持って歩いてきました。辺境のコミュニティを訪ねながら、温泉で1泊して、4700mの峠を越えて、登山と温泉好きの私には最高のトレッキングコースでした。
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トレッキング1日目: ウルバンバからラレスへ
トレッキングの初日。今日はウルバンバから峠を越えて向こう側の谷へと33km、標高差2000m、最大到達地点4700mをテントを担いで歩く。日本じゃ考えられない標高!
これまでの経験上だいたい10時間ぐらいかかるかなーと思っていたので、まだ薄暗い朝の6:00には出発。荷物をできるだけ少なくするために、夕食はラレスで食べることにして、今日の分の昼食だけ持っていきました。
標高2700mから始まるこのトレッキングルート(穴場すぎて名前はまだない)。最大到達地点の標高4700mに登るまで、緑あふれる景色から岩ゴツゴツの山へと、標高によって周りの自然環境がどんどんと変わっていきます。
序盤は、窮屈そうな谷の間を川沿いに登っていきます。このエリアは、水が豊富にあり湿気があるマイクロクライメイト。緑が豊かで苔さえ生えています。
まだ早朝で薄暗く、冷やりとした大気。川の流れる音に耳を傾けながら気持ちよく歩いていきます。
しばらく川沿いに登っていくと青空と景色が広がってきます。両サイドには強大な山。まさにこの谷を通るしかないという環境。下の写真の山の間を目指して歩いていきます。登山ルートはかなりクリアです。
しばらく歩いていくと、いくつか家があるのを発見。こんな山奥にも住んでいる人々がいるんだ。ロバやアルパカ、リャマが放牧されています。
集落を越えて今まで歩いてきた道を振り返る。いつも思うけど、よくこんなに歩いてきたなーと感心する。まだまだ先は長いけれど。
トレッキング開始からずっと川沿いに歩いてますが、まだまだ川沿いに歩いていきます。目の前に滝がありますが、滝の横にジグザグの登り道があり、そこを登っていきます。滝の上部に出ると、また違った景色。
うわー!何この景色。すっごいきれい。
自然の美しさにはいつも心を躍ろされ、引き込まれます。だからトレッキングは楽しい!!
こちらは滝の上部から。この川の下は滝になっています。あまりにきれいなので、ここでしばらく休憩。持ってきたミカンやピーナッツを食べる。あ、ちなみにトレッキングにはいつもミカンを持っていきます。疲れた時にあの甘さと水分が最高なんです。
さあー景色もどんどん良くなってきたし、元気も出てきました。まだまだ先に歩いていきます。目の前にはまた滝が。また滝の横登るのかな?
標高もかなり高くなっているはずですが、豊かな水のおかげで乾季と言えど山は青々としています。写真の奥(滝の後ろ側)に見えているのが、越えなければならない峠道。まだまだ距離があります。
正面に見えていた滝の横をまた登っていき、頂上に到達すると、またまた別世界が広がっています。
お次は乾燥した高原地帯。背の高い木は姿を消し、ゴツゴツとした岩が目立ちます。
ここで標高4000mほど。重い荷物を背負って歩くのは少しきつい。
息をゼェゼェ切らせながら登り道を登っていると、後ろからかわいい民族衣装を着たおばちゃんが犬と一緒に登ってきた。
先ほど見かけたアルパカや羊を放牧してあった家の住人のよう。こちらが息を切らしながら登っている急斜面を、後ろから携帯で誰かと電話しながらも、息も切らさず余裕で追いついてきた。
かわいらしいお花が付いた帽子をつけている愛らしい姿とは裏腹に、すごい体力。
そして「ちょっと頭が痛いんだけど、薬持ってる?」って。病気なのに、余裕で標高4200mほどの山で急斜面を歩き回ってるなんて。かないません。
おばちゃんに別れを告げ、さらに先へ。ここまで来ると、少し歩くごとに休憩です。すぐに足も疲れるし、息も切れるし、全然進まない(笑)
景色も石や岩ばっかりになってきました。
そんな中、目の前に現れたラグーン!こんな荒涼とした大地だからこそ、命の象徴である水をたたえたラグーンが一層美しく見える。
峠道までもう少し。近いんだけど、進まないから遠い。
這うように進んでいき、何とか頂上に到達。ここで4700m。これまで歩いてきた道を振り返ります。
あんなに青々としていたトレッキングスタート地点から、こんなゴツゴツした岩しかない大地へ。もう別世界です。
これから下って行く峠道の向こう側の景色はこちら。たくさんラグーナがあります。
さーて頂上まで登り切ったので、後は下るだけ!
踊るように、美しいラグーナのたくさんある道を下って行きます。今までの苦労が嘘のよう。
あーこんなラグーナで泳ぐ時間とかあったら良かったな~。こんな場所でテント張ってキャンプしたいなー。
いやいや道中にラグーンありすぎ。しかもどれも絶景。
そしてリャマが放牧されている。こんな景色の中にいると、アンデス山脈の山にいるんだなーと実感する。
しばらく下って行くと、ようやくコンカニ(Concani)の村が見えてきました。ウルバンバからここまで25kmほどでしょうか。
まだ温泉のあるラレス(Lares)まで8kmほど歩くのか―と思いながらコンカニの村を歩いていると、後ろから何と車がやってきたー!荷台にも誰か乗ってるし。
疲れていたのヒッチハイクすると乗せてくれました。何とラレスまで行くとの事。ここからラレスまでは車道を歩くだけになりそうなので、もう車に乗らせていただきます。
そんなこんなでラレスに到着。明日のトレッキング用の食料を調達し、夕食も食べて、念願の温泉へ。
何とこの温泉。敷地内にテントを張れるスペースがあるのです。入場券とキャンプ券で、合計400円ほど支払いました。
浴槽は5つあり、浴槽ごとにお湯の温度が違います。海外の温泉というと、ぬるーい事が多いのですが、ここは日本の温泉のように40度ほどある浴槽も!
クスコからわざわざ温泉のために来ていた90歳のおじいちゃんも、「クスコ周辺だとこの温泉が一番だな!」とご満悦でした。
今夜はここで1泊。
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トレッキング2日目: ラレスからパタカンチャへ
温泉にゆったり浸かって、疲れを癒して迎えた2日目。今日はラレスからウアカワシを経由して、パタカンチャへ向かいます。距離は22km、標高差1570m、最高到達地点は4450m。昨日よりも少し楽かな?
ラレス温泉からトレッキングスタート。まずは川沿いを、アンデスの集落を通り抜けながら登っていきます。
アルパカ?リャマ?がお出迎え。観光用ではなく、普通にたっくさん放牧されています。
ウアカワシの村に到着。かなり辺境のアンデスの村です。
この辺の村になると、村人のほぼ全員が民族衣装を身にまとっていました。観光用でもなく、特別な日だけということもなく、村人の日常にある民族衣装。なんて美しい。民族衣装でバイクで走り回ったり、農作業しているという。
子供達も、かわいらしい赤のポンチョ。ブエノス・ディアス!
ウアカワシの村を離れ、パタカンチャへの峠道を目指してどんどん歩いていきます。昨日のウルバンバからラレスまでのルートよりも、村人たちの暮らしがあり、リャマやアルパカがたっくさん。
こんなにたくさんいたら、どのアルパカが自分のアルパカかどうか、どうやって判断するのだろう。牛みたいに識別番号が付いてるわけでもなさそうだし。
誰だ2日目は初日よりも楽そうとか思ってたやつは?昨日からの疲れもあり、キツイ。全然進まない。
こんな標高で歩き回ってるアルパカとリャマすごい。放牧してるおばちゃんもすごい。
もう頂上の4450m近くだというのに、アルパカが放牧されていて、草を食べてる。人はこんな土地までも活用して生きている。
さて頂上に到着し、このトレッキングもクライマックスへ。
後は下るだけ!
しばらく下って行くと、かなり大きいラグーンが。このラグーンの恩恵を受けて、周辺では家畜が草をムシャムシャと忙しそうに食べている。
ニュージーランドやオーストラリアでは羊を誘導する犬「シープドック」が活躍していたけれど、ここではリャマとアルパカを犬が巧みに誘導していた。
このラグーンを通過したあたりから天気が崩れ、雪が降ってきた。乾季なのにめずらしい。
パタカンチャに近づくにつれて、家の数も徐々に増えてきました。
同じような景色に、雪で濡れた体。早く家に帰りたいなーと思い始めてきたころ、遂にパタカンチャの村が見えてきました。
パタカンチャの村からは、オジャンタイタンボまでのミニバスが出ています。1時間に1本ぐらいはあるようです。
ミニバスを待っている間に、仲良くなった女の子。カラフルな帽子が、かわいすぎる―!!
雄大なアンデスの景色と、辺境に住む人々の暮らし、そして温泉まであるこのトレッキングルート。興味がある方は、おすすめですので是非とも自分の足で歩いてみてください!
おわりに
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