トレス・デル・パイネ国立公園もだんだんと寒さが増してきた4月初旬。オーガニックガーデンでのボランティアを終え、温かさを求めて一気に4000kmも北のサルタへと大移動してきました。
南米大陸の果て「ウシュアイア」まで行くことも考えたのですが、厳しくなってきた寒さの中ここから1000kmも南に行くのは辛い。寒さが本格的になる前に、早く温かい場所に行きたい。最短距離で温かい場所へ行けるルートはどこだ?
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とにかく早く温かい場所へ!アルゼンチン国道3号線をヒッチハイクで北上
パタゴニアの寒さも少しずつ厳しくなってきて、この地方の典型的な強風が吹く日なんかはもう。温かい場所に行きたい。この寒さじゃもうテント泊も辛くなってくるだろうし。
ということで最短距離でアルゼンチンを一気に北上することに。地元の人に話を聞いていると、ウシュアイアからブエノス・アイレスまで貨物を運ぶトラックがたくさん通る国道3号線が、ヒッチハイクに良さそう。
カウチサーフィンのWeb上で「とにかくパタゴニアが寒いから、国道3号線沿いに友人のいるコルドバまで北上します。ヒッチハイク旅の道中、親切な方々もし良ければ助けてください」と投稿。
すると、Bahia Blanca(バヒア・ブランカ)、Santa Rosa(サンタ・ローサ)、Rio Cuarto(リオ・クアルト)のホストから招待のメッセージが。バヒア・ブランカまでは2000kmだけれど、そこからサンタ・ローサまでは300kmで、リオ・クアルトまではさらに400km。リオ・クアルトまでくれば、友人宅までは近い。
早速チリのプエルト・ナタレスからアルゼンチン国境、さらに北を目指して北上開始。初日のヒッチハイクは小雨と強風の中。正午からヒッチハイクを始めたこともあり、200kmしか進めず。
その日はもう21:00近かったので、到着したEsperanza(エスペランサ)という何もない小さな町のガソリンスタンドのスペースにテントを張らせてもらいました。思い通りにならないのが人生なのだからしょうがない。
お隣さんはバイクでコロンビアから南下してきた旅人。アルゼンチンを旅しているヒッチハイカーやバイクで旅している人にとってガソリンスタンドでテントを張らせてもらうのは定番のよう。他のガソリンスタンドでも何組も見かけました。
ヒッチハイク2日目、今日はどこまで行けるのか。朝の8時からヒッチハイクを開始。1台の車が通り、国道3号線の交差点まで。ここから北上を開始すべく、道路脇に立って車を待ちます。相変わらず風が強くて冷たくて、すごく寒い。
1時間30分ほど待っていると、大型トラックが止まってくれました。アルゼンチンでは、長距離を運転する大型トラックの運転手にいつもお世話になっています。
「どこまで行くの?」と聞くと、「ブエノス・アイレスまで行くよー」とのこと。何も問題がなければ3、4日目で到着するだろうとの事!ぜひともお供させてください!
結局3日間Bahia Blankaまで、このトラック運転手のおじさんと一緒でした。だいたい1日に800kmほど移動していました。軽快な民謡を聞きながら、湖岸沿いをぐんぐん北上。
パタゴニア南部のワナコと呼ばれるリャマに似た動物が歩き回る乾燥した大地から、北に移動するにつれて少しずつ少しずつ緑が広がってきます。どこまでも広がる平坦な大地。同じ景色の中を延々とドライブ。アルゼンチンって本当に大きい。
移動している間は、おじさんにマテ茶を作ってあげたり、トラック内でガスを使って調理をしたり(危ないし違法ですが、みんなやってる)。トラックの中には何でもある。調理用のフライパン、鍋、油に調味料。
夜になると大型トラックが停車できるスペースがあるガソリンスタンドで1泊。トイレも、シャワーを浴びれる場所もあり快適。テントを空きスペースに張らせてもらって、買ってきた肉をトラックの運ちゃん達とバーベキューして就寝。
そんな日々を3日繰り返して2000km、ようやくBahia Blanca(バヒア・ブランカ)に到着。バヒア・ブランカでは3日間カウチサーフィンでセバスチャンの家にお世話に。
バヒア・ブランカから300km離れた、ラ・パンパ地方の都市「サンタ・ローサ」でもカウチサーフィンで3日間フリアンの家にお世話になり、寿司を一緒に作ったり。そこから400km離れた「リオ・クアルト」でも素敵なハビエル一家にお世話になったり。
どこにいってもお願いされるのは寿司づくり。もう巻き寿司も、ベジタリアン寿司も、ヴィーガン寿司もおまかせ。かなりスキル上がってきてます。
「リオ・クアルト」を離れた後は、懐かしの「カルロッタ」を訪れました。ここにはコルドバの友人の両親が住んでおり、去年2018年の8月にも訪れたことがあり、8ヵ月ぶりに2回目の訪問。
やっぱり再会っていいなー。「おートモヤ!アルゼンチンやチリの旅はどうだった?」「また会えて良かった!」なんて、なんだか懐かしく温かい気持ちになります。一方でまだ再会できないでいる友人たちへの思いも募る。
前回訪れた時のように、今回も周辺の学校を訪れてこれまでの旅について学生たちに少し話す機会をもらったり、
彼の友人であり、クラフトビールを作っているパリートの家に遊びに行かせてもらったり。アルゼンチンの伝統食であるロクロやアサドを堪能させてもらいました。彼らの家では電車のレールに使用されていた木材が階段に使われていたり、古い馬車の車輪が窓枠に使われていたりと、素敵な家でした。
自家製の燻製ハム!
自家製のクラフトビール!
そしてアサドバーベキュー!
こんなに楽しい時間を過ごした後は、コルドバへ。ここでも友人の家に入り浸り。パタゴニアでの旅の疲れもあって、10日間ぐらいずっとダラダラ過ごさせてもらいました。
イースター休みで友人たちが旅行に行っている4日間は、鍵を貸してもらって、まるでひきこもりのように完全に一人で住んでいました。
9ヵ月ぶりに戻ってきたので、彼らの恋人が変わってて戸惑いもあったけれど、まあ9ヵ月もあれば色々ありますよね。
ここコルドバでも楽しい時間。友人のマテオの誕生日だったので一緒に盛大に祝ったり、
もちろん寿司も作りました。サーモンは1kgで900ペソ(3000円)と高いけれど、みんなで割り勘。
お世話になったコルドバの友人宅を離れ、ゆっくりとサルタまで向かいます。
道中はカウチサーフィンにお世話になりながら。最初のストップはサンティアゴ・デル・エステロ。マティアスは町中を案内してくれ、ビビアナは自宅に招待してくれ夕食に自家製パスタをご馳走してくれました。
アルゼンチンはフレンドリーでオープンな人が多くて、色んな人々に出会いながら旅しています。
トゥクマンでもカウチサーフィンでお世話に。
ヒッチハイクをしていて、犬と一緒にヒッチハイクしているカップルに出会ったのは驚いたけれど(笑)
そして無事にサルタに到着。ここサルタにはニュージーランドで一緒に働いていたフェデリコを訪ねてきました。
フェデリコは1ヵ月前に結婚してハネムーンから帰国してきたばかり。そんな彼らの新婚ほやほやの新居にお邪魔してきました。
ここでも彼らの友人達にたくさん出会いました。ここでもお礼に寿司を作って恩返し。彼らの友人達も誘って。
1週間ほどいましたが、そのうち4日間はアサドバーベキューを食べていました。毎日のように食事に招待されたり、招待したり。この仲間や家族との時間を大切にするのがアルゼンチン流。
サルタにいると何だか日本に帰って来たような気分になることも。風景がどことなく日本に似ているんです。山が連なり、緑が深い。湿気も多く。降水量も多い。
ここサルタはアンデス山脈の麓にある都市。トレス・デル・パイネ国立公園にいた頃から久しぶりにアンデス山脈に帰って来たことになります。同じアンデス山脈でもパタゴニア南部とは大違いの自然。
フェデリコが休みの日曜日には、彼の趣味のセイリングに連れて行ってもらいました。緑あふれる山に浮かぶ湖で。
ボートに帆を張るところからお手伝い。風に乗って、湖に飛び込んでいく。
風が吹く方へ。まだまだ旅は続きます。
おわりに
現在は、サルタを離れウアムアカというフフイ(Jujuy)の北部の町に来ています。
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