遂に中国最西端の都市カシュガルにやってきました!まさかの砂嵐アクシデントで電車が止まり、車内で2泊してようやくカシュガルに到着。まだ朝6:00なのでバスも走っていなかったので、旧市街まで5kmほど駅からとぼとぼと歩いていくことに。
駅から旧市街までの間には近代的な高層ビルが立ち並び、他の中国の都市とさほど変わらない様子。
旧市街の一部は観光客の為に新しくなって残されているようですが、さてここにはどんな暮らしがあり、どんな出会いが待っているでしょうか。
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中国最西端かつてシルクロードで栄えたオアシス都市カシュガル
中国最西端にカシュガルはあります。その昔、世界を結んだ交易の道シルクロード。カシュガルはシルクロード上の重要なオアシス都市として、その昔から栄えてきました。
西安から敦煌まで続くシルクロード(オアシスの道)は、敦煌でタクラマカン砂漠を挟んでコルラやクチャを経由する西域北道と、ホータンなどのタクラマカン砂漠南のオアシス都市を経由する西域南道に分かれます。そして二つの道は再びカシュガルで合流するのです。
そしてカシュガルからシルクロードは再び三方へルートが分かれます。北方へ向かうと天山山脈を経てキルギスタン、西方へ向かうとパミール高原を経てタジキスタン、南方へ向かうとカラコルム山脈を越えてパキスタン・インドへと、シルクロードは続いていきます。あのマルコポーロも旅の道中カシュガルを訪れています。
新市街を歩いていた時は、他の中国の都市とあまり変わらないなーと感じていましたが、カシュガルの旧市街周辺を歩いていると、これまでの中国の雰囲気とは一味も二味も違います。街にはイスラム建築が建ち並び、ウィグル人特有の帽子をかぶった彫が深く長い髭をした男性達や、色とりどりのスカーフを巻いたウィグル人の女性達が通りを行き交います。
異国情緒が漂い、中国というよりも中央アジアの文化圏へ入ってきたことを強く実感できます。
カシュガルの中でも昔の佇まいを残し、保護されているのが老城と呼ばれる旧市街です。ただ街の人々に話を聞いていると、老城にも中国の再開発の波が押し寄せていて、古い建物は壊されどんどんと新しく建て替えられているそうです。中国政府が旧市街を取り壊して新しく作り替えている事は、悪い事ばかりではないだろうとの声もありました。水道や電気設備など大幅に改善された部分もあるとのことです。
しかし、中国のウイグル自治区はチベットと同様に、中国同化政策が進められていることも事実です。政策としての漢族の大量移住により、現在ではウイグル人よりも漢族が上回るほどになっています。ウイグル自治区とは表面上の名で、漢族による実効支配となっているそうです。現在でも中国政府による政府反対派の政治犯などの虐殺、強制収容などがあるのも事実。近年では小学校からウイグル語による授業や教材が廃止されています。古くからのウイグルの伝統やウイグル語や文化が破壊されること、何よりウィグルの人々がニコニコした笑顔の裏で抑圧されているのを感じるのは心が痛みます。
旧市街や郊外でもそうですが、不自然なように至る所にある中国国旗。ウルムチもそうでしたが、他の都市に比べて警察の数が目に見えるほど多かったです。英語が少し話せるウィグルの人と方と出会い、少し政治関係の事情について話しました。しかし旧市街では公安のコントロールが厳しいので話さない方がいいと言われ、町のはずれの隠れ家バーまでわざわざ行って話したことをよく覚えています。しかしそのバーは漢族のおっちゃんの経営で二人の仲は良さそうでした。政治は政治で人々同士のつながりは別でした。政治とは無関係の人々のつながりには少しほっとしました。
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旧市街と郊外の村を散策
老城でもすこし細かい通りに行ったり、老城から少し離れたまだ再開発の手の届いていない集落や村を訪れると、昔ながらのウイグル人たちの生活を垣間見ることもできます。イスラム建築の住居が迷路のように入り組んだ通りに建ち並んでいます。まるでシルクロードの拠点として栄えていた中世時代にタイムスリップしたようです。
郊外に少し出るとレンガで作られたウィグルの人々の伝統的な建物を見る事ができます。また各家が章有する畑もあって、果物や様々な野菜が育てられています。雨も少なくかなり乾燥した土地のように思えますが、オアシス都市だけあり、地下水などが豊富にあるそうです。
町の中心部ではそれほどでもなかったけれど、郊外に出ると人々はとてもフレンドリーでニコニコしながら話しかけてくれたり、挨拶を返してくれました。時には家の中まで案内されたり、メロンを食べていけと誘ってくれたり。
まだ昔の状態のまま残されている地区もまだありますが、近いうちに取り壊されるかもしれないと聞きました。ぜひともウィグルの人々の伝統や文化を尊重した開発をと願います。
カシュガルで見かけた食べ物と賑わうバザール
カシュガルに来て楽しめるのは独特の文化を持つウィグル族伝統の美味しいごはんでしょう。トマトベースで様々なスパイスが効いた麺”ラグマン”。羊肉が入った炊き込みご飯”ブロフ”や鶏肉や羊肉、牛肉の炭火串焼きシャシュリクなど、グルメにはたまらないラインナップです。
ウィグル自治区ではタンドーリ窯で焼いた各種ナンがとても有名です。通りの至る所にはベーカリーがあり、香ばしいナンの香りが漂っています。
そしてカシュガルを訪れた際に欠かせないのがバザールを訪れること。ここでは多様な店が所狭しと並んでおり、毎日大変な賑わいを見せています。カシュガルに来てここを訪れないわけにはいきません。ウイグル自治区でもかなり大きな規模のバザールです。
郊外で開かれる家畜市場
カシュガルの郊外では家畜市が開かれ、周辺の村から様々な動物が売買されています。バザールの近くから出るバスに乗ると、家畜市場へ向かうウィグルの人々でたくさん。そしてたくさんのトラックなどが家畜を連れてバザールへ向かっていきます。
家畜市場に到着すると、牛、羊、ロバ、馬、ラクダなどが運び込まれ、ぎゅうぎゅう詰めに動物たちがつながれています。ウイグルの男性たちが交渉し、値段が決まり握手をして交渉成立です。契約書なんか必要ないのがウィグル流です。日本では絶対に見られない光景。
おわりに
かつてシルクロードの拠点として栄えた歴史を感じ、ウィグルの人々の温かさに触れたカシュガルの旅。カシュガルを離れた後はさらに南下し、絶景のカラクリ湖、パキスタンとの国境近くの町タシュクルガンまでも足を伸ばしてみました。その旅についてはこちら、
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