1ヵ月以上も滞在したランチョ・エル・サグラドを離れ、やってきたのはオアハカ州の太平洋沿岸部。
長い間、山間部の森に囲まれた場所に滞在していたので、沿岸部に到着して海を見ると何だか懐かしい気分になった。
このまま美しい海岸沿いに進み、チアパス州を目指して旅は続く。
マスンテ ヒッピーも多く住むという美しい海辺沿いの街
ランチョ・エル・サグラドでお世話になったラケルとフリオに、プエルト・エスコンディドで別れを告げる。
「ここはあなたの家でもあるのだからいつでも帰ってきてね!」
「たくさんの思い出をありがとう」
1ヵ月以上も共に過ごしたので別れは名残惜しいけれど、旅をする上で別れは避けられないものだ。でも切ない。
プエルト・エスコンディドの郊外からヒッチハイクを開始すると、別れの寂しさを味わう暇もなく、すぐに一台の車が止まってくれた。
グアナファトからの旅行者たちで、数日休みがあるのでオアハカを旅行しに来たという。
車に乗せてもらえた瞬間からビールを奢ってくれ、そのままマスンテのビーチでも一緒に過ごすことに。
メキシコを旅していると陽気な人が多くて楽しい。
マスンテは美しいビーチがあり、その背後には丘が広がる風光明媚な場所だ。
下の写真のような美しい風景の中、ビーチ沿いのレストランでセビーチェを食べながらビールで乾杯するのは最高。
そして日光がさんさんと降り注ぎ、とにかく暑い。
ちなみにマスンテ付近のジポリテにはヌーディストビーチがあって、何も隠さず裸で歩いている男女をよく見かけた。
だがマスンテのビーチにはヌーディズム禁止の看板が(笑)こういう風変わりな看板があるのもマスンテらしくて面白い。
それでもビーチではトップレスの女性が堂々と浜辺に寝そべっていたけれど。
マスンテのビーチがある場所から、大西洋に突き出た半島がプンタ・コメタ。
ここはメキシコで一番南に位置する場所だということで有名らしい。
プンタ・コメタには、ビーチから片道30分ほどで到着できる。
森に囲まれた丘を登り、半島の先端に向かって歩いていくのだが、道中の景色も絶景だ。
半島をぐるっと回るように歩くことができるトレイルがあって、潮風を感じながら美しい自然を堪能できる。
マスンテのビーチは大勢の人で賑わっているが、プンタ・コメタのビーチはほとんど人もいない。
静かにビーチで過ごすのが好きな人には、ここまで歩いてくる価値がある。
そしてこのトレイルは下の写真のように絶景の連続だ。
ちなみにマスンテでは、カウチサーフィンでアレハンドロのお宅にお世話になっていた。
彼はヌーディストビーチがあるジポリテの近くに住んでいて、そこで夕暮れと何も隠すことなく行き交う人々眺めながらビールを一緒に飲んだ。
ここジポリテはかなり開放的な雰囲気で、夜な夜な様々なパーティーがあるのだとか。
マスンテ滞在の二日目には、アレハンドロの家から一番近くにあるアラゴンビーチ(Playa Aragon)と、サン・アグスティニージョ・ビーチ(Playa San Agusutinillo)へ行ってみた。
アラゴンビーチにはレストランや売店、トイレなど何もなく、自然な海辺が広がるのみ。
その分人の数も少なくて、静かに時間を過ごすのには最高の場所だった。
一方サン・アグスティニージョ・ビーチには多くのレストランがあり観光客も多い賑やかな雰囲気だ。
ちなみにアラゴンビーチからサン・アグスティニージョ・ビーチまでは、海岸沿いに歩くことができて、海沿いを歩くのが好きな人にはオススメ。
夕暮れ時、気温も少し下がってきたので、裸足で海辺沿いをジョギングしてみる。
素足に感じる砂の感触、肌に感じる程よい日光の温かさ、体を動かすと何とも開放的で心地よい気分になる。
走り疲れた後は、夕日を眺めながら海に飛び込む。まるで生まれ変わったかのような気分。
海は人の心を穏やかにさせる。
ウアトゥルコ オアハカ州の小さなビーチリゾート
数日間滞在したマスンテを離れ、次に訪れたのはウアトゥルコ。
入り組んだ入り江とビーチが美しい、メキシコでは有名なリゾート地だ。
ただリゾート地といってもカンクンのように巨大なホテルが立ち並んでいるわけでないのがいい。
隠れるようにある小さなビーチもあり、シュノーケリングをするとカラフルな魚たちが泳いでいた。
そんなウアトゥルコでもカウチサーフィンで、アレハンドロの家に泊めてもらっていた。マスンテのホストと同じ名前。
彼とも一緒にウアトゥルコ周辺のビーチを訪れたり、日本食を一緒に作ったりと楽しい時間を過ごすことができた。
ちなみに作った日本食は海老出汁のラーメン、チョリソー入りのチャーハン、お好み焼きなどなど。
海老出汁は初めてやったけど、殻を炒めて煮るだけでこんなにうまいスープができるとは驚きだった。
ウアトゥルコでは、ずっとアレハンドロと一緒に過ごして、朝は家でゆっくり、午後になるとビーチに行く生活。
まず連れて行ってくれたのは、Playa El Tejon。急登を下った先にある小さくて、静かなビーチ。
ここでは彼の友人も一緒に、セビーチェをつまみながら午後をゆったりと過ごした。
続いて訪れたのは、Playa el Violín。
下の写真のように切り立った崖に挟まれたビーチで、シュノーケリングでカラフルな魚を観察することもできる。
それにしても海の色がきれいで、泳いでいるだけで気分が上がる。
そして最後に訪れたのは、ウアトゥルコの中心部から離れた場所にある、Bahia De Cacaluta。
ウアトゥルコ国立公園の内部にあり、ジャングルに囲まれた遊歩道の入り口から歩いて30分ほどかかる。
アクセスが不便なためか、ここまで来る人はかなり少ない。
だがジャングルを抜けると、目の前には広大に広がる砂浜とビーチ!
ここは「ウアトゥルコで一番美しいビーチ」だと、アレハンドロもオススメの場所だ。
ウアトゥルコはリゾート地といっても、こじんまりとした雰囲気で気に入った。オアハカ州に来る機会があればぜひ訪れてほしい場所。
数日間ウアトゥルコで過ごした後、サリナ・クルスまでのヒッチハイキングしたのだが、かなり苦労した。
というのも中南米からアメリカを目指す移民が、海岸沿いに北上するルートになっているからのようだった。
実際にたっくさんの人々が大なり小なりのグループで、家族連れで小さな子供を抱えながら、道路上を徒歩で歩いていた。
彼らは移民局に捕まるのでバスなどを利用することはできないようで、移民たちは徒歩でメキシコを縦断し、アメリカとの国境を目指す。なぜ徒歩だと許可されているのかは謎…。
メキシコの人々も最初は車に乗せたりと助けていたようだが、警察に捕まり職質されると問題になってしまうため、助けてあげたくても助けられない状態だという。
せいぜい食事や水を提供するぐらいしか、助けることができない…。
実際にベネズエラから歩いてきたという移民の人と少し話をしてみると、パナマとコロンビアの間にある無法ジャングル地帯も歩いて抜けてきたと。
「あなたは南下してるようだけど、帰るのか?」って聞かれたけど、私はただの旅行者なので。
後に知った事だが、中国からメキシコに経由でアメリカを目指す人々もいるらしく、アジア系の人が彼らと一緒のルートを歩いているのは決して珍しくないよう。
お金も持っていないようで、アメリカまではめちゃくちゃ困難な道だ…そして入国できるのかもわからない。
そんな彼らが歩いて北上していくのを複雑な思いで眺めながら、何とかヒッチハイクで暗くなる前にサリナ・クルスへ到着。
ここでもカウチサーフィンでお世話になったのは、ヒランの家。
数日間、彼の家で過ごさせてもらい、チアパス州を目指すのであった。
おわりに
インスタグラムやエックスでは、旅の最新情報をお届けしています。よろしければフォローお願いいたします。
コメントを残す