[ガボン] ゾウやゴリラに会える? 多様性に富んだロペ国立公園

リーブルビルを離れ、ガボンの内陸部への旅を始める。

まず最初の目的地は、ロペ国立公園内にあるロペ村。

首都を離れると、どんどんと深くなる森、森、森。

ガボンで最長のオゴウェ川をさかのぼるように、ガタガタの道を車は激しく揺れながら進んでいく。

ロペ国立公園へ 草原の広がる丘、オゴウェ川、熱帯雨林、多様性に富んだ土地

リーブルビルの市内からロペ国立公園に向けてヒッチハイク開始。

まずは家の目の前のビーチ沿いの道で待っていると、市内で働く親切なアルジェリア人が車に乗せてくれる。

そして次はガボンで林業を営む中国人。彼は中国の未来を危惧していて、共産党への批判など、中国国外でしか話せない面白い話を色々と聞かせてもらえた。

ンジョレ(Njore)という街で昼食を食べ、アレンべ(Alembe)からロペ方面に右折すると、そこからは全く舗装されていない、ジャングルを切り開いたガタガタの道が始まる。

あまりの悪路なので車の時速は平均して15kmほどだろうか。

道中、正面衝突の事故にあって、動けなくなった車が2台止まっており立ち往生していた。

こんなジャングルの中では助けが来るのにも時間がかかる。気の毒だが、彼らは今夜その場で一夜を過ごさなければならないようだ。

19:00頃やがてあたりは真っ暗になってもジャングルの中を進んでいく。暗闇で周囲の景色が見えないのが残念だが。

そして22:00頃、ようやくロペ村に到着。小さな村だが、この時間になっても人々は歩き回っているし、バーでビールを飲んでいる人々もいる。

長旅で疲れた体で今夜の宿泊先を探す。夜中に探すのは簡単ではない。村はずれの警察署にテント泊することも考えたが、少し村から距離がある。

結局は村でバーを経営する親切なカップルに、「外でバッファローやゾウが出没して危ないから」と、彼らの住む敷地内にテントを張らせてもらえる事となった。

西アフリカではあまり見かけなかったが、ガボンでは木材が豊富にあることから木造の家が多く、村の家屋や彼らの家も木造だった。

テントでぐっすり眠った翌日、展望の良さそうな小高い丘に登ってみようと思って歩き始める。

道中では川で洗濯する母親と子供達。田舎のガボンらしいのどかな風景。

昨日は暗くて気づかなかったが、ゾウ出没の標識もある。

また列車の通る線路も、壮大な景色の中に続いている。

ロペには、リーブルビルから列車も通っているのだけれど、数か月前に起こった事故により、乗客を乗せる列車は運休中だという。

ただガボンの基幹産業である鉱物を運ぶ列車は操業中で、この壮大な景色の中を轟音を立てながら通り抜けて行く。

また素晴らしい景色なのが、全長約1,200kmでガボンでもっとも長いオゴウェ川の風景。

熱帯雨林やサバンナ、草原などを通り抜け、多様な生物を育みながらゆっくりと大西洋へと流れていく大河。

川沿いの森を観察していると、ガサガサっと音をたてながらサルが木から木へと飛び移っているのが見えた。

小高い丘を登っていくと、少しずつロペ国立公園の素晴らしい景色が明らかになってくる。

ちなみにロペ国立公園は、

ガボンのロペ国立公園は、中央アフリカに位置し、国内最大の国立公園の1つです。1992年に設立され、2007年にはUNESCOの世界遺産にも登録されました。

ロペ国立公園は、広大な熱帯雨林やサバンナ、河川、湿地帯など多様な生態系を含んでいます。この地域は、豊かな野生生物の生息地として知られており、多くの種が見られます。公園内には、象、ゴリラ、チンパンジー、ヒョウ、アフリカゾウ、シマウマ、バッファロー、さまざまな種類のサル、鳥類、爬虫類、昆虫などが生息しています。特に、ロペ国立公園は西洋低地ゴリラの保護区として重要であり、絶滅の危機に瀕しているこの種の生息地の一部となっています。

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ロペ村も国立公園内に位置し、早朝や夕方から夜中にかけてサファリに行かなくてもゾウやバッファローが出没する。

私も実際に村の近くでゾウを、バッファローは村の茂みの中で見つけた。

村人は野生動物の危険性を十分理解しており、バッファローを見つけても絶対にむやみに近づいて刺激したりすることはない。

彼らはバッファローのいる道を迂回して通っていく。

「この村にはなぜ犬がいないのか知っているか?それはなヒョウがみんな食べてしまったからだ」と話す村人も。

翌日はロペ国立公園内の森が見てみたくて、ミコンゴという40kmほど村から離れた地域へ。

ヒッチハイクしたトラックのドライバーが、「早朝にここでゾウを見た、バッファローがいた、ゴリラがいた」などと、色々と教えてくれる。

彼はトラックでほぼ毎日同じ道を走っているようで、早朝に出て、夕方に帰ってくる。彼は毎日国立公園内をサファリしているようなものだ(笑)

そんな彼に、「この道から森に行けるよ」と教えてもらい、ついにガボンの熱帯雨林の中へ。

うっそうとしたジャングルの中に続くトレイル。

左右に伸びる獣道も無数にあり、おそらくゾウの通り道になっているのだと思われる。

森にはうっすら霧がかかり、薄暗く、メガネがほんのり曇るほど湿度が高い。

野生のゴリラやチンパンジー、ゾウに出会いたくて森の中へ来てみたが、実際に歩き始めると怖さもある。

もし彼らと出会っても、彼らがどんなリアクションをとるのか全くわからないからだ。もしかしたらゴリラに殴られるかもしれないし、ゾウに蹴飛ばされるかもしれない(笑)

至る所から聞こえてくる鳥の声。

ガサガサという音がして振り向いてみると、サルの影が跳びまわりながら森の奥に消えていく。

ゾウの糞は至る所に落ちていて、確かに彼らはこの森のどこかに住んでいる。

ただ実際に会うことは叶わず。出くわさずに運が良かったのか悪かったのかは、知る由もない。

しかし、彼らが実際に森に住んでいるという事実だけで、森の見え方や感じ方は全く違うものになる。

自然の中にいるという危険性、恐怖で本能を目覚めさせてくれると同時に、何とも心地よい気分だったのをよく覚えている。

ロペ国立公園の豊かな森に名残惜しさを感じつつも、ガボンのさらに内陸部へと進んでいく。

おわりに

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